たかがボトックス、されどボトックス 〜簡単そうに見えて色々考えてます〜

「初めてやった美容医療は?」
「ボトックス」って人、かなり多いのではないでしょうか?

(ボトックス®︎はアラガン社のボツリヌス毒素の商品名ですが、わかりやすいので、ボトックスと書かせてください。)

ふと周りの医療関係者ではないお友達に
「ボトックスってなに?」を聞いてみました。

👩「筋肉が緩むから皺伸びる?」
👩「え?凹んでるところに入れて膨らませる?」
との回答。
わからないですよね。
ぶっちゃけ、自分の悩みがどの施術で改善するのかわからないとも言っていました。


👩‍⚕️ボトックスは色々な使い方があります。
美容で多く使われる使い方としては、
筋肉に打つことにより、その筋肉の動きをボトックスの働きにより弱めます。筋肉の動きを弱める(または止める)ことにより、シワができないようにする使い方です。
なので、表情を作る際に動く筋肉によってできるシワに対して注入します。

例えば眉間のシワは、困った顔、しかめ面をした際にできる縦皺です。
皺眉筋が真ん中に向かってよることによってできます。
この筋肉にボトックスを注入して動きを弱めて眉間のシワを作らないようにします。

(※写真は眉間のボトックスの経過です)

ボトックスの施術時間は短く、簡単そうに見えるかもしれませんが、ただただこの辺に打つって感じで、ボトックスを打ってるわけではありません。
人によって筋肉のつき方、大きさが違います。打つ前に筋肉を確認します。
また同じ筋肉でも場所によっては深さが違います。
例えば、皺眉筋は外側に行くにつれて浅いところにあります。
解剖の勉強で基本的な筋肉のつき方を頭に入れつつ、実際に針を刺したときに筋肉に針先が入った感触を確かめながら注入しています。

ボトックスはヒアルロン酸と違い、無かったことにする薬はありません。注入すると3−5か月ほど効果が続きます。なので、狙った筋肉ではないところに打つと3−5ヶ月違う筋肉がブロックされてしまいます。量が多すぎて効きすぎると効果が弱まってくるまで待つしかありません。
なので、簡単な手技に見えるかもしれませんが、心の中では毎回緊張しながら慎重に行なっています。
緊張感が患者さんに伝わると患者さんまで緊張してしまうので、見せないようにしています。

たかがボトックス、されどボトックスです。

ボトックスについて書きながら、私もそろそろボトックスしようかなと思っています笑。。

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