たれ目院長ブログ 〜治療器は扱い方で結果に差が出ます。ダブロ(HIFU)の効果的な照射テクニックとは。〜

ハイフ(HIFU)、上手に照射するとそれまでの治療器では得られなかった高い効果を発揮します。しかもほぼダウンタイムなしに。(たまに火傷や色素沈着等の合併症がありますが、普通はダウンタイムなく治療が可能)

ダブロ

 

初めてHIFU治療器の仕組みを知った時には疑いながらもちょっと驚きました。新しい治療や機械は最初は良いことばかり言うので、私は飛びつくのではなく疑いの目を持って観察します。ただ、時々はその治療の仕組み、作用を聞くだけでグッと期待できるようなものもあり、その一つはHIFU治療器でした。

ダブロ説明

 

HIFUとはHigh Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)の略称であり、超音波を焦点に集めて高密度のエネルギースポットを作り出し、その熱によって作用を起こす機械です。超音波は波動であり、太陽光をレンズで集めて紙を燃やせるのと同じように超音波も焦点に重ねるように集めることができます。

まず超音波を使っていることに驚きと同時になるほど、と。超音波は保険診療で良く使われます。腹部のエコー、心エコー、婦人科のエコー、乳腺、麻酔科、救急、その他諸々と、様々な場で活躍しますので、超音波の機械にはドクターは馴染みがあります。さらに検査機だけでなく治療にも使われます。その代表的なものとしてはESWLという腎結石を破砕する超音波治療器。これは超音波を一点に集めてその衝撃波で石を壊すのです。

HIFUはまさにその技術の応用で、元々は癌治療の研究技術から開発されたものだとか。癌の治療の一つに温熱療法というものがあります。がん細胞は熱に弱いため、42度以上の熱に晒すとがん細胞は死に、正常な細胞はなんとか耐えられる、という仕組みで、超音波を使うことにより体外から皮膚を傷つけることなく体の奥にある癌細胞に対して高熱を加えることができるというもの。

美容医療機も熱エネルギーをどう扱うか、目的の深さや部位にどう届けるかがポイントになるのですが、レーザーや高周波と違って超音波の場合は皮膚表面は低温なのに奥に高い熱を発生させることができます。この逆転現象を起こせるのが超音波のメリットであり、高温のスポット以外は細胞にダメージを与えにくいというのも他にはないメリット。低密度の超音波は体に対して無害であることは数ある検査機で証明されています。

いつもいつも前置きが長くてスミマセン(笑)

そんなHIFU、ただ当てるのではその高い効果をうまく引き出せません。HIFUの仕組みと超音波の特徴を考えると骨に反射するのを避けることや筋層内に深々と入らないようにするなどちょっと注意が必要です。さらに脂肪層に熱を加えることで部分痩せになる効果、これ意外と強い作用がありますので、上手に照射しないと顔の痩け、痩せがひどくなることもあります。

そうすると、HIFUを照射するには機械の仕組みや特徴だけでなく、顔の中の構造、解剖も知っておかなくてはならないこともわかります。ヒアルロン酸注入をするほどではありませんが、どこに骨、筋肉、脂肪があって、どの筋肉には当てちゃダメか、どの脂肪に当てると痩せが強くなるか、逆にしっかりと照射すべき脂肪体はどの部分か、それらくらいは最低限知っておかなくてはHIFUを扱う資格はないと個人的に思います。

ダブロカートリッジ

HIFUは超音波の集まるスポットの深さをカートリッジによって使い分けることができます。これもその意味をちゃんと考える必要があります。深い部分に照射する意味、浅い層に照射する目的、でも人によって皮膚や皮下脂肪の厚みが違うため、その違いを意識して照射します。

超音波とHIFUの仕組みを正しく理解し、メーカーごとの機械の特徴を知り、顔の解剖をしっかりと勉強し、患者様の解剖を見極め、老化による骨、筋肉、脂肪の変化を捉え、必要な部分に必要な出力で必要なショット数を最適なカートリッジを選び合併症が出ないように丁寧に照射すると、HIFUはけっこう驚くくらいの効果を直後から感じることができます。

…ということは、ちゃんと勉強していないとHIFUは正しく扱えないことがわかります。

ドクターも看護師も、ちゃんと勉強して丁寧に照射しないと効果が出ないだけでなくリスクもあるのがHIFUです。逆にちゃんと勉強して丁寧に照射できるのであればドクターでも看護師でもどちらが施術しても良いと私は考えます。もちろん医療者以外が照射するのは論外ですよ。テクニックではなく法律の問題です。

ちなみに、老け顔を作るいらない脂肪の代表的なものは法令線の上、マリオネットラインの横、そして顎下の首です。上の青い射線のエリアです。ここに対して脂肪層を狙ったカートリッジでしっかりと照射すると小顔にしながら法令線、マリオネットラインを薄くし、フェイスラインをすっきりとさせることができます。

逆に赤い部分はあまり密に照射してはいけません。痩けがひどくなりそれによるたるみが出て老け感が増すリスクがあります。

HIFUは受けたことあるけどあんまり効果なかった、という方がラベールでダブロを受け、え!こんなに引き締まるんだ!、と驚かれることけっこうあります。ダブロはHIFUの中では精度が高くて効果が安定した機械らしく、機械の差もあると思いますが、照射する技術の差が大きいのではないかと思います。

ダブロ、上手に照射するとけっこう良いですよ!

ただし痩せやたるみが強い方は先にある程度ヒアルロン酸注入をしてからの方が必要のない脂肪も見えてくるし効果もわかりやすいです。

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