このブログはインスタライブの要約記事です。
こんにちは、ラベールミラクリニック院長の新井根洋です。
今回は、美容医療において非常にデリケートでありながら、実は悩まれている方がとても多い「他院での注入治療後のバランスの崩れ」という、少しお話ししにくいテーマについて詳しくお伝えします。
また、記事の後半では、皆様からいただいたヒアルロン酸の進化、グロースファクター、そしてスキンバイブに関する疑問にも丁寧にお答えしていきます。
この記事で伝えていることとまとめ
- 他院の治療によるアンバランス: 他院でヒアルロン酸を多く入れすぎたり、浅い層に入れたりすることで、笑ったときの表情が不自然になることがあります。 当院ではマッサージ、溶解、追加注入による「平均化」の3つの方法で修正を考えていきます。
- 患者様の気持ちを尊重: 客観的に見てボリュームが過剰であっても、患者様ご自身がその形を気に入っているなら、無理に溶かすことはしません。 自分自身の葛藤はありますが、お気持ちに寄り添い、他の部位を整えて全体を調和させる治療を提案します。
- 生い立ちと診療への想い: 昔はやんちゃで出来の悪い子供だった僕だからこそ、努力の大切さや、一人ひとりの不完全な心、こだわりといった機微に寄り添うことの大事さが分かります。
- ヒアルロン酸の進化とQ&A: 現代のヒアルロン酸は、単に表面を膨らますだけでなく「骨格を矯正する」治療です。 その他、グロースファクターと熱刺激の関係、スキンバイブを取り扱わない理由などの疑問にも、僕が知っていることを正直にお話しします。
他院でのヒアルロン酸注入後に「お顔のバランス」が崩れてしまう原因
当院に来られる患者様の中には、初めての方だけでなく、他のクリニックでヒアルロン酸注入などのさまざまな治療をしっかり受けてこられた方も多くいらっしゃいます。
とても上手に行われている場合も多いのですが、中には「ちょっと局所的にヒアルロン酸がしっかり多く入してまって、バランスが崩れているな」とか、「若干の違和感があるお顔になっているな」と感じるケースが時々あります。
この違和感やバランスの崩れが起こる原因は、大きく分けて2つあります。
- 局所的にしっかり多く入ってしまった場合 おでこの丸みが非常に強くなっていたり、頬に丸みがボコッと乗っかってしまっていたりと、特定の場所にヒアルロン酸が多く入ることでアンバランスに見えてしまう状況です。
- 浅い層に入ってしまい、表情の「動き」を制限している場合 ヒアルロン酸が皮膚の浅いところに不適切に入ってしまうと、表情を作るときの筋肉の動きを邪魔してしまいます。 形自体は、じっとしているときには良く見えても、笑ったときに口角や頬の位置が動かなくなって、まるでドラキュラがニヤッとするような、不自然な笑い方になってしまうことがあります。
このような状況に対して、僕たちはどうアプローチしていくかを、患者様と丁寧に相談しながら決めていきます。
違和感を解消するための3つの修正アプローチ
もし他院でのヒアルロン酸注入によって違和感が生じている場合、当院では患者様がその状態をどうしたいと思っているかを丁寧に聞きながら、以下の3つの選択肢を相談していきます。
- 1. モデリングマッサージでの修正 ヒアルロン酸が入っている位置が適切な層であれば、マッサージで製剤を少し動かして形を整えることができる場合もあります。
- 2. ヒアルロニダーゼによる溶解 マッサージでの修正が難しい場合は、基本的には一度ヒアルロン酸を溶かすことを考えていきます。これが最もシンプルで確実な方法です。
- 3. 足りない部分への追加注入による「平均化」 「どうしても溶かしたくない」という場合は、今あるヒアルロン酸をギリギリ活かしつつ、足りないところに注入をして全体のバランスを揃えていくアプローチをとります。
それぞれの特徴を、分かりやすく表にまとめておきます。
| 修正方法 | 特徴 | 適応の目安 |
| モデリングマッサージ | 適切な層に入っているヒアルロン酸をマッサージで動かして微調整する | 軽微な位置のズレで、注入後あまり時間が経っていない場合 |
| 溶解(ヒアルロニダーゼ) | 注入したヒアルロン酸を薬で溶かしてリセットし、必要に応じて入れ直す | マッサージでは動かせず、過剰な膨らみや強い違和感がある場合 |
| 追加注入による平均化 | 溶かさずに、他の足りない部位に注入して全体の立体感を揃える | 患者様が現状のボリュームを残したいと希望される場合 |
客観的なバランスと、患者様の「こうなりたい」という気持ちの狭間で
ここで、美容皮膚科の医師として非常に悩ましい、本音の部分をお話しします。
