先日、カウンセリングセミナーがラベールにて開催されました。
カウンセリングは注入治療の3本柱、カウンセリング、アセスメント、テクニックの1つであり、すごく重要です。
しかしこの重要さに気づいている人は多くはないと思います。
◾️カウンセリングとは何か?
美容クリニックでカウンセリングと聞くと、何をイメージしますか?
受けたい治療についての説明を聞き、カウンセラーの方に見積もりを出してもらう、そんなイメージではないでしょうか?(何人かに聞いてみたら見事にみんな同じ答えでしたので、このイメージの方は少なくないんじゃないかなと思っています。)
caunselを検索すると助言する、勧める、アドバイスをする、といった意味が出てきます。
本来はこういう意味なのに、アドバイスが全然ないじゃないか。
美容クリニックのカウンセリングは、患者さんとの会話や情報などから、患者さんの本当の悩みに気づき、それに対しての解決策の選択ができるように手助けをすることではないか。
具体的な例で考えてみると、、、、
「法令線にヒアルロン酸を入れたい」と来られた患者さんがいるとします。
そんな患者さんにもまず2パターンいると思います。
1つは「法令線」さえ薄くなればall okの方。
もう1つは「最近老けて見える」「疲れている顔に見える」などの悩みがあり、自分の中で「法令線のせいだ」と考え、治療に来られた方。
まずこの2パターンのどちらかを見抜かなければいけません。
見抜くのは簡単ではありません。
「法令線さえなんとかして貰えばいいです!!」という患者さんの中には、
「あれもこれも悩みをいうと、色々治療を勧められて、高いお金を払わされる」と警戒してそう言っている患者さんもいるかもしれません。
「法令線さえなんとかすれば自分の理想の顔になれる」と思い込んでる患者さんかもしれません。
結論を言えば、「法令線」だけ薄くすればall okな人ってほとんどいないんです。
なのに、「法令線にヒアルロン酸を入れたいです」と来られた患者さんにいきなりヒアルロン酸治療のリスクについて話し、「はい、はい、1本いくらね」と言ったカウンセリングはイマイチなんじゃないかと私は思います。
◾️では、どのようなカウンセリングがいいと思っているのか
まずは、患者さんの事前情報が大事です。
どのような経緯で当院にくることになったか。美容クリニックが初めてなのか、色んなクリニックでカウンセリングを受けて回っているのか、どこかのクリニックで嫌な目にあって藁にも掴む気持ちできたのか、など。
どんな治療を受けたことがあるのか。オペもしているのか、オペは避けているのかなど。
カウンセリングをしに部屋に入る前からカウンセリングは始まっています。
部屋に入ってからももちろん大事です。
最初は緊張したり、警戒したりして本音がなかなか言えない方もいます。
その本音を聞くためにも時間をかけて話をして、信頼関係を少しずつ築く必要があります。
5分や10分では難しいと思います。
最初はほとんど話さなかった患者さんが口を開き出した時はやった!!!という気持ちで傾聴します。
患者さんの本当の悩みを引き出すのがいいカウンセリングの一歩だと思います。
◾️何を話しているのか
色んなお話をしています。
老化するとどうなるのか、今必要な治療は何か。(もちろん私がしないオペなどが必要と判断した場合はオペが必要ときちんとお話しします)
なぜここを治療すればいいか、治療していくとどうなるのか。
痛みはどうか、どれくらい楽しめるのか、など患者さんが疑問に思うことも説明します。言葉だけでは伝わりにくいなと思うことは具体的に写真を見せたり、イラストを見せたりしながらと工夫して。
また、こんな話もします。
一部だけ治療すると、どの様な結果になってしまうのか。
先ほどの「法令線」を例に出すと、「法令線」だけを治療した場合、その他の部分との差ができて違和感に感じる場合があるよ、顔全体バランスよく治療することが大事ですよと。
顔全体バランスよく治療するのは大事なのはわかるけど、予算もあるんだけど、、、、
◾️予算について
「予算10万ですか、ではヒアルロン酸1本でやりましょう」
とは最初からはなりません。
院長がよく使う例えを借りて説明すると、、、、
病気の患者さんに「お金がないですか。そうですか。じゃあ、薬は1日分にしましょうか」
とはならないですよね?(国民皆保険の日本での話です)
病気の原因を検査し、今の状態、病気の治療の選択肢を話し、その上で必要な治療をしますよね?
自由診療でも同じです。もちろん予算があるのは分かります。
しかし、医者として、
「今のお顔の状況はこうです、全てを治療するとこうなります。」などとできる治療全てを一旦説明する必要があると思っています。
その上で予算や希望を考え、どの治療をするか決めることが大事かなと。
全部やる必要があるわけではありません。病気ではないですし、人によって満足する程度が違いますから。
しかし、ヒアルロン酸1本で10歳若返ると期待している人に何も説明せずに1本やっても満足しません。
なのでそこはきちんと事前に説明しておく必要があります。
◾️まとめると、、、、
美容クリニックのカウンセリングは、患者さんとの会話や情報などから、患者さんの本当の悩みに気づき、それに対しての解決策の選択ができるように手助けをすることではないかと私は思っています。
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