このブログはインスタライブの要約記事です。
今回の記事で伝えていることとまとめ
この記事では、美容医療における「良いクリニック・ドクターの選び方」という永遠のテーマについて、私なりの考えを深く掘り下げて解説しています。
また、ヒアルロン酸注入治療の要となる「深い層への注入」の理由や、その医学的根拠についてもお話ししました。
【まとめ】
・良いクリニック・ドクター選びの正解はないが、「自分が受ける治療に必要な技術レベル」と「医師との相性」を見極めることが重要。
・ヒアルロン酸を骨格に沿って深く注入することで、加齢で減った骨を補い、根本的なリフトアップと自然な表情の維持が可能になる。
・痛み、切開リフトとの併用、ヒアルロン酸やボトックス製剤の特性など、患者様からの専門的なご質問に対して、エビデンスに基づき回答。
それでは、本題に入っていきましょう。
こんにちは。名古屋でヒアルロン酸・ボトックスの注入専門クリニックをしている、ラベールミラクリニック院長の新井根洋です。
急なキャンセル枠ができましたので、その時間を使ってインスタライブを行いました。
いつも皆さんが気になっているであろう「良いクリニック・良いドクターの見つけ方」について、私なりにお話ししています。
また、ライブ後半では、視聴者の皆様から寄せられたたくさんの専門的なご質問にもお答えしました。
ぜひ、クリニック選びや治療の参考にしていただければ幸いです。
ヒアルロン酸をすべて溶かすとどうなる?
本題に入る前に、少し最近の出来事をお話しします。
先日、アラガン・ジャパン社のファカルティ(注入指導医)の仕事として、マレーシアで開催されたファカルティ・サミットに参加してきました。
このサミットは、日本だけでなく、韓国、中国、シンガポール、インドなど、アジア圏のファカルティが集まって行うミーティングです。
我々指導医も、単に自分の感覚で教えるのではなく、学術的な根拠に基づいた指導力を鍛えるために、定期的に集まってトレーニングを受けています。
ここで学ぶ大きなメリットは、なんといっても「最新の情報」に触れられることです。
論文や教科書に載る前の、世界中の最前線でドクターたちが感じている知見をいち早く現場に落とし込めるのは、非常に有意義です。
その中で、一つ面白い事例がありました。
海外の患者様で、お顔全体にヒアルロン酸治療をされていた方が、「脂肪注入に置き換えたいから、一度ヒアルロン酸をすべて溶かしてみたい」と希望されたそうです。
ヒアルロン酸によって実年齢より明らかに若く見えていたその方ですが、すべて溶かした結果どうなったか。
一気に老けた……というより、本来の「実年齢通りの顔」に戻ったのです。
溶かす前の状態から比べると、びっくりするくらい老けて見えたとのことでした。
私自身、10年前から自分の顔にヒアルロン酸治療をしていますが、「今の顔にあるヒアルロン酸を全部溶かしたらどうなるのかな」と想像することがあります。
理屈では、10年前の治療開始前よりもさらに老けた状態に戻るはずですが、実際に試す機会など普通はありません。
世界に目を向けると、そうした珍しい実証例から学ぶ機会があるのだなと、大変勉強になりました。
「良いクリニック・ドクターの選び方」
さて、今日のメインテーマである「どうしたら良いクリニック、良いドクターを見つけられるのか」について考えてみましょう。
最初にお伝えしておきますが、これには明確な答えはありません。
基本的には、技術があり、経験があり、さらに人柄が良いドクターが理想です。
もし「性格は少しクセがあるけれど腕はすごく良いドクター」と、「性格は良いけれど腕はイマイチなドクター」がいたら、私ならやはり技術を選ぶかなと思います。
ですが実際には、技術が高い先生というのは日々研鑽し勉強を重ねているため、謙虚な方が多いものです。
そのため、技術があるのに極端に人柄が悪いというケースは意外と少ないと感じています。
問題は、一般の患者様が「ドクターの技術を見極める」のは非常に難しいということです。
同業の医師同士でも見抜くのは難しいことですから、一般の方にはかなりハードルが高いと言えます。
