顔の老化は「骨の縮み」が原因?ヒアルロン酸注入の仕組みと安全性へのこだわり

顔の老化は「骨の縮み」が原因?ヒアルロン酸注入の仕組みと安全性へのこだわり

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このブログはインスタライブの要約記事です。

 

こんにちは。ラベールミラクリニック院長の新井です。 今回は、先日行ったインスタライブの内容をテキストでお届けします。

テーマは、「ヒアルロン酸注入治療で何ができるのか」という根本的なメカニズムのおさらいと、皆様からいただいた様々なご質問への回答です。

 

【今回の記事で伝えていること】 

本記事では、顔の老化の根本的な原因である「骨格の萎縮」と、それを補って若々しい輪郭を取り戻す「ヒアルロン酸注入治療の仕組み」について詳しく解説しています。また、美容医療における安全性に対する私の考え方や、皆様から寄せられた個別のお悩みに対する回答をまとめています。

 

【記事のまとめ】

  • 顔の老化の真実: 皮膚のたるみだけでなく、土台となる「頭蓋骨の縮み」が大きな原因である。
  • ヒアルロン酸の役割: 減少した骨の代わりとして硬めのヒアルロン酸を注入し、若々しい骨格を再構築する。
  • 安全性の追求: ボルボのシートベルトのように、安全な技術や理論を業界全体で共有し、広めていくことが重要。
  • 顔全体のバランス: 部分的な治療だけでなく、額やこめかみを含めた顔全体の複合的なアプローチが自然なリフトアップに繋がる。

 

なぜ顔は老けて見えるのか?原因は「骨格の縮み」

ヒアルロン酸注入治療で何をしているのか、何ができるのかをご説明するためには、まず「人間の顔が年齢と共にどう変化していくのか」をお話ししなければなりません。

多くの方がご存知かもしれませんが、人間の顔は加齢とともに骨格そのものがどんどん痩せていきます。 年齢とともに顔がたるんで緩んで下がり、面長になって顔が大きくなったように見えるため、意外に思われるかもしれません。

 

しかし、皮膚の下にある頭蓋骨は、実はびっくりするぐらい縮んでいくのです。

頭蓋骨が縮むなら、顔も一緒に小さくなるのでは?と思われるかもしれません。 もし皮膚がゴム風船のようにピタッと骨に張り付いていれば小顔になるかもしれませんが、残念ながら皮膚はそのままくっついていかず、余ってずるっと落ちてしまいます。

 

その結果、顔は面長になり、フェイスラインが崩れて大きく見えてしまうのです。 中の頭蓋骨が縮むということは、目の周りの穴(眼窩)や鼻の穴は、逆に拡大していくことになります。

 

若々しさを取り戻すヒアルロン酸注入のメカニズム

本当の意味で若返るためには、たるんだ皮膚を引っ張り上げることも大事ですが、それだけでは不十分です。 中にある頭蓋骨を、若い頃の形に戻す必要があります

しかし、放っておいても骨が勝手に増えたり、大きくなったりすることはありません。 そこでどうするかというと、骨の代わりとなるものを打って、見かけ上、頭蓋骨を若い頃の形に戻してあげるのです。

これをヒアルロン酸で行うのが、現代の注入治療の仕組みです。

例えば、頬骨(きょうこつ)と呼ばれる骨は年齢とともにどんどん痩せていきます。 そこで、注射で骨の上にコツンと当てて、そこにヒアルロン酸を打ち込み、形を作ります。

当院で主に使用しているのは、弾力性が高く硬いゼリー状のヒアルロン酸です。 完全な骨の代わりにはなりませんが、骨が痩せた分を補う弾力で形を作り出し、若い頃の骨格に戻すことで、皮膚も若い頃の元の位置に戻ろうとするのです。

 

顔の組織加齢による変化ヒアルロン酸治療の役割
頭蓋骨(骨格)萎縮し、小さくなる(目の穴などは広がる)痩せた骨の代わりに注入し、土台を再構築する
皮下脂肪ボリュームが減少し、しぼむ失われた厚みを補い、ふっくらとした形を復元する
皮膚コラーゲンが減り、余って下垂する土台が整うことで、元の位置に引き上げられる

 

安全な治療を広めたい〜ボルボのシートベルトに学ぶ〜

このヒアルロン酸注入のテクニックが日本に広まり始めてから、およそ10年が経ちます。 だいぶ一般的な治療になってきましたが、個人的にはまだまだ正しい知識や安全な技術の広がりが十分ではないと感じており、セミナーなどを開催して技術をシェアしています。

