たれ目院長ブログ 〜肩こりボトックスは私の必須メニュー〜

 

マッサージを受けて一時的には良くなるものの姿勢が悪いとすぐに元通りになってしまうので、ボトックスを使った肩こり治療を知ってからはもう離れられません。

肩こりの「こり」という表現は夏目漱石が小説の中で用いた表現が定着したものだそうで、日本独特の表現です。海外ではこりではなく痛みとされます。肩こりであればshoulder pain、neck pain、headacheなどと言われ、近い表現としてはstiff shoulderとされますがこれも直訳すれば硬いとなります。

肩こりの正体はいくつかの説がありますが、筋肉の異常緊張によるものが有力な説となっています。首回りの筋肉の異常緊張によりまっすぐ向いているつもりでも首が傾いてしまう傾性斜頚という病気がありますが、ある研究では肩こりは首の傾きは見えないけど傾性斜頚と同じ仕組みの原因があるとみて、ボトックスでその異常な緊張をとる治療が施されたところ、ほとんどの患者で肩の痛み、強張りといった肩こり症状が改善するという良好な結果が得られました。このことからも、また人は経験的にも肩こりは筋肉が硬くなること、それによって血流が悪くなってより症状が酷くなることをわかります。

ボトックスは筋肉の緊張を和らげる薬なので、異常緊張の肩こりには理論的にも適しているはず。ということで文献を頼りに自分に実験してみたところ、たしかに効果と思われるくらい症状が楽になりました。それ以来定期的に注射しています。ボトックスを注射すると最初の1~2週間くらいは肩がぽかぽかと温かい感じがしてきます。これはボトックスによって筋肉の緊張が解れ、血流が良くなった現れかなと思っています。1週間ほどかけてそうなるのはボトックスという薬の効き方を考えると合っています。

その後は肩こりが劇的に改善する、という方もいますが、どちらかというと前ほどこらなくなったという印象が正確かと思います。ボトックスを注射した場合としなかった場合を比較することはできないので、どれだけ改善したかということを正確に比較することができません。視覚的に変化するヒアルロン酸と違って見た目は変化しないので。(正確に言えばなで肩の人はきれいな肩のラインになることはあります。)そのため、どうしても主観的な評価となるのですが、ボトックスの効果が無い時はこの疲れ方だとかなりしんどいだろう、という時に、注射後では思ったよりも肩こりがないな、と感じることが多くなります。

患者様に協力していただいて肩こりボトックスの効果をアンケート集計したところ、10段階の痛み評価で10から7、8から5と概ねー3ほどスケールダウンしました。ざっくりとした平均なのですごく改善した人もいればあまり改善しなかった人もいます。改善度の少ない人はボトックスの効果以上に肩がこってしまったか、標準の肩こりボトックスの量では足りなかった可能性があります。ちなみに当院では肩こりボトックスの治療時にペイン治療のテクニックも一部用いて効果を高めるように改良しています。独自の方法ですが肩こりボトックスを他のドクターにレクチャーする時にはオープンにして紹介しています。元々麻酔科医だったからできる発想だとよく言われます。

ちょっと専門的な話になりますが、ボトックスは筋肉の緊張を解して肩こりを改善させる効果がありますが、それとは別に慢性的な疼痛を改善することができる可能性があります。肩こりや腰痛など慢性的な痛みに悩まされている場合、痛みを感じると神経反射によって痛みの場所にサブスタンスPやペプチドと呼ばれる「痛みの伝達物質」が放出され、それによって炎症が起こることでまた痛みが増幅される仕組みがあります。この負のスパイラルを止めるにはまず痛みを感じないようにする必要があり、それがペイン治療で行われる施術ですが、ボトックスはこの炎症を起こす物質が放出されるのを止める働きがある可能性があり、それが本当にあるとすれば慢性的な痛みの発生サイクルを直接止めることができます。まだ研究段階ですがその結果を楽しみにしているところです。

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