治療によって求められる「技術レベル」は違う
そこで一つの考え方として、「ご自身が受ける治療に必要な技術レベル」を見極めることが大切になってきます。
分かりやすい例として、フェイスリフトや骨切りといった、リスクや侵襲の大きい「オペ」を考えてみましょう。
これらは完全に技術依存の世界です。
熟練度が10段階あるとしたら、レベル2〜3の先生よりも、レベル9〜10のトップクラスの先生にお願いしたいと思うのは当然のことです。技術が低ければ、単純に結果が悪くなってしまいます。
しかし、すべての治療にレベル10の熟練度が必要かというと、そうではありません。
例えば、糸リフトを数本入れるだけの治療や、特定のレーザー治療であれば、レベル5程度の技術でも安全かつ同じクオリティでできる場合があります。
レーザー治療においては、機械の扱いの慣れや、「このシミにはどのレーザーが適しているか」「出力やパルス幅をどう設定するか」という診断力と知識が技術となります。
これも、一定のレベル以上の勉強をしている先生であれば、十分に良い治療が受けられます。
ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療も同様です。
骨格を矯正するような顔全体のリフトアップ治療となると、非常に高度な解剖学の知識とリスク管理能力が求められるため、レベルの高い先生が必要です。
ですが、「ほうれい線に少しだけ注入する」といった限定的な範囲であれば、レベル3程度の技術があれば十分に対応できることもあります。
技術レベルと「相性」のバランス
もう一つ重要なのが、クリニックやドクターとの「相性」です。
いくらレベル10の素晴らしい技術を持つドクターであっても、説明が不十分だったり、スタッフの対応が合わなかったりすると、ご自身が満足のいく治療結果にならないことがあります。
治療に対する満足度は、フィーリングや相性が大きく影響します。
ですから、もしご自身が希望する治療が「レベル6」程度の技術で十分な内容であれば、相性の合わないレベル10の先生を無理に探すより、信頼できて相性の良い「レベル7」の先生にお願いするほうが、結果として幸せになれる可能性が高いのです。
「絶対にここが一番良い」と一概に言えないのは、こうした理由からです。
まずは、ご自身が受けたい治療がどの程度の難易度なのかを理解し、それに合った技術を持ち、かつご自身が安心できるドクターを探すことが、良いクリニック選びの近道かもしれません。
インスタライブでお答えしたご質問
ライブ中には、視聴者の患者様やドクターの方々からたくさんのご質問をいただきました。その中から、特に重要なものをピックアップして解説いたします。
Q. ヒアルロン酸をそんなに深く入れるのですか?
A. はい、深く入れるのには非常に重要な医学的理由があります。
世界的に見ても、ヒアルロン酸を深く注入して骨格を矯正する治療はスタンダードになりつつあります。
深く入れる大きな理由は以下の3つです。
* 加齢によって減ってしまった骨を補い、骨格からリフトアップできるため
* ヒアルロン酸が解剖学的な構造上ずれにくいため
* 筋肉よりも深い層に入れることで、自然な表情の動きを邪魔しないため
顔の骨も、体の背骨や軟骨がすり減って身長が縮むのと同じように、年齢とともに萎縮していきます。その減った骨の土台にヒアルロン酸を定着させることで、若い頃の骨格に近づけ、根本的な若返りを図ることができます。
Q. 先生ご自身の顔のヒアルロン酸は、ご自身で入れられたのでしょうか?
A. 5年ほど前までは、自分で鏡を見ながら注入していました。
自分で入れると、「どう打つと痛みを感じるのか」「どうすれば痛みを減らせるのか」を身をもって研究できるため、とても面白く勉強になるからです。
ただ最近は、当院に所属しているドクターたちの技術が非常に高いため、すっかりお任せしています。
3月末から4月にかけて私の顔に20本のヒアルロン酸を使用しましたが、その際は当院の前原先生にアセスメントから治療まですべてお任せしました。私は目をつぶって一切口出しせず、終わって鏡を見たら「良い感じ」に仕上がっていました。
