たれ目院長ブログ ~医療と民間療法、サプリメントと薬の違い~

美容と言うとクリニックにおける治療だけでなく、エステや整体、サプリメントなどなど幅広いジャンルがあります。では美容医療とエステや美容家の違いは何でしょう?薬とサプリメントとの差は何でしょう?

最近、ニュースでとあるダイエットサプリメントの問題を見ました。そのサプリメントは飲むだけで身体の負担なく痩せられるといった内容でしたが、実際には飲んだ人に腸炎などの副作用が多発し、ひどい人は一週間以上の入院を必要としたというくらいの副作用があったようです。

クリニックで診察していると、新しい化粧品や美容液を使ってみたけど返って肌荒れがひどくなった、という方を時々診ることがありますが、たいていはネットで購入した化粧品であることが多く、最近の私の周りのトラブルでは「幹細胞」が一つキーワードになっています。ある患者様はネット上で購入した幹細胞化粧品を使った直後から顔に赤みと腫れが出て、治療にだいぶ時間がかかったこともありました。

これらの副作用は、当然治療や医薬品であっても発生することはあります。ただ、決定的に異なるのは、医療というのはある程度の副作用は容認しているということ。誤解を恐れずに言えば、副作用の全くない医療はありません。たとえ風邪薬であってもアレルギーや吐き気、体質に合わない副作用が出る可能性はあります。

大事なのは、副作用が無いことではなく、リスク以上に得られるものが大きいこと。手術はその際たるもので、身体にメスを突き立て、切り裂く。普通であればあり得ないことをするわけです。リスクや副作用があるというレベルではありません。身体を明らかに傷つけているわけですから。ただ、そのマイナス面以上に得られるもの、命が助かるなどの利益があるから行われるわけで、このような行為は医療以外では認められません。逆に言えば、患者様はその利益を得られるからこそリスクも受け入れて治療に臨むわけです。

そのために、治療や医薬品ではリスクと利益のバランスをとるために厳格なテストや考察が重ねられ、例え副作用があってもそれ以上に利益が得られる可能性がある場合には選択肢の一つとなってきます。

サプリメントやネットで販売される薬のようなものはどうでしょう?そのような副作用、リスクをチェックする機関もなければ治験もありません。もちろんある程度の基準というものはありますが、医薬品のそれとは比べものにはならず、まして輸入品であると基準どころか効果も製造も成分すら不明で怪しいものばかりです。

つまり、簡単にいえば、サプリメント等は効果はあっても副作用がどれだけあるのか不明、もっと言えば効果があるのかさえも不明、というものが多いのが現状です。薬と違い、効果は正しいデータや裏付けがなくても広告で大きく言えてしまいます。社員を使って口コミを操作していたり、嘘の体験談を並べる、悲しいことですがビジネスの場においては当たり前のようにされています。

誤解しないでいただきたいのは、私がサプリメントや医療以外の一切を否定しているわけではないこと。私自身、腰痛がひどい時は接骨院だけでなく腕の良い整体師を頼りますし、ビタミン剤を中心としたサプリメントは良く飲みます。私は医療至上主義ではなく、医療にしかできないことは医療に任せて、医療でできないことは他も頼る、というような割とリベラルな考え方をします。

確実に良いと判断できればいいのですが、ちょっと困るのは、患者様から使っているサプリメントや医療器具が良いかどうか聞かれた時。これまでに述べたように、そのサプリメントや器具が本当に効果があるのかどうか、リスクが少ないのかを判断する材料や指標がないので、良いとも悪いとも言えず、わかりませんとしかお答えできないのです。患者様が良いと思い込んでることも聞いてみれば販売会社が言っていることで、そこには根拠が不明であることもあります。薬や医療に関してであればある程度わかるのですが…

そして、民間医療にも、治療以上に素晴らしい効果があることを知っている私としては、よくわからないからといって否定することもしたくありません。医学ではわかっていないたけで、身体に良いことというのは無数にあります。問題はその判断基準がなく、効果やリスクは二の次でビジネスとして展開しているであろうモノが多いこと。

新しいものや広告に期待してしまう気持ちはよくわかります。しかし、身体に取り入れたり負担をかけそうなものはちょっと慎重になっても良いんじゃないかと思います。今回のダイエットサプリでは幸い治療で回復されたそうですが、過去にはダイエットサプリで死亡者が出たこともあるようです。もちろん医療だから全て安心ということはありませんが、治験や厚生労働省の承認、学会での議論など、厳しくチェックされた上で残っている治療、薬品に関しては、そのようなチェックがないものよりは不安は少ないと思います。

ちなみに当院が専門的に行なっているヒアルロン酸注入治療も、ナチュラルに若返る、キレイになることに対して大きな効果がありますが、リスクは全くないわけではありません。針を刺す以上は皮下出血や腫れなどの小さな副作用は起こり得ますし、まれとはいえアレルギーが起こることもあります。そして、どれだけ気をつけていても血流障害が発生してしまうこともあります。

それらのリスクに対しとことん配慮し、気をつけて施術をすること、そして万が一の際にもその合併症を改善させる手段も準備していること、こういったこだわりが治療の安全性だけでなく、仕上がりにも関係してくるのではないかと思います。

私の知っている上級ドクターは例外なくそういったこだわりを持っています。リスクを最小限に抑えれば、得られる利益は元々大きいものですからとても素晴らしい治療となります。注入治療は。

サプリメントのニュースを見て、ふと色々なことを考えてしまいました。

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