たれ目院長ブログ 〜ナンバーワンのクリニック、オンリーワンのクリニック、どちらを目指すべき?〜

有名な歌詞にある比較、いろんなところでよく使われます。ナンバーワンでなくても良い、オンリーワンであれば良い。

もちろん歌詞は全部がつながって意味を持つので、ここだけを抜粋して良い悪いを議論するのはフェアじゃないというか意味がないことですが、このナンバーワンかオンリーワンかは非常にわかりやすい指標、目標、テーマになります。

恋愛においてはオンリーワンが良いでしょう。ナンバーワンになったから付き合える、幸せになるというものではなく、相手にとってのオンリーワンであればナンバーワンかどうかはどうでも良いこと。逆にいつもナンバーワンの相手と付き合いたいと思っていると、果てがなく、いつまでもゴールがありません。

人は時間とともに生きていますから、その瞬間に何かしらナンバーワンであったとしてもその後永久にそれが続くことはありません。次のナンバーワン、次のナンバーワン、と追い求めても果てがなく意味がなく、いつまでも満たされないことでしょう。これはあまり幸せとは言えないかも。

クリニックにおいてはどうか。医者が技術を発揮する場所であることを考えるとナンバーワンが良いと思うかもしれません。実際、私が患者様と同じユーザー目線でとある施術を受けたいとなった時、どこのクリニック、どのドクターが一番上手なのか、ということをすぐに考えてしまいがちです。

しかししかし、ラベールが開業当初から一貫して目指してきたのはオンリーワンなクリニックでした。何がオンリーワンなのか、オンリーワンとは何か、ということを考えた時、逆説的に言って他にないものこそがまずその要素となる、と目標を定め、他のクリニックにはないもの、他ではやっていないこと、他ではできないことを集め、それらを満足度を高める方向へ融合し昇華させて行きました。

注入専門クリニック。まずこれだけで名古屋初であり唯一。でも中身がなくては意味がないので名前に相応しいハイレベルな施術を提供できるように技術を磨きました。同時に技術のみならず、他ではなかなか見られないくらい時間を空間をゆったり使い、患者様がリラックスして相談から施術までも受けられ、ドクターは診断と治療に前身全霊を傾けられる。

さらには、当時売上につながらないことは意味がないと言われたけれどもスタッフの接遇を向上させ、カウンセリングの勉強、治療の勉強にも時間をかけてレベルを上げました。ラベールで行うセミナーもその勉強会が発展したものです。なぜわざわざ人に技術を教えるのか、と変に疑われたこともありますが、最初は院内の勉強会に外部の希望者を受け入れたことが始まりでした。ラベールにとってはそれほど特別なことではありません。

ラベールミラクリニックは名古屋のヒルトンホテルの中にあり、総面積25坪弱のかわいいクリニックですが、その限られた空間を目一杯有効に使い、時間をたっぷりかけ、最大限満足してもらうにはどうすれば良いのか、常に考え続けました。

その結果、ナンバーワンになったかはわかりませんが、オンリーワンに近づけているとは思います。広い美容クリニックが増えている中、ラベールは絶対的にスペースは小さくてナンバーワンにはなれません。むしろ小さい方向にナンバーワンかも(笑)。また、接遇も、最近はかなり力を入れているクリニックもあり、ナンバーワンとは言い難いかも。

でもそれでいいんです。ナンバーワンよりオンリーワンなクリニック。そこを一貫して目指したきました。

そして、ここからが重要ですが、

クリニック、ドクターの世界においてはオンリーワンになることはナンバーワンへの近道と考えています。抽象的で大雑把に言って申し訳ありませんが、正しくオンリーワンになることは同時にナンバーワンにつながるであろうということ。意味のないオンリーワンではなく、目指すべき方向を見極めた上でのオンリーワン。それこそがクリニック、ドクターの目標の一つかと。

これは自由診療である美容医療におけることであり、保険診療には当てはまりません。保険診療の場合には、どこへ行っても同じクオリティ、同じレベルの治療が受けられるように全体の底上げをし、平均レベルを上げることが全体の幸せになると思います。同じ胃癌のオペで病院ごとに大きな技術差があっていては患者様にとって良くないこと。

美容医療においても、どこも同じレベルの治療が受けられると良いのですが、自由診療であり自由競争である美容医療では今のところそれは理想に過ぎません。他のクリニックと同じことを漫然と行っていては経営が困難になることもありますし、経営努力をしていて規模の大きなクリニックには敵いません。

例えば同じレーザー治療機の治療費を個人クリニックが大手よりも安く設定することは困難です。その場合、価格以外の「何か」で魅力を出す必要があります。その魅力や付加価値が豪華絢爛なクリニックであることなのか、接遇がすごいのか、ドクターのこだわりがすごいことなのかはわかりません。他にもたくさんあるでしょう。重要なのは他にない魅力を持つこと。

そもそも、価格や症例数、使用量、地域限定の数、などなどクリニックやドクターを比較する時には指標がたくさんあり、何かの前提条件をつければナンバーワンと打ち出すことができますが、どれも技術を正確に反映させるものではなく、そこで順位を競うことにはあまり意味がないことかもしれません。

オンリーワンも明確な基準や枠はありませんが、他にないもの、他では受けられないもの、となればある程度わかりやすいでしょう。そしてそれが技術においてそうなれば、正しい方向にオンリーワンとなれるように技術を磨いていけば、結果的にそれはナンバーワンへとなっていくのではないかと考えます。

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