客観的に、僕たち第3者から見て「ちょっとこのおでこの丸みは強すぎるな」「頬のボリュームが出すぎているな」と思っても、患者様ご自身が「この形がいい」「こういう風になりたい」と納得されている場合があります。
そのような場合、いくら僕たちが客観的に見て「ちょっと丸みが強すぎますよ」と思っても、ご本人がこうなりたい形であれば、治療として成立するのかな、と思っています。 僕自身は、あまりそういう極端な治療はしたくはないんですけれど、そこは患者様お一人おひとりの情緒やこだわりの部分ですから、無理に否定するものではありません。
ただ、ここで僕が治療を引き受けて、その丸みを残したまま追加の注入をしてお顔を仕上げると、今度は他院に行ったときに「あのラベールで治療を受けたら、こんな不自然な顔にされた。あそこはヒアルロン酸をドカドカ入れているんだな」と思われてしまうかもしれない。 それは僕としても、正直に言うとちょっと怖いな、避けたいなという気持ちはあります。
実際に、そうした状態の患者様に対して「当院では治療をしません」とお断りしているクリニックもあると耳にします。 確かにお断りする方が、クリニックとしては簡単なのかもしれません。 でも、最初に来られたときよりは少しでも良くできる部分があるなら、やっぱり僕は治療をしてあげたいな、と思うわけです。
ですので、そういう場合は丁寧に、丁寧に患者様とお話しします。 もし「どうしても溶かしたくない、せっかく入れたものだから残したい」ということであれば、おでこや頬の丸みはそのまま残した上で、お顔の他の部分(例えば口角の位置や唇の厚み、全体のたるみのリフトアップ感など)を整えて、その過剰な丸みに対して違和感が出にくいような、全体として調和するラインを揃えていく。 そうした治療を提案して、一緒に方針を決めていきます。
お顔全体のバランスを整える「パラメータ評価」とは
当院では、お顔全体の立体感やラインのバランスを、パラメータ(グラフのようなイメージ)で捉えています。
例えば、おでこや頬のボリューム(パラメータ)がバーンと突出して強くて、唇やフェイスラインのすっきり感が極端に弱いとします。 この時、突出しているオーバーな部分(他院で入れた部分)を削ってマイナスにするには、ヒアルロン酸を溶かすしかありません。
しかし、それを溶かさないのであれば、他の足りない部分のパラメータをプラスして引き上げることで、お顔全体のバランスを「平均化(調和)」させていきます。
お顔全体のパラメータが凸凹せずにきれいに平均化されると、特定の違和感が目立たなくなり、すっきりと整った印象になります。 お顔全体の調和を作ることが、結果的に自然な若返りや美しさにつながるのです。
出来の悪かった子供時代と、恩師に教わったこと
ここで、少し僕自身の昔話をさせてください。
「お医者さんなんだから、昔から優秀だったんでしょう」とよく言われるのですが、全然そんなことはありません。むしろその逆で、昔は本当に出来の悪い、やんちゃな子供でした。
僕が子供だった約40年前、この名古屋周辺の学校は今とは違って、「管理教育」がとても厳しい時代でした。遅刻をしたり、宿題を忘れたり、授業中によそ見をしているだけで、すぐに先生に頭を殴られるような環境だったんです。
そんな中で僕は、授業中に落ち着きがなくて授業についていけず、学校の先生から「発達に障害がある子がいる学級に移った方がいいのではないか」と親が相談されるような、いわゆる問題児でした。親も当時は相当悩んで、先生と戦っていたようです。
そんな僕を救ってくれたのが、小学生の時の恩師である河村先生でした。 先生は、周りから問題児として否定されてばかりだった僕に「あなたのその考え方は、個性だから素晴らしいんだよ」と、初めて認めて、褒めてくれたんです。 それまで怒られてばかりいた僕にとって、自分の行動や考えを認めてもらえたことは、本当に衝撃的な出来事でした。
勉強ができなくて医学部の受験もすごく苦労しましたし、たくさん失敗もしました。でも、その経験があったからこそ、「人は努力すれば、無理だと思われたことも達成できる」ということを身をもって学びました。
僕がなぜこの話をしたかというと、人間というのは、みんな完璧ではないからです。不完全な心を持っていて、悩んだり、こだわりがあったりする。 当院に来られる患者様もそうです。他院で入れたヒアルロン酸が客観的にアンバランスであっても、「どうしても溶かしたくない」というこだわりや、言葉にはできない心の機微があるはずです。
僕は、医師という立場から「これが医学的に正しい」という基準を押し付けるのではなく、そういう患者様の不完全な心やこだわりを大切にしたい。 患者様がその状態で「少しでも良くなりたい」と願うなら、その心の機微に寄り添って、今できる最善の方法を一生懸命に考えていきたいと思っています。
