ボツリヌス製剤は保険診療、つまり普通の病気の治療でも使用されるほど安全 で確立された治療薬で、海外ではアンチエイジングの基本的な治療として当たり前のように治療されています。日本でまだまだ一般的でないのはボトックス=整 形というイメージがあるのに加えて、いわゆる失敗顔の印象が強く残ってしまうからではないでしょうか。
顔の中でボトックス治療が適している部位は下図の通り。
上から順に、額、眉間、目尻、アゴ先。この中で比較的リスクが少なくて誰がやっても 良いと感じるポイントは目尻とアゴ先。目尻のシワは目を細めた時に深くなるため自分では気づきにくく、他人からはよく見えるポイント。アゴ先も同様に、口 を閉じる動作でウメボシのようなシワが寄ります。この2か所はボトックスですぐにシワが無くなり、かつ失敗が少ない部位です。失敗が少ないということは変 な顔にならないということ。アゴ先はちょっとだけ気を付けないと、狙ったポイントを外すと唇が少しだけ動かしにくくなるかもしれません。
眉間のシワは年齢を感じさせるだけでなく、いつも怒ったような印象を与える表情に影 響するポイント。ここは目尻に比べると少し注意が必要です。眉間にシワを寄せる筋肉は位置がやや複雑で、人によって肥大している程度も異なります。周りに は眉を動かす筋肉や瞼を上げるための筋肉もあり、目的の部位から外れるとそれらに作用してしまい、瞼が下がってしまう眼瞼下垂のような顔になったり、逆に 薬の量が多すぎると左右の眉が離れてちょっととぼけた表情になってしまうこともあります。こうなるといわゆるボトックスの失敗顔としてネット上にあふれる 写真に近くなってしまいます。
額のボトックスは一番トラブルの多い場所で、ちょっと効き目が強いと額の筋肉が伸び て眉が下がり、ずっと怒ってるような表情になることや、酷い場合は頭痛も起きてきます。また、左右差があると左右の眉の高さがずれたり、真ん中だけが効く とスポックブロウという吊り上がった眉になってしまいます。
上記の問題は技術的なことでほとんどを回避できますが、どれだけ完璧に施術しても個 人差や体調で思わぬ効果が現れてしまうことはゼロとは言い切れません。そこが機械ではなく人間を相手にする医療の難しいところではありますね。ボトックス の効果は時間とともに治まってくるので、もしも変な表情になったとしても必ず戻ってきます。ただし、溶かす薬があるヒアルロン酸とは違ってボトックスは効 果を打ち消す薬はありませんので、時間が経つのを待つしかありません。その間患者様は我慢して過ごさなければいけないので、それがストレスとなってしまい ます。
日本ではとかく悪いイメージのつきまとう美容整形、ボトックスですが、興味を持って いる方は非常に多く、正しく治療をすれば違和感なくきれいに若返ることができます。毎日診察していても、本当は興味があるしやりたいけど何となく怖い、と いう方は想像以上に多くて、そのような方が勇気を出して治療を受けると、「やってみて良かった」「こんなに良いならもっと早くやっておけばよかった」と言 われます。その瞬間が一番嬉しい瞬間です。アンチエイジング治療のイメージがもっと向上するように、施術者は日々勉強して腕を磨かないといけませんね。
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ラベールミラクリニック
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