たれ目院長ブログ 〜フェイスラインをシャープに引き締めるボトックスリフトはタイミングが大事〜
ボトックスは大変有用な薬なのですが、作用が強力なために下手に扱うと副作用や合併症が強く出てしまいます。ボトックスという薬そのものをよく知って理解し、その作用や効果の発現を経験的にもちゃんとわかっていて、そもそも作用機序や解剖をよく知った上で患者様の状態を見極めて使わないといけません。
そんなボトックスの変わった使い方の一つとして、「ボトックスリフト」があります。
これ、語呂が良くてなんとなく呼びやすいし、もうこの名前である程度広がってしまっているので今更言いにくいことですが、リフトと名前がついていますが皆様の想像するようなリフトアップとはちょっと異なります。確かにリフトアップの方向にはいくのですが、頬をリフトアップというよりはフェイスラインがシャープに引き締まるような変化をします。
対象となる筋肉は口角下制筋と広頚筋。口角下制筋は文字通り口角を下に引っ張る筋肉で、への字口の表情を作る時に使います。ところが普段からこの筋肉に力を入れる癖のある人は、それを何年も続けた結果、口角を下げて怒った様な表情になりやすくなっている方がいます。
また、広頚筋は首全体に広がり、首から顎のラインを超えて顔の下側の皮膚に付着し、主に顔の下側の皮膚を下へ引っ張る筋肉です。これも自然に力が入りやすくなっている方は、なんとなく顔全体が下に引っ張られたような、険しい表情になりやすくなっています。
この二つの筋肉に対してボトックスを上手にうつと、顔の皮膚を下に引っ張る筋肉が弱くなる結果、上に引っ張る筋肉が自然に勝ちやすくなって、顔全体が少し上に上がってきてリフトアップとなります。ただしこのリフトアップはヒアルロン酸によるリフトアップとはちょっと違って、ぐいっと皮膚が上がるというよりはフワッとした感じで上がった感が出ます。
正確に言えば、ボトックスリフトは頬を高くするようなリフトアップではなくて、フェイスラインをシャープに引き締めて、どちらかといえば小顔にする治療です。もちろんその変化は結果的にリフトアップされたように見えるため、ボトックスリフトという表現で間違いではないですが。
口角下制筋へのボトックス注射は口角を上げる、いわゆる口角ボトックスとして有名ですが、広頚筋に対するボトックスは施術しているクリニックは少ないと思います。広頚筋に対して行うボトックス注射はネフェルティティと呼ばれる首の縦筋を消すための治療はある程度行われていると思います。
ボトックスリフトでは同じ広頚筋でも顎近くに集中して注射することでフェイスラインを引き締めます。なぜフェイスラインが引き締まるのか。ここで説明するのは難しいのですがちょっと頑張って説明してみます。
広頚筋というのは上図の赤ラインのように、首の下の方から顎の角を超えて顔の下の方まで伸びています。この広頚筋、ちょっと力が入ると赤ラインの様に首から顔にかけて直線的につながり、顎の角、フェイスラインがぼやけてしまいます。「私そんな力入れることないわよ」とおっしゃる方も、無意識のうちに力が入っていることが多いのです。
そんな広頚筋、力を抜くと下図の青ラインの様に、顎から首のラインにかけて張り付くように変化し、結果としてフェイスラインのコントラストが出てシャープに見えますし、顎下の膨らみが減って顔を小さく見せます。
ただ、患者様に力を抜いてくださいと言っても、そもそも無意識に力を入れているのでそれを意識して無くすのは難しい。そこで登場のなるのが強制的に脱力させるボトックスなのです。ボトックスによって広頚筋を弛緩させると、
上図の様に、緊張して赤ラインの様に直線的だった筋肉と皮膚は緩んで青ラインのように顎本来の形に張り付く様に近づきます。そうするとフェイスラインの角が出てシャープになり、顎下の膨らみが減ったように見えて小顔になり、下顔面が引き締まったことと下に引っ張る筋肉が緩んだ結果、リフトアップされた状態に近づきます。
これがボトックスリフトの仕組みと正体。この効果はかなり大きいことを私は実感していますが、治療のタイミングが非常に重要となります。
というのは、ボトックスリフトで狙う主な筋肉である広頚筋は、皮膚、皮下脂肪の下の層にあります。広頚筋よりも表面にある組織が分厚いとボトックスリフトの効果が表面からは見え難いのです。
簡単に言えば、フェイスラインのたるみが大きいと、いくら広頚筋を緩めてもその変化は上に乗っかっているたるみに邪魔されてわかり難いということ。ボトックスリフトの効果がないわけではなくて変化が見えないのでもったいないのです。せっかくお金をかけて治療しても。
まとめると、ボトックスリフトはリフトアップにあらず、フェイスラインをより引き締めてシャープかつ小顔にする治療。ただしある程度のリフトアップを完了した後でないと効果が見えないので治療のタイミングが大事!
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