たれ目院長ブログ 〜注入治療のそのこだわり、ちょっと異常じゃないですか? はい、わかってます。〜

「一針入魂」とは以前にブログで書いた言葉ですが、その姿勢は今も全く変わりありません。針を一回刺すごとにまさに魂を込めてます。

ヒアルロン酸注入治療の最大の合併症は血管塞栓。合併症としてはあまり問題にならないが見た目や苦痛につながる痛みと皮下出血。最大の合併症を避けつつ現実的な障害となる痛みと出血を極力抑えるため、超マニアックなことを考えながら施術しています。ちょっと振り返ると、

①毛穴を探す(毛穴から針を刺した方が痛みが少ない。)

②よく消毒する(私は感染が嫌い。異常なくらい消毒します。)

③針を刺す瞬間は皮膚に突き刺すのではなく、押し当てて圧力をかけて待つ(痛みが少ない。)

④介助者がヘッドマッサージや振動を与える(痛みが少ない。)

⑤針を回しながらゆっくりと進める(痛みが少ない。静止摩擦係数よりも動摩擦係数の方が小さい。)

⑥皮膚、脂肪、血管、筋肉、靭帯、骨、針先が触れる組織を感触からできるだけイメージする(合併症や痛みを少なくし、正確にヒアルロン酸を置くため。)

⑦アスピレーション(塞栓を避けるため。)

⑧最初の0.01ccの注入、プランジャーの押し始めに全身全霊を込めて全集中(塞栓のリスクは注入し始めが最も高い)

⑨ゆっくり、極めてゆっくりと注入する(痛みを減らし塞栓を避け、正確な形にヒアルロン酸を注入するため。)

⑩針先をブレさせず無駄な動きを加えない(痛みを減らし塞栓のリスクを避け、無駄な出血を避ける。)

11.注入中は周辺の皮膚色の変化、注入されたヒアルロン酸による形の変化を確認して見逃さない(塞栓を避けるため。0.01cc注入すれば必ず0.01cc分の膨らみができる。)

12.ゆっくりと同じルートで針を抜いてくる(痛みと出血を減らすため。)

13.十分な圧迫止血(皮下出血を減らすため。)

14.モールディングマッサージ(きれいな形に仕上げるため)

だいたいこんなとこでしょうか。一針刺す間にこれだけのことを同時に意識しながら行っています。それを一回の施術で顔中で15〜30箇所。患者様一人施術するだけでぐったりするのもわかると思います。

しかも最初から最後まで気を抜く瞬間がありません。外科の大きなオペとかは大変そうに見えますが、例えば3時間の手術中ずっと100%集中しているわけではなく、最初の方やオペの終わりの方では集中して入るけどそこまで気を使わずにできるところがあります。一つのオペの中で集中力をMAXにするのは重要なところ、危ないところの処置に偏っています。

ところが注入治療は、見た目はオペよりも遥かに簡単そうに見えますが集中力に関しては全く気を抜けないため、1時間の施術であってもその疲労感は半端ないです。

ただし、

こんな疲れるのは私が異常に、病的なまでに注入治療の安全性と仕上がりにこだわりを持っているからです。セミナーで、ヒアルロン酸をゆっくりと注入するシーンをお見せすることがあり、セミナーだから特別にゆっくりと注入していると思われることがありますが、実際の患者様への施術でもリアルに、この人止まってんじゃないかというくらいゆっくりと注入しています。

普段、注入治療をプチ整形の意識で、ちょんちょん、さっっさっと注入されているドクターからするとなんでこんなに手間と時間をかけるのか不思議でしょうし、ちょっと異常じゃないかと思うでしょう。はい、私が異常なのはわかっています。十分に自覚しています。

でもこの異常さは決して悪いことではないと信じています。むしろ患者様にとってはプラスになることだと。それに、自分でももうちょっとさっと軽く施術できないかと思うことはありましたが、いざ治療に入ると全く手を抜けないのです。さっきの針一刺しの手順も、どこも省けないのです。結局全部意識してしまうので、自分でも嫌になるくらい時間と手間がかかります。

ちょっと急いだり焦ったりして、普段のこだわり100%に対して90%くらいで施術した部分は必ず後から悔やむのです。例え仕上がりもきれいで患者様は全く問題がなかったとしても、自分の中でほんのわずかでも余力があったと思うと反省の嵐と悔やみ、自責の念でしばらく落ち込むので、もう常に100%の全力で注入するようにしています。毎回毎回、これ以上はないというくらい。

たかが注入治療にそこまでこだわりと思いを持ってやるのは、客観的に見ればやはり異常でしょう。だって世間一般ではたかがヒアルロン酸注入ですから。ここで、たかが注入されど注入、なんて安直なセリフで締めくくるつもりはありません(笑)

他のドクターや一般の患者様から見てプチ整形、お手軽なヒアルロン酸注入、ですが、私の考える注入治療はおそらく根本的に概念が異なり、全くお手軽ではありません。私の中では注入治療とは骨格矯正と組織配置の正常化であり、時間的変化の巻き戻し、顔のリバランス、さらには人の視覚や感性のコントロールが目的です。

と、まあこんなことを言ってるからちょっと異常だ、変だとなるんでしょうが、もう十分に自覚していますから大丈夫です(笑)

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