このブログはインスタライブの要約記事です。
今回の記事で伝えていることとまとめ
今回の記事では、「手術(オペ)、糸リフト、ヒアルロン酸注入のそれぞれの違いと、どのように治療を選ぶべきか」について詳しくお話ししています。
結論として、それぞれの治療には「その方法でしかできないこと」があり、同時に「他の方法でも似た結果を出せること」があります。 例えば、おでこに丸みを出すならヒアルロン酸が得意ですし、余った皮膚をしっかり引き上げるなら手術が必要です。
ご自身の理想のお顔に近づくためには、どの治療が本当に合っているのか、その「適応」を正しく見極める専門家の診断が何よりも大切です。 無理な治療を避け、安全で確実な選択をしていただくためのヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
今回のブログでは、先日行ったインスタライブの内容から、「手術(オペ)と糸リフト、そしてヒアルロン酸注入でできることの違い」について、分かりやすくまとめてみたいと思います。
若返りや輪郭を整える治療をご検討されている患者様にとって、どの治療を選ぶべきか迷われることも多いと思います。 医学的なお話も含まれますが、できるだけ噛み砕いて解説していきますね。
治療の目的と「重なる部分」について
手術も、糸リフトも、ヒアルロン酸注入も、基本的には「若返り」や「輪郭を整えること」を目的としています。 お顔を変えるような整形治療として行っているわけですが、それぞれの治療には「同じような効果やゴールを狙える重なる部分」が存在します。
例えば、「顎を少し前に出してEラインを綺麗に揃えたい」というご希望があったとします。 この場合、ヒアルロン酸を注入して顎を前に出すアプローチと、お顔の中を切って顎の骨を少し前にずらす手術とでは、細かな違いはありますが、基本的には似たような形の仕上がりにすることができます。
このように、治療法が違っても、向かうゴールを同じように設定できるケースは多々あるのです。
それぞれの治療で「しかできないこと」
一方で、「ヒアルロン酸でしかできないこと」や「手術でしかできないこと」も、純粋に存在します。 物理的な限界があるため、ここを理解しておくことが非常に重要です。
- 手術(オペ)が得意なこと 皮膚を切り取ったり、物理的に縮めたり、一度剥がして上に縫い付けるような大きな変化は、メスを使う手術でしか実現できません。 眉下切開や、たるんだ皮膚を根本から引き上げるフェイスリフトなどがこれに当たります。
- ヒアルロン酸注入が得意なこと ヒアルロン酸は「付け足すこと」や「形を作り出すこと」が非常に得意です。 例えば、「おでこに丸みを作りたい」という場合、手術でプロテーゼを入れることもゼロではありませんが、扱いが非常に難しいため、ヒアルロン酸を注入して緻密に形を作る方が向いています。
- 糸リフトが得意なこと メスを使わずに、皮下脂肪や皮膚を内側から物理的にグッと持ち上げる治療です。 フェイスリフトのように余った皮膚を切り取ることはしませんが、ヒアルロン酸とはまた違った引き上げ効果をもたらします。
| 治療法 | 得意なアプローチ | 代表的な適応例 |
| 手術(オペ) | 切り取る、縫い付ける、根本的な引き上げ | 眉下切開、フェイスリフト |
| ヒアルロン酸 | 付け足す、丸みや形を緻密に作り出す | おでこの丸み、コケの補填、顎の形成 |
| 糸リフト | 組織を内側から物理的に持ち上げる | 切らないたるみ引き上げ |
理想と現実のギャップにどう向き合うか
では、「手術でしか実現できないお顔になりたいけれど、どうしてもダウンタイムや事情があって手術は受けられない」という場合はどうすれば良いのでしょうか。
これをヒアルロン酸だけで完璧に叶えることは、物理的に不可能です。 無理に違う治療で叶えようとすると、どこかに負担がかかり、不自然な仕上がりになってしまいます。
この場合の選択肢は、以下のどちらかになります。
- 素直に手術(オペ)を選ぶ
- ヒアルロン酸や糸リフトでできる「ギリギリ希望に近い仕上がり」をゴールに設定し、そこで妥協(受け入れる)する
別の治療で無理やり100点を目指すのではなく、ご自身の状況に合わせて現実的なゴールを設定することが、結果として美しいお顔のバランスに繋がります。
治療選びで失敗しないための「3つのポイント」
プロの専門家として、患者様のお顔の状態とご希望に合わせた「正しい診断」が何よりも大切です。 クリニック選びや治療選びの際には、以下のポイントに注意してみてください。
- 適応外の治療を無理に行わない ヒアルロン酸で目指すべきゴールを手術で狙ったり、逆に手術が必要な状態をヒアルロン酸だけで無理に解決しようとしたりすると、リスクが大きくなり、失敗の原因になります。
- 「重なる部分」の最適な判断 どの治療でも対応できるようなお悩みの場合、糸リフトが良いのか、手術が良いのか、ヒアルロン酸が良いのかを選ぶのは非常に難しくなります。 患者様の考え方やお顔の状況次第となるため、ここを適切に見極めるのが医師の腕の見せ所です。
- 診断ミスや売上目的の提案に注意 本当は手術が必要なのに、医師の知識不足(手術の経験がないなど)で他の治療を勧めてしまうケースがあります。美容ドクターの中には、手術をよく知っている先生もいれば、そうでない先生もいるためです。 また、あってはならないことですが、クリニックの都合で自院の得意な治療を勧めてしまうケースもゼロではないかもしれません。