「なぜ自分の技術をわざわざ教えるの?」と聞かれることもあります。 医師という職業には、違う病院にいても「同じ資格を持ち、患者様のために仕事をしている」という仲間意識があり、技術や情報をシェアし合う学問としての文化が根底にあります。

しかし、一番の理由は「安全な治療を広めたい」という思いです。

ヒアルロン酸注入は、従来の打ち方をそのまま安易に行うと、血管塞栓や形の崩れなど、危険を伴うことがあります。 こうしたリスクを避け、安全な治療を広めたいのです。

昔、車のボルボ社が「3点式シートベルト」を開発した際の話をご存知でしょうか。 当時主流だった2点式(お腹に巻くタイプ)は、事故の際にお腹が圧迫されて内臓破裂などのリスクがありました。

そこでボルボ社は安全な3点式を開発して特許を取りましたが、自社の利益のためだけに独占せず、「みんな使っていいよ」と無償で特許を公開したのです。 その結果、世界中に3点式シートベルトが広まり、何万人もの命が救われました。

私もボルボのような大それたことはできませんが、少しでも安全な考え方や技術が広まり、皆様が安心して治療を受けられる環境になれば良いなと考えています。

それでは、皆様からいただいたご質問にお答えしていきます。

 

インスタライブでお答えしたご質問

Q.顔に傷があり、少し窪んでいます。他のクリニックでヒアルロン酸を入れたら目立たなくなると言われました。この様な対応もしていただけますか?

A.はい、対応可能です。ただし、対応できるものとできないものがあります。皮膚の状態は正常で、その下にある脂肪などの組織が減って単純に窪んでいるだけであれば、ヒアルロン酸で持ち上げて形を整えることはある程度可能です。しかし、皮膚自体が引きつれていたり、強くヨレているような状態であれば、ヒアルロン酸だけで改善するのは難しい場合があります。傷の形やヨレ方によって異なりますので、実際に診察してみないと正確なことはお伝えできませんが、治療の過程で目立たなくできるケースも多くあります。

 

Q.鼻翼基部(小鼻の付け根)のヒアルロン酸は移動しやすいと聞きましたが、どこにあるのが正しいのでしょうか?

A.鼻翼基部のヒアルロン酸が入っていて良い正しい場所は、小鼻が皮膚から立ち上がる「根元」の奥深くです。具体的には、ほうれい線の始まりにある三角形状のスペース(骨膜上)にヒアルロン酸を置き、深いところからぐっと持ち上げることでほうれい線の根元を薄くします。多少位置がずれていても、ほうれい線が薄くなっていれば問題ありません。しかし、鼻から離れすぎてしまったり、すぐ上にある脂肪の膨らみの下に入ってしまうと、逆にほうれい線を深く見せてしまいます。また、その付近は血管や神経が通っている危険な場所でもあるため、技術的にも絶対に入れてはいけないエリアが存在します。ご不安であれば、施術された医師に正しい位置に入っているか診てもらうことをお勧めします。

 

Q.低用量アスピリン(81mg)を飲んでいますが、注入治療に影響はありますか?

A.低用量アスピリンは血液をサラサラにする作用があるため、注入治療時の針を刺す際に、青アザのような内出血が出やすくなるリスクは多少あります。しかし、脳出血などが起きるほどの強い作用ではなく、美容医療の注入治療程度の処置であれば、そのリスクが許容できるなら必ずしも薬をやめる必要はないと考えています。施術時は通常よりもしっかりと時間をかけて圧迫止血を行います。もし内出血を極力避けたい場合で、病気の治療ではなく予防目的で飲まれているのであれば、施術の前後48時間(2日程度)だけ休薬するという選択肢もあります。大きなお手術の場合は休薬期間の基準がありますが、ヒアルロン酸注入程度の施術規模であれば、そこまで神経質にならなくても大丈夫なケースが多いです。

 

Q.47歳です。唇回りのシワが気になります。どうしたらいいでしょうか?

