顔を綺麗にすると言っても、何を持って綺麗とするか、どういう形が綺麗なのか、これについて考えなくてはいけません。
綺麗な顔は人種、地域、時代によって様々であり、決まった形はありません。じゃどうすれば綺麗な顔に近づけられるのか。
個人的な好みを治療に取り入れてはいけません。そんな自己満足的な治療は治療と呼べるものではないでしょう。やったドクター本人は満足していても受けた患者様は疑問だらけ。本当に受けて良かったのかしらと悩み続けることも。
100人には100通りの綺麗があります。
綺麗な顔というのはモデルやタレントさんの顔にすることではありません。世界的に美の基準というものが定まってきており、そういった研究から得られたデータをもとに治療していきます。
美の基準とは、綺麗と感じる顔の中に現れるカーブや直線などのラインであったり、または面の連続性、各パーツの配置や大きさの比率、高い部分と低い部分とのコントラストなどなど。
顔の構造物である皮膚、筋肉、靭帯、脂肪、頭蓋骨は全て連動しており、一つ治療するとその影響は連動する他の構造体へ及びます。それを熟知しなければなりません。
美の基準に合わせていくと、不思議なくらい綺麗でまとまった顔に見えてきます。その綺麗さは決まった形ではなく、あくまで本人の特徴を活かしたまま、その人が持つオリジナルの綺麗さを引き出していきます。
一つ例を出すと、鼻先と顎先を結んだEラインと呼ばれるライン。エステティックラインとも呼ばれるこのラインと唇の先端が同じか、唇が少し奥まっているくらいが理想とされます。これは本当によくできていて、顎先を前に出してEラインをそろえていくとびっくりするほど顔が整って見えてきます。
このような美の基準は特定の人によって提唱されたものではなく、綺麗、美しいとされる人の顔を集めて共通項を調べていった結果導き出されたものであり、好みが反映されたものでもなければ偏りもありません。
美の基準に理屈はありません。人間の持つ感性です。感覚的なものであり、そこには理由はありません。美の基準に沿った構造を見ると人は無意識のうちにそれを美しいと感じるのです。
私の個人的な考えで言うと、美の基準とは綺麗な直線や曲線であり、構成する面の連続性であり、パーツの比率や角度が究極にバランスを保った状態です。その究極なバランスこそがナチュラルで美しい顔を形作ると考えています。
そう、新井式ヒアルロン酸注入法とは言い換えれば、顔を「超バランスの美の方程式」に当てはめていき、個人の持つオリジナルな美しさを前面に引き出すこと。治療の初期段階ではまだ大きな変化が見えなくても、治療が進むにつれてまるで難しい方程式が一つの解にまとまるように顔が整ってきます。輪郭のラインが繋がり出し、面と面は連続して一つの大きな面となり、起伏は正しい位置に戻り、顔の凹凸はバランス良い立体感を生み出します。
こうなると治療しているドクターも楽しくなってきて、もっと美しいラインを引き出してあげたくなります。ただし、注入治療にはゴールがあります。究極にバランスを保った状態がヒアルロン酸注入治療の上限であり、その限界に気付かずに注入し続けるとかえってバランスを崩してしまい、それまでの美しさが一気に失われてしまいます。
私が良く言うヒアルロン酸注入治療の完成度は、究極にバランスを保ったその治療限界を100%と表現しています。そして、その100%も人によって異なります。顔を丸顔にしたい人と面長にしたい人では自ずと目指す方向性も治療度合いも変わってきます。どの方向性をどの程度治療した状態を100%とするか、これは患者様としっかりと話し合ってこそ見えてきます。だから新井式ヒアルロン酸注入法のカウンセリングは30分以上、時には1時間以上かかることもあります。5分の診察では正しいゴール設定はできません。
(新井式ヒアルロン酸注入法はアラガンジャパン社やMDコードとは関係ありませんのでアラガンジャパン社への問い合わせはご遠慮ください。色々と誤解があるようですが、アラガンジャパン社のファカルティー、インストラクターとして発言する時は公式に依頼された場のみです。新井式ヒアルロン酸注入法に関するお問い合わせはラベールミラクリニックもしくは私へ遠慮なくご連絡ください。当院はドクターの見学もレクチャー希望もプライベートセミナーも以前から変わらず広く受けています。)
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