私たち医師は、自分が行う治療も行わない治療も含めて、日々しっかりと勉強し、患者様にとって最適な提案をしなければならないと強く感じています。
インスタライブでお答えしたご質問
Q. ジャルプロのコケを改善する肌注射はどう思われますか?コケなどのボリュームを出すにはヒアルロン酸の方がいいですか?
A. ジャルプロは基本的に肌育(肌の細胞を活性化させる)のための製剤ですが、近年は様々な使い方ができる種類が出ているようですので、私自身もさらに深く勉強しておきます。その上で、コケを改善するための治療の選び方についてお話しします。
まず、頬の脂肪ががっつりと減ってしまい、大きくこけてしまっているような「ボリュームロス」が原因の場合は、皮膚表面にハリを出すだけの肌育治療では、正直なところ改善が難しいです。失われた脂肪の代わりとなる、ある程度の硬さや弾力を持った物質で形を作り出す必要があるため、ヒアルロン酸注入や脂肪注入が向いています。 例えば、片側の頬に3ccのヒアルロン酸が必要だとします。手元で見ると3ccはごくわずかな量に思えるかもしれませんが、お顔の中に入れる「3cc」というボリュームは、お顔の形をガラッと変えるほど非常に大きなものです。ご自身の細胞を作り出すような肌育治療やPRP治療で、この「3cc」という大きなボリュームを正確に作り出し、コントロールすることは非常に困難です。やりすぎると膨らみすぎてしまうリスクもあります。そのため、大きなボリュームを補う場合は、しっかりと形として残り、微調整がしやすいヒアルロン酸が適しています。
逆に、ほんの少しのコケ(うっすらと筋状に凹んでいる、皮膚が痩せてシワっぽくなっている程度)であれば、ジャルプロなどの肌育治療やデバイスを使った治療で、十分にハリを出して滑らかに改善することが可能です。患者様ご自身が感じる「コケ」の度合いと、医学的に見た「コケ」の状態には違いがあることも多いので、実際にお顔を拝見し、その状態に合わせて最適な治療を見極めることが大切です。
Q. 歯の矯正を考えているのですが骨格は変わりますか?今は顎が小さく歯が重なっている状況なのですが、矯正をするとたるみは良くなるでしょうか、悪くなるでしょうか?
A. 私は歯科の先生とディスカッションしたり、コラボセミナーを行ったりもしていますが、歯の矯正はお顔の骨格やバランスに非常に大きな影響を与えることがわかっています。 矯正によって「たるむかどうか」は、元の歯の状態と、どのような矯正の仕方をするかによって異なります。顎が小さくて歯が重なっており、歯が内側に奥まっているような状態の場合、アーチを広げて歯を外側にふっくらと並べるような矯正をすることがあります。この場合は、皮膚がたるんだりくぼんで見えることはほとんどありません。
一方で、歯が全体的に前に出ている(出っ歯のような状態)のを後ろに下げる矯正の場合は、歯が奥まった分、手前の皮膚が少し余ってしまい、たるみのように見えることは理論上あり得ます。しかし、実際に歯を動かす距離は数ミリ程度ですし、元々前に押し出されていた皮膚が良い位置に戻るだけなので、極端に皮膚が余ってたるむということは少なく、そこまで過度なご心配はいらないかと思います。
むしろ、歯列矯正によって噛み合わせが良くなるメリットの方が圧倒的に大きいです。噛み合わせが整うことで、お顔の筋肉のバランスが良くなり、表情が穏やかに落ち着いて見えるようになることが多いと聞いています。また、噛み合わせの悪さからくる無意識の「食いしばり」が改善すると、咬筋(エラの筋肉)の張りが取れてきます。エラの張りがスッキリすることで、お顔のラインが綺麗に整い、良い方向に向かうことがほとんどです。 筋肉の緊張が取れてお顔が少し緩んだように感じる可能性もゼロではありませんが、全体的なバランスは良くなりますのでご安心ください。もし矯正が終わった後に、どうしても気になる部分や微調整したい部分が出てくれば、その時にヒアルロン酸注入などで綺麗に整えてあげる、というお考えで良いかと思います。