インスタライブでお答えしたご質問
Q. 昔のヒアルロン酸治療と、今のヒアルロン酸治療では何が違うのでしょうか?
A. これは、もう本当に時代が変わったと思ってください。昔のヒアルロン酸治療は、シワを消したり涙袋を作ったりといった、皮膚の浅いところに注入して表面を膨らませるだけの部分的な治療が主流でした。しかし今の治療は全然違っていて、お顔の深い部分の「骨格を矯正する」ような治療になっています。加齢によって萎縮してしまった骨格の構造を整えることで、若い頃の骨格に戻して根本からたるみを改善します。さらに、骨格構造や筋肉にアプローチすることで、お顔の動き(表情)をコントロールすることも可能です。表情の不自然な動きを和らげたり、お顔の左右差を整えたり、あるいは顔面神経麻痺の症状を緩和するようなことまでできるようになっています。昔の「ただ膨らませる」というイメージとは、全く別次元の治療を行っていると考えていただくといいかなと思います。
(※医学的補足:当院の骨格矯正治療は、世界的な注入指導医であるDr. Mauricio de Maioが開発した「MD-Codes™(エムディーコード)」に基づいています。これは、お顔の構造(骨格、筋肉、脂肪、靭帯の解剖学的構造)をブロックのように数値化し、適切なポイントに適切な製剤を注入することで、自然で安全なリフトアップ効果をもたらす先端の治療法です。お一人おひとりのお顔立ちに合わせたオーダーメイドの治療が可能になります。)
Q. グロースファクター(成長因子)を注入した箇所に熱を加えると、膨張することがありますか?
A. これに関しては、ごめんなさい、まだはっきりとした結論は出ておりません。グロースファクターという成長因子そのものは、体内に注入されてから数日程度で代謝されて吸収されてしまうと言われています。ヒアルロン酸のように、製剤自体が何ヶ月も何年も残るわけではありません。ただ、薬そのものはなくなっても、その刺激で細胞が活性化して周囲に信号を出し、お肌にハリが出るという効果が残ります。噂されているのは、グロースファクターを打った後に、数週間以内にレーザーやハイフ(HIFU)などの熱刺激や、針の刺激を加えることで、細胞が過剰に再活性化して数日〜数週間かけてもりもりと膨らんできてしまう、という現象です。また、半年以上経っていても、熱などの刺激で再活性化して大きくなってしまう、という話も聞いたことはあります。ただ、僕自身は自分の患者様でそのような膨張をはっきりと経験したわけではないので、絶対にこうなる、とは言えない状況です。患者様から「何かするたびにそこが腫れる感じがする」というお話を聞くことはありますので、起こり得る話ではあると思います。はっきりとした答えが出せず申し訳ないですが、この件については僕もまたしっかりと勉強しておきます。
Q. 先生、最近痩せましたか?
A. ありがとうございます。でも、実はここ2〜3ヶ月はほとんど体重が変わっていなくて、ちょっと停滞しています。何とか80キロを切りたくて、食事に気を使ったり運動したりしているのですが、なかなか切れなくて。一瞬81キロ台まで行ったのですが、今は81キロから82キロあたりをうろうろしているような状況ですね。今の食事量や運動量からすると、もう一段階しっかりメニューを見直して、コントロールしないといけないんだろうなと思っています。何とか目標を達成できるように、地道に続けてみます。
Q. スキンバイブ(旧ボライト)の効果と、ラベールミラクリニックで取り扱っていない理由を教えてください。
A. スキンバイブというのは、アラガン社の「ボライト」という製品の名前が変わったものです。中身は全く同じで、グローバルでの名称にリブランドされて戻ったという状況ですね。これは、当院が得意としている骨格を整えるヒアルロン酸とは違って、皮膚の表面近くに細かく打つことで、お肌の水分量を増やして肌質を改善し、ハリを出すための非常によい美肌治療です。その効果自体は僕も強いと感じています。ただ、当院では現在これを扱っていません。その理由は、スキンバイブは扱い方が非常に難しく、下手に入れると肌がボコボコになってしまうリスクがあるため、ものすごく丁寧に使う必要があるからです。そしてもう一つ、今の肌治療というのはスキンバイブ単体でなんとかするというよりは、高周波(RF)やハイフ、レーザーなどの機械(デバイス)をいくつか組み合わせて、その患者様に合ったオーダーメイドの治療を行うのがスタンダードになっています。ですが、当院にはそうしたレーザーや高周波の機械がありません。僕がデバイスを持っておらず、できることが限られている中で、スキンバイブだけで無理に肌治療を行うよりは、たくさんの機械が揃っていて、僕以上に肌の状態をしっかり診断して治療できる、美肌治療に特化したクリニックさんにお任せした方が、患者様も絶対に幸せになると思っています。ですので、ご希望される患者様には、そうした得意なクリニックさんを紹介するようにしています。














