たれ目院長ブログ 〜若返りも輪郭治療も、ヒアルロン酸注入治療はデザインが命。〜
注入治療というのはテクニックだけではなく、どの方向性でどの程度治療するか、治療前のプランニングが非常に大切です。例えて言えばそれは家を建てるようなものです。
家を建てるとなったら皆さん設計士とよく相談すると思います。それが注文住宅だったらなおさらで、一級建築士に依頼するくらいこだわって建てるとなると、どれくらいの大きさでどんな形で、内装の雰囲気はどんな風でキッチンの位置や広さ、風呂、部屋の形、などなど色々と考えると思います。そのとことん相談する時間が注入治療における診察の時間となります。
そう例えると、診察、カウンセリングがいかに重要なのかがわかると思います。診察でしっかりと希望を伝え、それに沿ったプランを提示してもらうことが治療には必須で、診察にそれほど時間をかけずに治療を受けるのは建築士とほとんど打ち合わせずに家を建てるようなもの。そんなことで家を建ててしまうのは怖すぎるし、せっかく家を建てるのにもったいないことでしょう。
もちろん家を建てることと注入治療を受けることは全く異なることですが、プランニングにかける時間、こだわりと希望を伝えて相手にそれを理解してもらうことがいかに重要であるかは同じように考えられるのです。そうすると治療前の相談、診察がいかに大切で欠かすことのできないものかがイメージできると思います。
家のデザインと治療の方向性も似ています。洋風の家、和風の家、ログハウス風の家、変わった形の家、それこそ無限にあるわけで、その中で正解は決まっていません。自分がどんな形の家に住みたいかが大事であってそれが正解です。顔に当てはめると、どんな輪郭、印象になりたいか、どれくらい若返りたいかが大事で、何が似合うか、何が正解かは決まっていません。ただし顔の場合は家と違い、顔のバランスを崩すような奇抜なデザインは避けた方が良いですが。
好きな家にすれば良いとは言いましたが、土地の大きさや形、地盤、気候などを考えると、ある程度はこうした方が良いというポイントがあると思います。潮風が強いところでは錆びやすい素材に気を使う、街の雰囲気を壊さないようにする、土地が限られる場合は3階建てにしてリビングを2階にする、などなど。
お顔のデザインも似た感じで、基本的にはなりたい顔、希望するラインを目指していくのですが、元々の骨格やパーツの形、大きさなどを考慮し、バランスを崩さない範囲内で最大限整えていきます。そのバランスは最終的には顔の範囲を超えて体格や身体のライン、手や首、仕草や言葉遣い、全てを含めて違和感のないように考えていきます。
もし患者様の希望する形が、注入治療で技術的には可能であったとしても、他の部分とのバランスでズレが生じる場合には、そのリスクを伝えて治療の方向性や程度、順番を組み替えるか、希望のプランそのものを少し修正するかなどを話し合います。
また、家の場合は最終的には好きな形でも良いですが、顔の場合には人の感覚としてある程度の綺麗な形、バランスの整ったラインや比率がありますので、それも外さないようにします。そのあたりは家作りと少し異なるポイントでしょうか。どんなに奇抜な形の家でも好きならば良いですが顔の場合はやはりそうはいきません。
ではどこまでがバランス良くて綺麗な範囲で、どこからがバランスが崩れて違和感が出るのか、顔のデザインにおいてそれを決めるのは容易ではありません。それを見極めるのは経験豊富な建築士であるはずの医師の役目です。クライアントの希望と理想の形を両立させながら絶対にバランスが崩れない範囲内でデザインしたプランを作り実践する、建築士と大工さんの両方を医師一人で行います。
特に、バランスが整う範囲と違和感が出る領域、これは時として紙一重です。注入治療をする医師はその見極める技術を学び、経験して自分のものにするのですが、その前に何を持ってバランスが整う、崩れるとするのか、その理論を正しく学ぶことも必要です。自分の感覚、我流では行き詰まることがあります。
注入治療は勘と経験に頼った治療ではありません。何をやるにしても必ず理論があり、治療には改善する仕組みがあります。センスもあると良いですが、そのセンスは訓練によって鍛えることができます。もう少し具体的に言えば、注入治療において求められるのはセンスではなくて、状況を微細に分析できる力であり、それを可能にするのは観察力と知識と正しい指導です。
その中で、自力でたどり着く人もいるので必ずしも指導者は必要とは言えません。また、知識も観察力も努力によって得られるものです。もちろん、注入治療が専門的に行われていて、そこに指導者がいる環境ですと習得は早いと言えます。名古屋のラベールミラクリニックがそんな場の一つになれば良いなと思います。
注入治療をするドクターは、クライアントの希望と理想の形を融合し顔をデザインする。必要な要素は観察力、分析力、知識、経験、テクニック、器用さ、大胆かつ繊細、冷静さ、優しさ、想像力、意志の強さ、覚悟、責任感、えーと、もう全部必要です。
あ、「楽して儲けよう」は頭から外しておいた方が良いです。これあるとあまり良いこと起こらないです。
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