先日、ドクターの勉強会があり、東京を中心に活躍される今泉先生と注入治療について色々とディスカッションすることができました。今後の展望や新しい治療法、製剤についても情報交換することができ、大変有意義な勉強会となりました。今泉先生は今年5月に六本木で開業される予定で、落ち着いたころにお邪魔させていただきたいなと話していました。
ドクターといえども何もしなくては日進月歩の医療の進歩にはついていけず、やや遅れた治療を漫然と行うという状況に陥りがちです。最新の情報を取り入れて常に自分をアップデートする必要があり、その場として学会や勉強会があります。それぞれのクリニックや病院で行っている治療症例や合併症などを発表し合い、ディスカッションしてさらに今後のより良い治療へとつなげていきます。
医療は症状の原因を解明し、それを改善する薬や方法を研究し、さらにそれが本当に効果があり、かつ副作用や合併症が許容できるものであるかを膨大な時間と費用をかけて検証し、初めて世に出てきます。思い付きやアイデアが治療法として形になるまでにかなり時間とお金をかけて、効果、安全性を判定するので、薬一つとっても効果とリスクがバランスとられて出来上がっており、途中でテキトーに作られるということはありません。
それに対して効果や安全性の検証が必要ない民間療法は、思い付きで行っている場合も少なからずあり、本当は効果はあまりないけどリスクもないというならまだしも、実はリスクが意外と高かったり、間違えると危険な場合もあります。しかし、必ずバックボーンのある医療行為と違ってその検証は基本的には誰もしてくれず、時々ある検証データも集計方法が偏っていたりそもそも集計すらされていないということもあります。
もちろん民間療法の中にも優れた療法はありますが、広告に埋もれて玉石混合の中からそれを見つけ出すのはなかなあ難しい作業かなと思います。
上記の記事は、たまたまとある人が汗の成分を研究したことでわかったことで、この事実は発汗することで体内の毒素を出す、という行為がちょっと違っていたことを意味します。汗をかくこと自体はさっぱりして気持ちがよいことなので否定はしませんが、デトックスのためにと無理やり汗を出して水分をとらないと人間は簡単に脱水状態になり、記事の中にもあるように熱中症になるリスクも上がってきます。
私が以前に外科医として癌治療を行っていたころ、小さい大腸がんが見つかった患者様がいて手術の話を進めていた時に、患者様からある民間療法を試してみたいという申し出があり、よく聞いてみるとその民間療法とは、特殊なベストを着ているだけで癌も病気も治るというものでした。さすがにその時は、病気の状態とそれに対する標準治療の結果を丁寧に話をして、納得して手術を受けていただきました。私は西洋医学が最も優れている、と言うような西洋医学信者ではなく、東洋医学、民間療法のそれぞれ良いところをバランスよく取り入れるのが良いと考えています。現代医療については色々と怖い面ばかりがクローズアップされることが多くてマイナス面ばかり見てしまいがちですが、医療によって治っていることも多く、もっとその「できていること」にも目を向けて欲しいなと思っています。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ラベールミラクリニック
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄1-3-3 ヒルトンプラザB1
052-253-8155
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
この記事へのコメントはありません。