たれ目院長ブログ 〜注入治療は自由度が高過ぎて説明が難しいです。ヒアルロン酸注入でしかできないこと、その仕組みは?〜

ラベールで行う注入治療は同じヒアルロン酸という素材を使っていても全く異なる理論で治療を組み立てていきます。どう違うのか、これはちょっと難しい話で、セミナーでも時間をかけて説明していきます。

そもそもなぜヒアルロン酸を注入することで若返るのか、リフトアップされるのか。

ヒアルロン酸入れてもリフトアップなんてしないでしょ…。そう思われるドクターの方、はいその通りです。私もこの治療を知る前はそう思っていました。特に外科医の先生方、私も外科医だったのでそう考える気持ちはよくわかります。下垂した組織はオペで引っ張り上げないとダメでしょ。ヒアルロン酸、無理無理、と思っていました。

ところが、ヒアルロン酸注入によるリフトアップは根本的に考え方が違うことをその後思い知るのです。

老化現象の根本的な原因に、土台となる骨の萎縮があります。顔でいう骨とはずばり頭蓋骨。目に見えないけれども、皮膚の奥で頭蓋骨が縮んでいきます。この縮みは皆さんの想像以上に進みます。土台となる頭蓋骨が縮んでしまうと、上に乗っかっている脂肪や皮膚は土台を失って緩みだし、重力に従い身体の下へとずれていきます。これがいわゆるたるみです。

(画像はアラガン社の資料からです)

 

この土台の萎縮によるたるみへの影響が思いの外大きかったのです。この治療を深めていく中で経験的に良くわかりました。

ちなみに、骨の萎縮は個人差はあれど誰でも起こります。止められません。カルシウムを摂取すれば良いか?。骨密度は上がりますが、萎縮自体は止められません。成長ホルモンを注射しても骨の末端が肥大するだけですし、どれだけ天才的な美容マッサージをしても針をしてもレーザーをしても点滴をしてもサプリを飲んでも糸をしても手術をしても、骨の萎縮は止められません。皮膚のコラーゲンや脂肪配置を頑張って保ったり遺伝的に保たれていて目立たない人はいますが、かなり限られた人です。

萎縮して失われた土台を補うには、何か代わりとなるモノを置くしかありません。今のところそれができるのは客観的かつ公平にみてもヒアルロン酸が妥当ではないかと思います。だからこそ私はヒアルロン酸注入を専門としました。もし他の素材や他の方法がより適していればそれを選んでいたと思います。

 

つまり、治療がベースであり、それに適した素材が今のところヒアルロン酸であって、私がヒアルロン酸を推しているからなんでもかんでもヒアルロン酸でやるというわけではないのです。治療に惚れて深めていき、そうこうしているうちに結果的にアラガン社のインストラクターになったのであって、アラガン社の指導医だからヒアルロン酸注入しか認めない、他の治療を否定する、なんてことは一切ありません。

ただ、年齢による顔のボリュームロスや元々の骨格の左右差、構造的な問題を改善するための注入材として余計なことは考えず公平に見た時に、部位に適した弾力を選べて、長期間形が持続し、細かい凹凸や左右差を0.01ml単位で注入して微調整するのにヒアルロン酸は今のところ適している、と考えました。

しかしその特性が返って治療を複雑にしているのも事実です。

顔中のどこにでも基本的に注射できて、0.01ml単位で注入量も選べる、と言うことは逆にどこにどれだけの量を注射すれば顔が綺麗に若くなるのか決まっていないのです。決まったパターンというのがなく、治療の自由度が高過ぎるために施術するドクターによって他の治療よりも上手下手の幅が広くなってしまうのです。

例えば二重のオペであれば、幅をどの程度にするか、平行にするか、2点か3点にするか、などと細かい部分は状況によって変わり、それがこだわりポイントであったりしますが、二重のラインを作るという意味では目的は一つです。方法も埋没法の中ではいくつかのバリエーションはありますが、自分の得意な方法が決まればおそらくそれを繰り返し行い、人によって全ての方法を使い分けるということはないでしょう。

ところが注入治療は10人の患者様に対して比喩や誇張ではなくリアルに10通りの方法があります。例え1ccの注入であっても完全にオーダーメイド治療になります。法令線一つとっても全ての人に共通する治療パターンはありません。厳密に言うとある程度はパターン化できますが、それでは全ての人の満足度を高めることはできません。同じ症状であっても人によって気にする度合いも異なるためです。

勘違いしないで欲しいのは、ヒアルロン酸注入治療が他よりも優れた治療であるとか、上級な治療だと言っているのではないこと。あくまで治療の特徴の違いなのです。例えて言えば、枠線が書いてあってあとは色を塗る絵に対し、全くの白紙のキャンバスに絵を描いていく方が複雑である。決めることが増えるためです。そしてヒアルロン酸注入治療は白紙に絵を描くような治療である、というイメージです。

自由度が高くて複雑な治療であるだけならまだ良いのですが、困ったことにヒアルロン酸注入治療は従来よりも高い効果を持ってしまったがために、やり方によって高い効果を出せる反面、それがマイナスな方向に行くと思いっきり顔のバランスを崩してしまうリスクがあるのです。要は正しい情報と確固たるイメージを持たずに治療すると変な顔になってしまうことがあるということです。

冒頭で書いたように、ヒアルロン酸には糸のような牽引する力はありませんしオペのように物理的に皮膚を短くすることもできません。ヒアルロン酸は言ってみれば硬いゼリーなので、どう頑張っても牽引力は生まれません。できることはただ単に骨格を若い頃に戻したり元々の欠損や左右差を埋めることだけです。ただ、骨格が若返ると皮膚も若い頃に配置に近づくため、結果的に若返る、仕組みとしてはそんなシンプルな話です。

輪郭治療やパーツ治療はまた別として、注入治療による若返りとは時間の巻き戻しです。年齢や時間とともに骨は萎縮し、筋肉は肥大し、脂肪は下垂する、その結果としてシワとたるみが完成するので、ヒアルロン酸注入で骨萎縮を戻し、ボトックスで筋肥大を戻し、下垂した脂肪は溶解注射でどかしちゃうと、あら不思議、リフトアップされた若い頃の顔に戻ってる、というわけです。

ね、こうして見れば仕組みは単純でしょ。たるみに対して引っ張り上げるのではなく、目に見えないけど皮膚の奥で起きている老化現象を戻してあげると結果的に皮膚が元の位置に近づいて来る、ここがポイントです。もちろん限界や治療できないポイントもあります。そこは他の最適な治療を組み合わせてトータルビューティーとしましょう。バランス良く。

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