このブログはインスタライブの要約記事です。
今回の記事でお伝えしていること・まとめ
この記事では、私が考える「名医の条件」と、ヒアルロン酸注入治療において本当に求められる技術について詳しく解説しています。
- 名医の3つの条件:確かな技術と知識、常に最新の情報を学び続ける姿勢、そして長期的な経過を見守るアフターケアの徹底です。
- ヒアルロン酸注入における真の技術:ただ正確に針を刺すだけでなく、「どこにどれだけの量を置けばお顔が整うのか」を的確に見極める判断力が重要になります。
- 「神の手」と呼ばれる医師の共通点:手先の早さではなく、解剖学的知識に基づいた迷いのない「判断の早さ」が圧倒的な違いを生み出します。
- ヒアルロン酸の持続性について:「ずれる」「落ちる」といった疑問に対する専門医としての見解をお伝えしています。
美容医療を受ける際のクリニック選びや、医師を見極めるためのヒントとして、ぜひご一読ください。
こんにちは。ヒアルロン酸注入専門で行っております、ラベールミラクリニック院長の新井です。
毎日の診療の中で、多くの方から「有名なドクターや、上手な先生に治療をしてもらいたい」というご希望をお聞きします。 そこで今回は、先日配信したインスタライブの中から、「新井先生の考える『名医の条件』とはどういうものですか?」というご質問にお答えした内容を、詳しくまとめてみたいと思います。
名医の定義は人それぞれで難しいところですが、あくまで私のこれまでの経験と視点から考える条件についてお話ししていきます。
私が考える「名医の3つの条件」
医者全体として考えたとき、一般的な名医のイメージは「知識や技術がある上手なドクター」だと思います。 技術が低いドクターを名医と呼ぶことは、なかなかないですよね。
では、どのような状態が「技術がある」と言えるのでしょうか。 私は、大きく分けて3つの条件があると考えています。
| 条件 | 概要 | 重要なポイント |
| ①確かな技術とイメージ力 | 知識を含めた高い技術力 | 手先の器用さだけでなく、体内の状態を想像しコントロールする力 |
| ②学び続ける姿勢 | 日進月歩の医療情報へのアップデート | 論文や教科書だけでなく、最前線の研究から生きた知識を得て治療に落とし込む |
| ③アフターケアの徹底 | 長期経過を見据えた責任ある対応 | 合併症のリスクを予測・回避し、万が一の際も最後までリカバリーする |
1. 確かな技術とイメージ力を持っていること
1つ目は、単純に技術と知識があることです。
外科の先生であれば、メスを持ち、針を縫うといった細かい手技が正確に行えること。 つまり、適正な動きを精密にできる手先の器用さも含めた技術です。
しかし、医師の技術は手を動かすことだけではありません。 例えば内科の先生は、メスを使って皮膚を切ることはありませんが、お薬を使って患者様の体の中をコントロールします。 患者様の体内で病気がどういう状態になっており、何をすれば良い方向へコントロールできるのかを想像する力が求められます。
それは決して闇雲に考えるのではなく、それまでに培った経験や知識、スキルに基づき、病態をイメージして治療へと繋げていく力です。 そうした深い知識とイメージ力がどれだけあるかということが、名医の第一の条件になります。
2. 最新の情報を学び続ける姿勢があること
2つ目の条件は、医療の進歩に合わせて常にアップデートしていることです。
一定のスキルがあっても、そこで満足してしまっては医師としての成長は止まってしまいます。 医療の世界は日進月歩であり、5年も経てば昔の情報は古くて使い物にならないことがよくあります。
先日、フェイスリフトなどお顔の手術をバリバリこなす形成外科のスペシャリストの先生とお話しする機会がありました。 解剖学についてかなり詳しく研究されている先生ですが、お話ししていると、教科書にはまだ載っていないような新しい情報が次々と出てきます。
最新の論文を読むことはもちろん重要ですが、論文として掲載されるまでにはタイムラグがあります。 最前線で研究しているドクターたちの生の情報は、論文よりもさらに一歩先を進んでいるのです。
そうした最新の解剖学的な構造を知ることで、「ここにヒアルロン酸を打てばよりリフトアップする」「この構造を利用すればもっと効果が出せる」といったように、アプローチがどんどん進化していきます。 本や教科書を読むだけの勉強にとどまらず、最新の技術や情報を常に取り入れようと学び続けているかどうかは、非常に重要なポイントです。
3. アフターケアまで含めて「一連の治療」と捉えていること
3つ目の条件は、治療して終わりではなく、長期的な経過まで責任を持って見られることです。
手術をしたりヒアルロン酸を入れたりして、その場が綺麗になって終わりではありません。 半年後、1年後にどういう状態になるのかを予測し、見守ることが大切です。
どんな手術や処置でも、一定の確率で合併症のリスクは存在します。 技術を磨くことで抑えられるものもあれば、体との相性によるアレルギーなど、どうしても防ぎきれないものもあります。
万が一、合併症やトラブルが起きてしまった時に、それをしっかりとリカバリーし、治るところまでを含めて「1つの治療」であると考えます。 そのためには、合併症が発生する仕組みを熟知し、それを未然に防ぐやり方を追求し、いざという時の処置法も身につけておく必要があります。
