最新のヒアルロン酸注入治療は、皮膚表面に近い、浅い層ではなく、筋肉よりも深いところに注入し、骨格から治療していきます。それくらい深い位置に注入すると、筋肉と一緒になって動くこともなく、少量できれいなカーブができるため、違和感の無い治療が可能となります。
従来のヒアルロン酸注入治療は浅い層に注入していました。この方法だとリスクは少ないですがある程度の量が入ると顔が大きくなったように感じる恐れがあり、表情筋よりも浅い層にたくさん注入することにより表情が硬くなったり筋肉と一緒にヒアルロン酸が動いてしまい、いわゆるヒアルロン酸顔となってしまうこともありました。
ただし、新しい治療には新たな合併症、副作用のリスクも発生します。
まず、顔の奥深くに針を刺すということは、奥にある見えない血管や神経を傷つけてしまう可能性があるということ。顔には数えきれないほどの血管や神経があり、それを全て避けることは不可能。そのため、絶対に傷つけてはいけない重要な血管、組織を避けるようにします。そのために必要なのは重要な組織の配置を予め頭に入れておくための勉強と、実際に危険な部位を避けるためのテクニック。
いくら解剖を勉強していても生身の人間では一人として同じ構造の人はいません。針を体に刺し始めた瞬間から自分の感覚だけが頼りになります。この感覚はどれほど勉強しても足りず、経験を積み重ねなければなりません。しかし感覚だけに頼るのもだめで、やはり基本的な配置を理解する作業も疎かにしてはダメで、結局は両方とも必要。
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