先日、中国からのドクターを受け入れて研修を行いました。その際に中国の美容医療事情を色々と聞きました。
中国では美容治療はどんどん需要が高まっており、興味を持つ人、実際に治療を受ける人、近年はずっと増加傾向とのこと。その中でも顔を作り変える、いわゆる美容整形ではなくてアンチエイジング治療が人気で、ヒアルロン酸注入はやはり広がりつつある治療だと。
また、美容整形であっても、治療した感のないナチュラルな仕上がりにこだわる人が増えているらしく、以前は手術や大掛かりな美容整形となれば韓国に行っていたのが、近年は日本に行く人が増えているようです。日本人の丁寧な施術、あまり派手に作り変えない、ナチュラルな感じが好まれている、と聞きました。
私は中国人の方への治療をよく行います。特に東京、ノエル銀座クリニックではその機会が多く、注入治療の良さ、仕上がりのナチュラルさ、治療の幅広さが知られるようになってからはどんどん増えました。
そこでよく思うのは、注入治療を選択される方は治療後の仕上がりにこだわりがあること。特にナチュラルであるかどうかをよく気にされます。ナチュラルビューティーを信条とする私としてはそのこだわりは大賛成です。
ここでいうナチュラルとはどういう状態なのかは以前のブログを参考にしてください。
たれ目院長ブログ 〜ラベールミラクリニックのコンセプトは『ナチュラルビューティー』〜
治療後のナチュラルさに大事なのはとにかくバランス。いくら部分的キレイにしてもそれが全体のバランスを崩してしまってはダメです。例えば鼻は高ければ良いのではなく、顔の輪郭や立体感、目やリップの形に合わせたちょうど良い高さやラインがあります。それを超えてしまうと、鼻だけを見ればキレイでも顔全体を見ると違和感を覚えてしまいます。
中国の方を治療するようになる前は、もう少し派手な作りを好まれるのかなと勝手に思っていました。これは根拠のない全くの私の思い込みです。実際は非常にナチュラルで違和感のない治療を求められる方がほとんどでした。
そうなると局所的な治療であったり強い治療ではダメで、0.01cc単位、0.1mm単位で精密に整えられるヒアルロン酸注入治療の出番でしょう。注入治療の得意分野です。
中国におけるヒアルロン酸注入治療の事情も聞きましたが、だいぶ日本とは状況が異なっていてびっくりしました。
まずは製剤。アラガン社のヒアルロン酸は手に入るそうですがまだ種類が少なくて、バイクロスという新しいシリーズではボリューマしかなく、しかも局所麻酔が無いタイプなので施術が非常に痛いと。最近になって局所麻酔入りのも発売されたと言っていた気がしますがその辺りははっきり覚えていません。
製剤はあるにしても次なる問題は、正しく施術できるドクターが少ないと言います。骨の近くまで深く注入し、骨格を矯正するような治療法を実践できる人が周りではいなくて、わざわざ日本まで研修を受けに来たということです。以前にも中国から見学にドクターが来られましたが、どうやら一部でこの注入治療の噂が広まっているようです。
それよりなにより驚いたことがあります。それは価格。
なんと、中国ではボリューマが1本26〜30万円ほどするようなのです。これ、聞き間違いじゃないですよ。理由はどうやら仕入れ価格のようで、クリニックの仕入れ価格が日本の価格の10倍近くすると。そうすると患者様に施術するときはどうしてもそれくらいの価格になってしまうのも納得です。
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