経験が豊富であれば、トラブルの予測ができ、合併症が起きにくい針の刺し方、メスの入れ方、角度の微調整などを手術中に積み重ねることができます。 このほんのわずかな違いの積み重ねが、最終的に圧倒的な結果の差を生むのです。
ヒアルロン酸注入における「名医」の条件
では、ここからは少し掘り下げて、ヒアルロン酸注入治療における名医について考えてみましょう。
古い理論からの脱却と新しい理論の習得
現代のヒアルロン酸注入は、昔のように浅いシワの溝を埋めるだけの治療ではありません。 お顔の骨格構造を矯正し、根本から若返らせていくようなアプローチが主流となっており、ベースとなる理論が全く異なります。
どんなに経歴が長く、他の手術が上手な先生であっても、「これまでの感覚」だけで新しいヒアルロン酸治療を行うと、理論が伴っていないためにどこかで上手くいかない部分が出てきます。 ですから、自分のキャリアに驕ることなく、新しい治療理論を素直に学び、使いこなせるかどうかが重要になります。
本当の技術は「見極める力」にある
ヒアルロン酸注入は、注射器(シリンジ)を持ち、針を刺して製剤を流し込むというシンプルな作業です。 もちろん、手がぶれないように正しく持ち、正確に注入するためのトレーニングは必要不可欠ですが、心臓を縫うような超絶的な手技が求められるわけではありません。 ある程度の器用さがあれば、練習次第で安定して打つことはできるようになります。
では、ヒアルロン酸注入における本当の技術とは何でしょうか? それは、「どこに、どれだけの量のヒアルロン酸を置けば、この患者様のお顔が本当に整い、若返るのか」を知っていること、つまり**「見極める力」**です。
いくら針を刺すのが正確でも、入れる場所や量が間違っていれば、お顔のバランスは綺麗に仕上がりません。 理論を深く勉強し、それを目の前の患者様のお顔に置き換えて、最適な注入デザインを瞬時に導き出せること。 これこそが、注入治療における技術の真髄であり、名医の条件だと言えます。
神の手を持つ医師から学んだこと
私が麻酔科医として大きな病院で勤務していた頃、日本中に名を知られる、いわゆる「神の腕を持つ」と称されるような脳外科の先生の手術の麻酔を担当する機会がありました。
通常のスペシャリストの医師が7〜9時間かかるような難しい脳の手術を、その先生はわずか3時間で終わらせてしまうと聞いていました。 最初は「物理的にあり得ない、もしかして雑な手術をしているのでは?」と失礼なことを考えていたのですが、実際に手術を見て驚愕しました。
彼らは、手が早く動いているわけではありません。「判断」が圧倒的に早いのです。
脳の手術では、正常な細胞と癌などの悪い細胞が入り組んでおり、境界線が非常に見分けにくくなっています。 大きく取りすぎれば麻痺などの後遺症が残るため、ギリギリの境目を見極めなければなりません。 また、無数にある細い血管の中で、どれが重要な組織に栄養を送っていて残すべき血管なのか、どれが切っても良い血管なのかを瞬時に判断する必要があります。
その神と呼ばれる先生は、そうした判断に一切の迷いがありませんでした。 「これは残す」「これは切る。一時的にしびれは出るが回復するから大丈夫」と、まるで未来が見えているかのように正確に見極め、目的の場所まで最短距離で進んでいくのです。
他の人には同じようにしか見えない景色の中で、「ここを見て、こう判断する」という圧倒的な見極めの力を持っていること。 これはどんな分野の医療においても共通する、真の技術であり、名医の姿なのだと深く学びました。
長期的な視点とアフターケアの大切さ
ヒアルロン酸注入においても、注入して終わりではありません。 時間が経つにつれて、製剤や注入した場所、条件によってはヒアルロン酸がずれてくるリスクもゼロではありません。
また、ごく稀に遅発性有害事象と呼ばれるアレルギーのように腫れる症状が起きることもあります。 そうしたトラブルが起きにくいように細心の注意を払って注入することはもちろん、万が一発生してしまった時に状態を正確に見極め、しっかりとリカバリーして治すところまで責任を持つことが大切です。
「どこに置けば綺麗になるか」だけでなく、「どこに入れてはいけないか」「どうすれば血管塞栓などの怖い状態を避けられるか」を常に考え、お顔全体の解剖学や他の治療法も含めてトータルで患者様に最適な提案ができること。 そして、安定して落ち着いた状態にとどまるまでを一つの治療として見守れること。 これらが、私が理想とする名医の条件です。
インスタライブでお答えしたご質問
Q. ほうれい線にヒアルロン酸を入れると、落ちてきて顔が四角くなると他の医師が言っていたのですが、本当でしょうか?また、美容クリニックのヒアルロン酸はずれると言われますがいかがでしょうか?
A. 基本的にヒアルロン酸はずれないし、落ちないものです。しかし、全く落ちないのかというとそうではなく、落ちる条件やずれる条件というものは確かに存在します。使用するヒアルロン酸製剤の種類や、お顔のどの層のどの場所に注入するか、そして注入するやり方によっては、ヒアルロン酸がずれてしまうことはあり得ます。ですから答えはとてもシンプルで、ずれないような適したヒアルロン酸製剤を使用し、ずれないような正しい注入方法を行うことが最も重要になります。最近、ヒアルロン酸がずれるという話題がSNS等で注目されているのかもしれませんが、正しい知識と見極める技術をもって治療を行えば、そのようなトラブルは防ぐことができますのでご安心ください。














