たれ目院長ブログ 〜ヒアルロン酸注入でなる変な顔の違和感の正体、原因とは?〜

ヒアルロン酸注入治療、大変素晴らしい治療だと私は思っていますが、過去の注入治療の負の歴史もあり、世間一般の方が思う注入治療のイメージとはまだ大きな差があります。せっかく新しい考えのもとに行う最先端の注入治療もまだまだ広まっていないんだなあとよく感じます。

注入治療のイメージが悪いのは、ヒアルロン酸によって変な顔になる、と思われていたり、実際に変な顔になってしまった人を身近でもテレビや雑誌でも見たことがあるから、というのが大きいと思います。

ここでいう「変な顔」、実はいくつかパターンがあります。

一つめは、明らかに変な形になってしまった顔。これは治療するプロとしてやってしまうのは論外ですが、患者様自身が望んでドクターショッピングをした結果そうなってしまうこともあります。よって原因は明白で、ドクターの技量不足と患者様の持つ美意識のズレ、たいていはどちらかが関係しています。

二つめは一見して整っているのになんとなく変に感じる状態。その正体はちょっとした左右差やラインのズレ、皮膚面の凹凸や影の入り方、さらには顔全体を見たときの縦横のバランスやパーツの形のズレ、部分ごとの治療差やそれによる年齢差、などなど、普通にパッと見たぐらいでは気づかないほどのバランスの崩れです。これを見抜くのもプロであるドクターの仕事ですが、これが結構難しい。そして原因を見抜けたとしてもそれを改善できるだけの技術と知識がないと治療が出来ない、という上級ドクターでないと難しい領域に入ってきます。

これを避けるためにはドクターの技量が高いことは当然のこととして、もう一つはしっかりと患者様と話し合うこと。変に感じる場合、どのように感じるのか、変に見える場合はどの部分でそう見えるのか、事細かに話を聞いて、変に感じる本当の原因、部位を精密に見極めていき、そこを改善することで変な顔ではなくなるのかを考えていきます。患者様が思っている部位とは別のところが原因で変な顔に見えることもあるので、そういった点もアドバイスしていきます。

3つめは、顔は物理的に整っているにもかかわらず変な顔、美容をやりすぎ、となってしまう場合。今日はこのことを一番言いたかったのですが、これは顔に問題があるのではなく、他の要因が関係している「社会的な違和感」です。

この社会的な違和感は、ある意味美容治療のレベルが高くなり、違和感なく若返ったり綺麗になることができるようになったために出てきた違和感です。

人は皆社会の中で生活していて、その中で様々な人と関係性を持ちながら生きています。20代は社会常識や経験に欠けていても子供のように騒いでいても、周りからは20代だからという目である程度許容されています。お互いに無意識のうちに。同じように50代は50代なりのたるみ具合やファッションであり、本人も周りも無意識のうちにそういうもんだと頭に入れてます。

もし50代の人が顔だけ急に20代になってしまうと、体つきや首、手の老け具合との差が違和感として他人から感じられてしまいま。20代の顔というのは一般的にはかなりボリュームがあり、簡単に言えば丸くて張っているのです。でも本当の20代はそれに合わせた体つきや姿勢、仕草、ファッション、行動をするので違和感はありませんが、顔だけ20代でも他が50代だと途端に違和感が強くなります。

また、例え他の要素を20代にそろえたとしても変だと言われることがありますが、これは周りの人がその人のことを知っているからです。20代に見えても本当は50代だと。

ある国民的歌手が、60歳に迫ろうという時でもまるで30代のような美しさを保っていたとします。テレビを見る皆が口をそろえて変だ、美容整形やりすぎだと言いますが、果たして本当にそうなのか。もしプロから見て顔のバランスが整っている場合、皆が変だというのは国民皆がその歌手の年齢を知っているからです。

もし何も知らない人がその歌手を見ると、単純に綺麗な人だと思うことでしょう。その後で50代と聞かされたら変とか思う前にまずはその若く見える綺麗さにびっくりするはずで、それまでは特に違和感は感じないと思います。

人は立場や年齢に自然に合わせた格好や行動をし、周りの人もそういうものとして見ます。年配の人が若者のようなはしゃぎ方をするとその枠から外れて見え、良い歳してみっともない、と感じるわけです。年配の人がピンクや派手な服を着ていると周りからは変だと言われてしまうのも同じ。(個人的には年齢によらず好きな格好をすればよく、人はとやかく言うべきではないと思います。)

注入治療によって顔は自然に若返ることができるようになりましたが、ただ若くなればそれで全てオッケーとはならないのはこの社会的な違和感の問題があるからです。若返りとなると皆さんとことんやりたい!、と最初はなるのですが、ある程度治療が進むと本当に若返っても大丈夫なのか、立場や周りの環境は許容してくれそうかどうか、そういった話を患者様にしていきます。

よく考えた上で大丈夫、もしくは若過ぎと思われても構わないから若返りたい、という方に対してさらに治療を進めていくようにしています。でも面白いことに、顔が若返ると仕草や表情、格好や行動までも若くなる方が多く、そうなるともう顔だけでなく全部が若くキラめいていくので、ああこの方は治療をきっかけに内面からも若返られたんだなと嬉しくなります。

 

 

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