先日、美容クリニックのドクターが集まって行うセミナーに参加してきました。セミナーと言っても講義を聞くだけのものもあれば研修できる会もあります。今回は、ヒアルロン酸、ボトックス注入治療を行うドクターが集まり、実際に患者さんに治療しながらディスカッションする勉強会でした。各ドクターのこだわる点や疑問点をお互いに話し合える貴重な場です。ドクターにはそれぞれ独自のテクニックがあり、門外不出とまではいきませんが簡単に人に見せるものでもありません。それを、こういった勉強会では惜しみなく披露し、皆で共有します。暖簾は違えど患者様のため、安全な医療のため、と志高いドクターが集まり、皆で質の高い治療を目指しています。
上の写真はアラガン社のノートパッドの表紙で、ヒアルロン酸注入やボトックス注射を行う場合に気を付けるべき重要な神経、血管、筋肉が描かれています。本当はもっといっぱいあるのですが、顔の治療を行うドクターはこれぐらいのことは頭に入れておかなければなりません。ただし、この解剖図はあくまで一般的な配置であり、人は機械と違って皆が同じ形ではないので、人それぞれ微妙に異なる神経や血管の位置を正確に把握しなければなりません。しかも実際はこんな平面図ではなく立体構造なので、位置だけでなく方向も3Dで考えながら針を刺していきます。治療する時はそれらのことを瞬時に判断しながら行うのですが、しかめっ面で考えながらでは患者さんに不安を与えてしまいます。そのため、もちろん涼しい顔して治療を行うのですが、頭の中はフル回転しています。
薬や医療機器は年々進化していて、どんどん便利で安全なものになっています。そのため、あまり熟知していないドクターが行ってもすぐに問題となるわけではないですが、危険と隣り合わせで行っていることを知っているのとそうでないのでは大きな差があります。上の写真にある解剖図は最低限のものであり、セミナーや学会で勉強して日々新しい情報を取り入れるような姿勢が重要だと思います。しかも美容医療というのはただ治療して終わりというのではなく、患者さんの希望する形へとどれだけ近付けることができるかが重要です。そのためには、今行っている治療にも満足することなく、勉強会などで絶えず技術を磨いていくことが医師の務めですね。
医療機器や薬は進化していて安全と言いましたが、美容医療においては残念ながらまだそうとは言い切れないところがあります。美容医療で使われる機器や薬品は、日本で承認のとれているものは少なく、海外から直接仕入れて使用しているものが多いです。もちろん良い製品もありますが、中には製造や流通管理の不明瞭なもの、薬の安全性そのものが疑われるものもあります。以前に、韓国で入れたヒアルロン酸が変ということで来られた患者さんを診察したところ皮膚のしたで塊のようになってしこりとなっていたことがあります。どこのクリニックでどんなヒアルロン酸を入れたのか、と聞いても本人はわからないといいます。当院で扱っているアラガン社のヒアルロン酸では、生体組織となじみやすいためプラスチックの塊のような「しこり」となることはありません。アラガン社のヒアルロン酸が日本での承認が取れているから安心というだけでなく、薬の性能としても高いためです。大切な顔の治療ですが、治療したクリニックも入れたヒアルロン酸もよくわからないのにしてしまう、このあたりに美容医療の不安要素がまだあります。
私の目標は、すべての人をマイナス15歳です。そのためには何でもいいということはなく、より安全、安心な医療を目指し、自分の顔で効果と安全性を確かめながら新しい治療を取り入れていく方針はこれからも続けていきます。
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ラベールミラクリニック
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