Dullnessくすみ・つや

ツヤ

くすみ、つやの定義

肌の「くすみ」や「つや」は、はっきりとした定義があるわけではありません。肌の色合いが暗く感じる時にくすみがある、またはつやがないといった表現をします。くすみの原因には血行不良や糖化物質による黄色化など色々なものがありますが、クリニックに来られる方はシミや肝斑が目立っていたり、肌のざらつきのために皮膚の色が暗くみえる状態を悩みとしています。

部位別のくすみの原因

疾患がでる場所イラスト

・頬

頬は一番乾燥が強く、シミができやすい場所です。乾燥するといわゆるちりめんジワができてきて肌の滑らかさが失われます。そこに肝斑が加わるとより一層肌の色合いが悪く見えてしまいます。

・アゴ、口周囲

ニキビや炎症により肌のざらつき、炎症性色素沈着の発生しやすい部位です。肌のざらつきはピーリングを丁寧に重ねることで滑らかになり、ニキビの発生も抑えます。炎症性色素沈着はビタミンC、トラネキサム酸といった美白成分を使用することで改善されますが、何もケアをしないと色素が完全に沈着してしまう恐れがあります。

・額

体質によって額は皮脂の分泌が多くて炎症の起こりやすい部位です。また、オイリー肌であっても意外と乾燥する部分でもあり、角質が分厚くなることで暗い色合いとなり、細かいシワも形成されます。

クリニックで治療可能なくすみの症状

・シミ

レーザー治療

シミが多いと肌全体の色合いが悪く見えます。濃いシミはレーザー治療により短期間で除去することが可能です。

・肝斑

治療

女性特有の広範囲のシミである肝斑は、薬の治療が大原則です。薄い状態であれば半年、濃い状態でも1年ほどの治療で改善してきます。レーザーで唯一効果があるレーザートーニングは、薬の治療と組み合わせることでより早く肝斑を除去することができます。

・肌のざらつき、ちりめんジワ

ピーリング

皮膚のターンオーバーを促進させ、分厚くなった角質層を元に戻すと同時に肌本来の保湿力を回復させるためにはピーリングが基本の治療です。それに加えてエレクトロ導入でビタミン、栄養素を肌へ浸透させることで保湿力をさらに高めます。

女性のメイク

メイクは肌に少なからず負担をかけるものですが、正しく行えば負担を最小限にすることや、逆に肌に良い保湿層を作ることができます。

メイク

・ファンデーション

ファンデーションは化粧の土台作りとなるため重要ですが、肌に近い層のため肌への負担を考慮する必要があります。BBクリームのリキッドタイプは手軽ですがオイル分が多く含まれるため、肌への負担が大きくなります。また、日焼け止め成分を含有するタイプは、紫外線吸収剤の入っていないノンケミカルを選んでください。
パウダーファンデーションは乾燥するからと嫌う方がいます。たしかに塗った直後は肌の水分を吸うため乾燥するように感じますが、自分の皮脂と混ざり合って肌に保湿層を作り、乾燥を防ぎます。オイル分が少ないため肌への負担が少なく、パウダーを上手に使うことで化粧しながら肌のケアが可能です。その際、厚塗りはせずに少量ずつ使用し、1日の途中で塗り直すようにするとよいです。リキッドやクリームの全てが悪いわけではありませんが、肌の状態や負担を考えながら使い分けてあげると肌への負担を減らすことができます。

・コンシーラー

コンシーラーは最も油分が強いため、必要最低限の使用にしましょう。シミを隠すためにコンシーラーばかりに頼っていると、皮膚の乾燥、刺激によりシミを濃くしてしまい、それを隠すためにより多用するという悪循環に陥ってしまいます。

・日焼け止め

紫外線反射材と吸収剤の2タイプありますが、吸収する薬剤は肌への負担が大きくなります。必ずノンケミカルの日焼け止めを選び、強さは紫外線量に応じて使い分けましょう。SPFは50までありますが、常に50の強力なものでは肌への負担が大きいです。あまり外出しない時や日中に屋内にいる時はSPF25を使用するようにしてください。逆に紫外線が強い時は屋内にいても反射光があるため、軽く日焼け止めを塗っておくなど気を使ってあげましょう。ウォータープルーフの日焼け止めは汗で落ちにくくて便利なように見えますが、肌の乾燥が進むため、必要な時のみの使用に止めてください。最近では保湿力を持ちながらしっかりと紫外線をカットできる日焼け止めも出てきています。

・クレンジング

クレンジング剤にはオイルが含まれており、オイルが多いほど化粧を落とす効果が高いですが、その分肌への攻撃性も強まります。シートタイプのクレンジングは最も油分が多いため、旅行やイベント時など限られた時のみ使用し、普段は肌への負担を考えてクリームタイプかミルクタイプを使用しましょう。手で直接肌を擦らないように優しくクレンジングを行い、多少メイクの落ちが悪くてもしつこく擦ったりはせずにあまり気にしないようにしましょう。

日々のお手入れ方法

睡眠

まずはしっかりとした睡眠と栄養摂取で皮膚の血行をよくすることが大切です。適度なフェイスマッサージも有効ですが、強いマッサージは逆に肌を痛めてしまうこともあります。洗顔は自分の肌質に合わせた回数、方法で行い、一日の汚れはしっかりと落として清潔に保ちましょう。
紫外線対策は重要です。日焼け止めはいつも強力なもの、ウォータープルーフのタイプを使用してしまうと肌への負担が大きくなりますので、肌への負担を考えて適度な強さを使い分けましょう。化粧も同様に肌への負担を考えて使用しましょう。
皮膚の角質層が厚くならないように、肌への刺激は極力減らして保湿を心がけてください。

男性の肌

男性の肌も基本的なケアは女性と同じく、十分な保湿と紫外線対策が重要です。ただ、女性と違って化粧の負担はありませんが紫外線対策を行わないことが多く、脂性肌である割に洗顔を正しく行わない傾向があるため、男性の肌に適したケアが必要となってきます。

・洗顔

男性洗顔

一般的に男性の肌は女性よりも皮脂の分泌が多く、皮膚の汚れをしっかり落とす必要があります。一日の終わりにはしっかりと洗顔し、皮脂が多い人は朝も洗顔するとよいです。その際に大事なのは洗顔料をしっかりと泡立てて、その泡でマッサージするように洗うこと。決して手でゴシゴシと擦ってはいけません。特に男性は髭剃りで皮膚に負担がかかりますので、優しく丁寧に洗いましょう。

・保湿

男性ホームケア

最近では男性であっても化粧水、保湿クリームを使用する人が増えてきました。何もしないよりはどんなものでも使用する方がよいですが、一歩踏み込んでしっかりと有効成分を含んだより高機能な保湿剤を選択するとよいでしょう。女性用の保湿剤でもよいですが、男性はあまりべたついたりテカったりするのは嫌う傾向があるため、ややさっぱりとしたタイプを使用すると不快感がなくケアできます。

・紫外線対策

男性紫外線

保湿はしていても紫外線対策を毎日ちゃんとしてるという男性は少ないです。紫外線による影響はシミやイボ、ホクロを作るだけでなく、シワを深くしてたるみは強くなり、皮膚が乾燥して分厚くなってきます。男性のシミ、イボは治療が単純で治りやすいですが、やはり最初から紫外線対策をして肌の老化を進ませないことが重要です。また、日焼け止めは肌に負担がかかり乾燥させるため、常に強力な日焼け止めを使うのではなく紫外線量に応じて使い分け、できれば保湿機能のある日焼け止めを使うと乾燥も防ぐことができます。