A.口周りのシワやもたつきは、まさに先ほどご説明した「骨格的な痩せ」とその次の段階である「脂肪の減少」が大きな原因です。骨格が痩せると、余った皮膚が下に落ちて口元に寄ってきます。さらに、若い頃のふっくらとした輪郭を作っていた皮下脂肪が失われると、支えを失った皮膚がシワシワと縮緬(ちりめん)状に寄ってしまうのです。改善策としては、ヒアルロン酸を用いて骨格的な土台を戻し、同時に皮下脂肪の厚みも補って皮膚にハリを出すアプローチが現在はスタンダードになっています。フェイスリフトのように皮膚を切除して引き上げる方法もありますが、骨格の若返りはできません。逆に、ヒアルロン酸と糸や手術などを複合的に組み合わせることで、より理想的な状態に近づけることができます。

 

Q.リフトアップのために耳から下顎までヒアルロン酸を入れてもらいました。やはり額やこめかみまで入れないと綺麗にならないでしょうか?全体のリフトアップに繋がりますか?

A.おっしゃる通り、全体のリフトアップに繋がります。耳からフェイスラインにかけての下顔面のボリュームロスを補い、引き上げるのは治療の基本です。しかし、顔の輪郭はこめかみやおでこにも繋がっています。こめかみやおでこが痩せていると、目元のたるみや顔全体のたるみを生み出します。そのため、こめかみや額の形を整え、目の上をリフトアップすることは、顔全体の若返りやバランスにおいて非常に重要です。必ずやらなければならないわけではありませんが、下顔面だけを綺麗に滑らかにすると、逆に上顔面の痩せやくぼみが悪目立ちしてしまうことがあります。上下のバランスを揃えることで、より自然で違和感のない美しさに仕上がります。

 

Q.同じ条件で撮影しても、ヒアルロン酸注入後にスッキリ見える人と、逆にたるんで見える人の違いは何ですか?

A.正しい位置にヒアルロン酸が注入されていれば、理論上は注入前より老けて見えたりたるんで見えたりすることはありません。もしそう見えるのであれば、いくつかの原因が考えられます。一つは、ヒアルロン酸が入っている「場所」や「層」が間違っており、それがたるみを助長してしまっているケースです。もう一つは、撮影時の条件の誤差です。例えば、撮影の間に体重が増減した、寝不足で顔がむくんでいるなど、ご本人のコンディションの違いが影響することがあります。当院でも学会用の写真を撮る際はプロのカメラマンに依頼しますが、光の当たり方や角度、そして「口角を少し下げる」といったわずかな表情の差まで完璧に同じ条件で撮影するのは、実は非常に難しいことなのです。

 

Q.目の下のクマ取り治療(脱脂)をした後、片方の目の下が凹みました。ヒアルロン酸を入れましたが治りません。

A.単純に骨格的・組織的に痩せている(凹んでいる)だけであれば、ある程度はヒアルロン酸で形を戻すことができます。しかし、ヒアルロン酸を入れても全く改善しない場合、問題は「打ち方」や「打つ場所」にある可能性が高いです。一口に「ヒアルロン酸を入れた」と言っても、どんな製剤を、どの層に、どのようなテクニックで注入したかによって結果は全く異なります。例えるなら、「同じiPhoneを買ったのに、あの人と同じ操作ができない」というのと同じで、スマートフォン自体は同じでも使い方を知らなければ機能を引き出せないのと同じ理屈です。改善するような正しいアプローチでヒアルロン酸を打てば良くなるはずですが、改善しない打ち方をしてしまっている可能性があります。

 

Q.20歳の息子ですが、眉上の盛り上がりが強く、おでことの段差が気になります。なだらかにする方法はありますか?

A.男性の場合、大人の骨格へと成長する過程(二次性徴)で眉の骨が張り出し、おでこが平らになってゴツゴツとした男性的な顔つきになるのは、遺伝的・骨格的に自然な変化です。ただ、その段差があまりにも強く、ご本人が気にされているのであれば、ヒアルロン酸でおでこに厚みを出し、段差を埋めてフラットでつるっとした印象にすることは可能です。また、眉をぐっと上げる表情の癖が強く、筋肉の動きによって盛り上がりが強調されているケースもあります。その場合はボトックス注射で筋肉の動きを抑えたり、ヒアルロン酸と組み合わせたりすることで滑らかにすることができます。まずはどのような治療が適しているか、ぜひ一度ご相談にお越しください。

 

本日はヒアルロン酸注入の基本的なメカニズムと、皆様からのご質問にお答えしました。 まだまだ語り尽くせないことも多いので、また折を見て基礎からじっくりお話しする機会を作りたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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