手のシミを消したい、という希望がありました。年齢は手と首に出る、と言うように、手と首のシミ・シワは意外と年齢を感じさせるもので、本当はきれいにしたいという希望はけっこう多いです。
手のシミはほとんどが紫外線、年齢によるものであり、レーザー等の治療も効果があります。ただし、顔のシミと違って少し注意が必要です。顔のシミは、レーザーで消えるタイプの場合、照射後1週間ほどでかさぶたがとれ、1カ月ほどで治ります。濃いものでなければ一度の治療でほとんどがきれいになり、炎症性色素沈着もそれほど起こりやすいものではありません。しかし、手や身体のシミは、同じようにレーザーを照射しても皮膚の治癒には顔よりも時間がかかり、さらに炎症性色素沈着が出てくることが多いのです。
手や腕のシミにレーザー治療を希望される場合、顔のシミよりも時間がかかること、複数回のレーザーが必要となること、炎症性色素沈着の可能性が高いことをよく説明した上で治療します。炎症性色素沈着はレーザー照射したシミの周りにぼやっとした茶色い色素が出てくるもので、炎症で活性化したメラノサイトにより産生されたメラニン色素の集まりです。3~6カ月で徐々に消えてくるものですが、なかには残ってしまうものもあるので、レーザー治療と同時に炎症性色素沈着を抑える治療を開始することが重要です。炎症性色素沈着は数カ月で消えてくるものとはいえ、やはり最初から出ない方が良いですし、出てしまっても早くきれいにしたいですから。
下の写真は私の腕のシミをYAGレーザーで治療した時の経過です。
腕にあるシミににYAGレーザーを照射し、かさぶたが剥がれ、薄い皮膚が治っていく過程がよくわかると思います。問題は、かさぶたが剥がれる前後あたりで患部がかゆくて、何度かうっかり忘れて掻いてしまったことです。最後の写真では、目的のシミは消えているのにその周囲にもやっとした茶色い色素が出ているのが見えます。おそらく痒くてかいてしまったことで出てきた炎症性色素沈着です。この炎症性色素沈着は時間とともに消えていきますが、3~6カ月とやや時間がかかります。
患者さんにとっては知らないとシミも炎症性色素沈着も同じに見えるため、レーザー当てたのにシミが消えないとか、消えてもまた出てきた、などという印象になってしまい、せっかくの治療が満足度下がってしまいます。私の治療経過の写真でもわかる通り、最初にあったシミはレーザーにより消えており、治療の効果が無いわけではありません。大事なのは、シミ治療というのはレーザー当てて終わりではなく、炎症性色素沈着の可能性があることをよく話した上で、その発生を抑え、出現しても早く消していく治療までを含めて一つのシミ治療と考えることです。
たかがシミですがされどシミです。簡単なようで意外と奥が深いシミ治療、ちゃんと診断して適切な治療を施せば気軽に受けていただける治療ですが、あまりに軽くみている美容用品やクリニックは少し注意した方がいいかもしれません。
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