上手で丁寧な先生方に打ってもらえるので、今はありがたくお願いしています。
Q. 深いところに入れたらすごく痛そうですが、どうですか?
A. 意外かもしれませんが、想像されるほど痛くはありません。
実は、痛みを伝える神経は皮膚に近い浅い部分に多く存在し、骨に近い深い層には痛み神経が少ないのです。
また、ヒアルロン酸製剤の中には麻酔成分が含まれているため、注入し始めると徐々に麻酔が効いてきて、痛みが感じにくくなります。
私個人の感覚としては、ボトックス注射のほうが痛いと感じるくらいです。もちろん無痛ではありませんが、二重の理由で痛みは比較的少ないと言えます。
Q. 将来切開リフトをやりたいのですが、今ヒアルロン酸を毎年少し入れていても問題ないですか?
A. 結論から言うと、問題ないパターンと、少し問題があるパターンに分かれます。
問題がないのは、骨格の深い部分に分散して適切に注入している場合です。このような入れ方であれば、将来フェイスリフトの手術をする層とは異なるため、手術の邪魔になりません。フェイスリフト専門の先生とディスカッションしても、私たちのやり方であれば影響はないとの見解を得ています。
一方、問題になるのは、フェイスリフトで剥離するのと同じ層に大量のヒアルロン酸が残っていたり、元の顔の形が判定できないほどバランスが崩れて注入されている場合です。手術後の仕上がりがイメージできなくなるため、手術前に一度溶かす必要が出てくるでしょう。
質の良いヒアルロン酸を選び、手術の邪魔にならない正しい解剖学的知識を持ったドクターに注入してもらうことが大切です。
Q. スキンバイブが頬の赤みに良いと聞きました。ジャルプロで靭帯を支え、スキンバイブを頬に打つのはどうでしょうか?ボコボコにならないでしょうか?
A. スキンバイブ(肌質改善目的のヒアルロン酸)が頬の赤みに良いというのは、結果的にその通りだと感じています。
ただし、レーザーのように赤みの原因(血管など)を直接壊すわけではありません。スキンバイブによって皮膚の構造が整い、外的刺激に負けない強い肌が作られる結果として、赤みが出にくくなるというメカニズムです。体内での効果の持続も長いため、非常に優秀な製剤です。ただ、効果が強い分、打ち方や場所によってはボコボコ感が出るリスクはゼロではありません。
また、「ジャルプロ(アミノ酸配合製剤)で靭帯(リガメント)を根本から強化する」という表現についてですが、少し注意が必要です。
ゼリー状の柔らかい製剤で、靭帯という硬い線維組織そのものを物理的に強化することはできません。靭帯の周囲の組織が適正化されることで機能が回復する、というのが医学的に正しい捉え方です。
伸び切ったゴム(靭帯)だけを強くしてもリフトアップはしません。加齢で緩んだ骨格や周囲の組織全体を適正な状態に戻して初めて、靭帯が機能してたるみが改善されるのです。このあたりは非常に奥が深いので、また別の機会に詳しく解説したいと思います。
Q. 変性しにくいヒアルロン酸はアメリカ産のものですか?
A. アメリカ産(ジュビダームビスタなど)に限らず、きちんとした承認を取っている世界的に有名なメーカーの製品であれば、基本的には変性しにくいと考えていただいて大丈夫です。
例えば、ガルデルマ社のレスチレンなども品質が高く、変性しにくいです。
逆に、出所がよくわからない製剤や、極端に安価な製剤などを入れた患者様のお顔を見ると、中で炎症を起こしたり、不自然に変性してしまっているケースを時々見かけます。
高品質な製剤を使用し、感染や変な炎症が起きていなければ、組織の中で悪影響を及ぼすことはほとんどありません。
Q. ボトックスは溶かしたての方が痛いのですか?
A. そのようなことはありません。
ボトックスは粉末状のものを生理食塩水などで溶かして使用しますが、密閉された適切な環境で保存されていれば、溶かし立てでも、数時間や数日経ったものでも痛みに差は出ません。
私自身、実験のために数週間、数ヶ月経過したものを自分やスタッフ(希望者のみ)に打って研究することがありますが、痛みの度合いも効果も変わりませんでした。
薬の痛みは浸透圧などの影響によるものであり、「溶かし立てだから新鮮で痛い」という理論は成り立たないと考えています。
Q. 立ち耳ヒアルロン酸の施術はやったことがありますか?
A. 私はやったことがありません。
耳の裏にヒアルロン酸を入れて耳を立たせる施術が流行っていることは知っていますが、これは「好みに合わせた流行の治療」に分類されるものです。
当院で行っているヒアルロン酸注入は、「加齢によって失われた骨や組織を補い、医学的・解剖学的に誰もが美しいと感じる自然な状態(若々しい状態)に根本から矯正する」ことを目的としています。
ほうれい線を浅くして若返る、このことに反対意見を唱える人はほとんどいませんが、立ち耳にするかどうかは個人の好みによる要素が大きいです。
また、耳の後ろにヒアルロン酸の塊が見えてしまうなどのリスクもあるため、当院が目指す「骨格的に整える自然な治療」の方向性とは異なるため、行っていません。
今回は「クリニックの選び方」から「深いヒアルロン酸注入の理論」、そして皆様からの様々な疑問まで、かなり専門的な内容も含めてお話しさせていただきました。
ご自身の目指す治療の方向性を見極め、信頼できるドクターとしっかりコミュニケーションを取りながら、安全で後悔のない美容医療を選択してください。
カウンセリングではお顔の骨格的な分析から治療方針の決定まで、お一人おひとりにしっかりと時間をかけて行っています。
ご興味のある方は、ぜひ一度ご相談にいらしてください。お待ちしております。














