ボトックスという薬は、非常に効果が強く、少し強く効いてしまったり広い範囲に効いてしまうとすぐに表情に違和感が出て、変な顔となってしまいます。さらに、どれだけ上手に注射しても、薬である以上、効き方に個人差があるため、薬が効きやすい人は強く効果が出て、効きにくい体質の人はあまり効果を感じないこともあります。
そのため、ボトックス注射の施術において大事なのは患者様の顔を良く観察し、表情の変化を見て、どの筋肉がどのような配置でどれくらい太く強くなっていて、それをどのようにどれくらいの頻度で緊張させるか、いわゆる表情の癖を見抜いていくこと。
観察は患者様と会う瞬間から始まっており、診察の間中、会話による表情の変化を見落とすことなくずっと見ていきます。しっかりと観察すると、患者様の表情の癖、筋肉の動かし方を見極めることができ、それに合わせてボトックスを注射するポイント、量を調整していきます。
さらに、1回の施術ではボトックスの効き具合が分からないので、ボトックス注射後の2〜4週間後くらいのちょうど良く効いている頃を目安に経過観察に来ていただき、ボトックスの効き具合、個人差も観察しておくこと、これもまた非常に大事です。
注射のポイントや量を絶妙に調節したつもりでも効き目が強い場合には、その患者様がボトックスに対して効きやすい体質であることが考えられますし、もし弱い場合にはその逆となります。経過観察で効き具合を調べておくことで次の施術の時により最適な強さ、効果を狙うことができます。
経過観察は必ずしも2〜4週間後でなくても大丈夫で、仮に1ヶ月半、2ヶ月後だとしてもその時のボトックスの効き具合を見ておくことが大事です。ただ、4〜5ヶ月経ってしまうとさすがにボトックスの効果が弱まってきて、次のボトックス注射のタイミングと重なってしまうので、できれば2〜4週間後あたりが良いです。
他にもここでは書き切れないくらい細かくこだわるポイントがあり、ボトックスひとつとっても奥が深い施術だなと常に感じています。ただそのかいあってか、他ではいつも違和感でるけど新井先生の施術はなりたい顔ドンピシャ、以前に変な顔になったから絶対やらないと決めていたけどこれならむしろやりたい、と患者様から言っていただけることがあり、大変嬉しく思います。
中には、ボトックス注射の神、ボトックス調節の神を仰っていただける方もみえます。そう言っていただける気持ちは大変嬉しいのですが、さすがに神ではなく、先ほど書いたようなこだわり、書き切れないこだわりをただひたすら守って施術しているだけで、そこには裏技も魔法もありません。細かい努力の積み重ねです。
ヒアルロン酸、ボトックス含めて最大限に褒めていただくことがありますが、私自身は神ではなくただの人(当たり前ですが)、できることをコツコツと丁寧に集めて、油断することなく慢心することもなく愚直に大事なことを守って繰り返すだけです。それでも思い通りにいかないこともやはりありますが、クオリティを最大限に高めることは全てやっていきたいと思っています。例えば予約を詰め込んで時間に押されて慌てて施術しないようにする、などなど。
実際に診察で来られた時に見てみるとわかると思います。新井先生は神や魔法使いではなく、ただのたれ目院長のドクターであり(笑)、良いと言われること、良いとわかっていることを守ってひたすら丁寧にコツコツと施術しているだけなんだな、と。
そして人ですから、どんなにこだわって丁寧に施術をしても思い通りにいかないことはあります。その時にヒアルロン酸注入、ボトックス注射は後から修正が可能です。この点だけは注入治療が他の治療に対して絶対的に優れている点かなと思います。
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