もう先月になりますが、MDーcodesの開発者であるDr.デマイオから直接、アップデートされたMDコードを学ぶ機会がありました。そう、MDコードは開発されてからもずっと、年々進化しているのです。日進月歩の医療技術において、新しい技術は5年後にはもう古臭くなることはよくあります。むしろ進化してこそ最新、最良を保てるともいえます。
ただ、各国からのインストラクターを一堂に招いてセミナーが行われ、かつ特殊な解剖研修ができる施設、法的な問題をクリアできる、ということで場所はタイのバンコクが選ばれ、我々日本のインストラクターもわざわざタイまで出張してきました。会場では他にも中国、マレーシア、シンガポール、台湾、オーストラリア、など多くの参加国から総勢300人以上になる大きなセミナーでした。
MDコードという考え方に賛成意見も反対意見も色々とありますが、それだけ多くのドクターが論文や研究データといったエビデンスをベースにたくさんの勉強をしていて、その知識をもとにより安全で効果的な治療を追求しているという事実は尊いものと思います。注入治療について議論する場合には、注入治療について同じくらいの勉強をしていないと会話が噛み合わない、ということはよくあります。
ちなみに僕の考えでは、MDコードは信じるものでも賛同するものでもなく、利用するものと考えています。MDコードが開発されるまでに膨大なデータ、解剖知識、安全に関するテクニックが吟味され、詰め込まれたであろうと推測できます。安全で効果的な技術を寄せ集めたものがMDコードであり、MDコードをうまく利用することでそこに含まれる知識を活用することができる、というように。
もう一つ言えば、MDコードは教育現場でも利用できるように開発された側面があります。それを含めて見てみると、なぜMDコードがそうなっているのか、の意味が逆にわかってきます。MDコードだけで臨床現場の技術を全てカバーできるわけではないのはそもそも当たり前なのです。よって、MDコードに含まれた意味と目的を理解したら、信じる信じないという話ではなく、利用できる部分は利用すれば良い、ということになります。MDコードもそれ以外も、安全なTFT治療を徹底的に目指していくと、どうせ行き着くところは同じです。あくまで私の解釈ですが。
ラベールの注入治療はMDコードで学び、そのうちMDコードに拘らずに治療の奥行きを深めていきますが、それはMDコードから外れてるわけでもなくMDコードを超えているのでもなく、新井流を行なっているわけでもありません。いえ、言ってみればMDコードでもあり新井流でもありそれ以外のものでもある。
ちょっと何言っているかよくわかりませんが(笑)、要はより安全でナチュラルな治療のために各ドクターはMDコードも新井流も何もかも全ての要素を躊躇なく取り入れて、いずれ各自のテクニックに練り上げていくのですが、考えの本質、源流、コアは皆同じということ。そんなことできるのかと不思議に思うかもしれませんが、これができてしまうのです。そこが面白いところであり、僕が教育にハマる理由でもあります。
ラベールで注入治療を身につけたドクターは僕のコピーであってコピーではなく、完全なオリジナルでありながらそこにあるコアな情報は同じ、まさにDNAが受け継がれていくようなものです。
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