たれ目院長ブログ ~なめると危ない化粧品アレルギーの怖さ~

新井院長

先日、当院の患者様がとある化粧品を試しにと顔に塗ったところ、その日のうちに顔が腫れてきて大変なことになったので診察し、治療しました。化粧品はネットで購入したもので、いま流行りの幹細胞系のものでした。成分はわかりませんが、アレルギー反応であることはすぐにわかり、ステロイドの点滴と抗アレルギー薬の治療で落ち着いてきましたが、完全に治るまでにけっこう時間がかかりました。

 

一般的には化粧品でそこまでのアレルギーが起こることはめったにないと思いますが、成分や製法まで考えられ、テストして作られている化粧品と違ってインターネットで購入する詳細不明なものは気をつけた方がいいかもしれません。ごくわずかな成分がアレルギーを引き起こすこともあれば、製造の過程で混入してしまう可能性もあります。薬もそうですが、他の製品を作るラインと重なる場合、微量に他の成分が残留し、混入されることがあります。そうなると、製品の成分表にはなくてもアレルギーとなる物質が含まれて販売されてしまうこともあります。

 

製薬会社の工場を見学にいった時にそのようなことの説明を受け、その工場では清掃や機械の管理をしっかりと行い、不要な成分がわずかでも混ざらないように気を付けているという現場を見たことがあります。工場の生産管理にもレベルがあり、その工場は最も高い品質の認定を受けていると説明を聞いた覚えがあります。

 

今回のアレルギーは、皮膚に塗っただけでそこまでひどくなるのか、と大変驚かされました。皮膚に塗っても体内にはほとんど入らないからとなめてかかるととんでもないことになり得るということです。改めて化粧品選びの大切さを感じました。効果、効能に踊らされず、成分、製造流通管理、アレルゲンにどれだけ気を使って作られているか、そこまで見ないといけません。ただし、一般人では製品をみただけではわからないので、そこにやはりメーカーの信頼性、ブランドが大切になってくるのだと思います。ユーザーはこのブランドだから大丈夫だろう、と信じるしかなく、だからこをメーカーはその信頼に応えるべく努力し、それを裏切るようなことはあってはいけません。

 

今回は特に幹細胞という流行りの言葉を使ったものでした。一般の方で幹細胞を正しく理解している人は非常に少なく、とりあえず耳にする言葉なので何かしら良いものだろう、とうくらいのイメージなのでしょうか。コスメには幹細胞というキーワードがけっこう見られます。医学的にみれば幹細胞がそこに入っているわけではないことはすぐにわかりますし、そもそも幹細胞を入れたところでそれが皮膚になるわけでもなく、意味がありません。幹細胞はまだ正常分化し、増殖をコントロールする技術は確立されていませんし。

 

幹細胞系のコスメは、幹細胞の培養液にヒントを得て作られているとのことですが、推察するに細胞の成長を促す成分が含まれていて、それを利用して細胞を活性化させるのが目的なのではないでしょうか。成長因子のような成分に近いのかと思います。何にせよ、新しいものに飛びつくのはいいのですが、それが本当に安全性が確立されているものか、きちんと配慮されて作られているのかぐらいは気を使った方が良いかと思います。ネットで手に入る製品には特に気を付けるべきで、よくわからないものを無暗に使うのはリスクを伴うということを目の当たりにしました。

 

 

私は個人的に、作用や仕組みが良くわかっていないものをとりあえず売る、ということは好まないために、ちゃんと作用や仕組み、効果がある程度判明しているものしか治療メニューとして採用していません。事務長からはもっとビジネスになるようなことをと言われることもあるのですが、そこなこだわりというか頑固というか、いくら儲かるとしても自分が納得しないものを人に勧めることはできないなと思ってしまいます。そんな頑固な私でも、そのこだわりを気に入って来てくださる患者様がいる以上はこのスタイルでいいかなと思っています。

 

 

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ラベールミラクリニック

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