たれ目院長ブログ 〜ラベールミラクリニックのコンセプトは『ナチュラルビューティー』〜

『ナチュラルビューティー』

使い古された言葉で今更何を、と思うかもしれませんが、本当に実現できているかと考えると意外と難しいのでは。皆さん自信を持って実践できていると言えるでしょうか。

ナチュラルとはどういうことか。ちょっと考えてみます。ナチュラルとは自然であるということ、自然であるということは違和感がないこと、人の手が加わらずありのままであること、本来備わっている性質、形であること。

それを美容医療にそのまま当てはめてみると、年齢を重ねて老けたとしても何も治療していない状態は人の手が加わっておらず、ある意味自然な状態。じゃそれが美しいかと言われると、多くの人が望む美しさからは外れているために美容治療を必要とします。

手を加えていない「自然」から手を加えたことによる「自然」に変化させるわけです。

そうすると、何を持って自然とするか、治療しても自然と見られるにはどうすれば良いのか、「自然」という状態をもっと突き詰めて考え、定義する必要が出てきます。単に辞書にある意味だけでは矛盾が生じます。

治療しても自然とするには、自然の持つ他の意味を考えます。それは即ち、違和感がないこと、その人の持つ本来の形に近づけること。

年齢を重ねて老けてくると、まず土台となる骨格が縮み、筋肉は肥大拘縮して硬くなり、脂肪は萎縮するものもあれば膨らんで下に移動し、皮膚は弾力が減ってたるんでシワシワになります。そのままの状態も自然ではありますが、老けて組織の構造が変化する前の状態、若い頃の輪郭やハリもまたその人の持つ本来の形と見ることができます。

治療によって組織配置が変わる前の状態、つまり若いころの顔形に戻すだけであれば自然の定義からも外れないと考えます。そのために重要なことは、本来の形を分析すること。まずは骨格から見ていきます。年齢によって崩れるポイントを見極めればそれを戻すことで数年から数十年前の骨格に近づけます。もちろんできない部分もあるので完全に戻すことはできませんが、戻しながらより綺麗になるように微妙に整えることで若く綺麗な骨格に矯正できます。

次に硬く肥大した筋肉をボトックスで緩めながら縮め、必要なのになくなってしまった脂肪の代わりにヒアルロン酸を配置し、逆に膨らんで下垂したいらない脂肪は除去します。作り変えて別人にするのではなく、あくまで本人の特徴は変えずに以前の形に戻すだけです。所々微調整し、細かく整えながら。

そうして時間を巻き戻した顔は、手を加えていても本人の特徴は変えず、元々持っている骨格に合わせてその人がなることができる綺麗を引き出してあげただけ、つまり「本来持っている形」である「自然」となります。これが手を加えた「自然」の正体。

60歳で無治療の状態も自然な状態ですが、治療して40歳頃の顔になった状態もまた自然なのです。だってどちらもその人の顔なのですから。実際にラベールの症例モデルで出てくるこの二人は治療後、治療したことを人に指摘されたことはなかったそうです。簡単に言えば2ヶ月ほどでこれだけ若返っても誰にも治療のことはバレなかったということ。

注入治療がなぜこの自然な治療を可能にするのか。答えは簡単。注入治療は何かを無理やり引っ張ったり形を大きく変える治療ではないからです。注入治療は時間とともに変化してしまった骨や筋肉、脂肪を、そうなる前に戻すのが治療の原理であり、組織の配置や形が若い頃に戻ると結果的に見た目も若返るのです。顔をただ引っ張ったり切ったりするだけでは同じことは原理的にできません。

注入治療はリフトアップするのではなく、組織の構造を改善させていくと結果的にリフトアップされた顔になっていた、というのが正しい流れです。このことは意外と重要なので何度も言います。もちろん下手にすれば変な形になりますが、丁寧に正しく治療を行えば変な形にはなりません。

さて、本来持っている形にすることの自然と同時にもう一つも考えなくてはなりません。違和感がないことの自然です。

こちらの自然はちょっと複雑です。違和感がないと簡単に言いますが、違和感の原因が複数あります。一般的には形が変であることをその違和感の正体としますが、実はそれだけでは足りません。整理して考えてみましょう。

まず形が崩れてしまっている違和感、これはどうしようもありません。本来の顔の構造、元々の骨格からできる顔のラインや大きさなどから大きく外れてしまった形、これは明らかに治療の失敗です。ドクターは患者様の顔、骨格をもっと精密に分析し、かつ解剖学を含めて勉強しなくてはなりません。

次に、局所的に見ると問題ないのに顔全体を見るとなんとなくスッキリしない、という違和感。これはパーツ治療や部分的な治療に偏った結果、顔のバランスが崩れている状態。例えば法令線を完全に消したとしても額が痩せてシワがあったりフェイスラインにたるんだラインがあると違和感を感じます。法令線を完璧に消すほどにこの違和感は強くなります。

冷静に考えれば当たり前です。法令線を消したとするとその部分の見ため年令は20代になりますが、そのすぐ側に目を向けると40代の部分やラインが存在している、そんなことって自然にはありません。顔の中で年齢差がある、これも違和感の正体です。インスタなどで一部分を比較して綺麗になっているように見えても顔全体を見ると実はバランスが崩れているリスクがありますが、部分的な写真ではそこまでは分かりません。

この場所の年齢差、言い換えればバランスの崩れは顔の中だけで終わらず、体つきやファッション、行動、セリフ、などなど色々なものをそろえる必要もあります。顔だけが20歳若返った時にそのすぐ下の首に深いシワがあったり手が痩せてハリがなかったりするとやはりそれも違和感となります。若くなるということは顔だけの問題ではなくなってくるということ。身体も行動も頭の中も若返ると違和感が少なくなります。

それだけ気を使ってもまだ違和感のリスクがあります。それは変化のスピード。いくら仕上がりがナチュラルで形的にもバランスも違和感がないとしても、短期間で一気に若返ると周囲の人にちょっと違和感をもたれてしまうことがあります。それを解消するにはあえて時間をかけて治療をしていくのも方法の一つです。最初の自然の話にある通り、本人の若い顔に戻るだけであれば10歳程度若返っても意外と違和感はありませんが、仮にそれを半年とか1年かけて行うと変化のスピードに違和感を感じる人はまずいません。

また、60代なのに20代のようなシワの全くないボリューム感を持っていたらさすがにそれも違和感と感じることでしょう。この違和感は以前にブログで書いた社会的な違和感です。何も治療せずに60代でもシワ一つない顔を維持できる人、世の中には稀にそんな人もいますが本当に稀です。ほとんどの人は個人差はあれど老化現象という自然の摂理に逆らうことはできません。つまり、60代で20代の顔はあり得ない、あり得ないからこそ目の前にすると違和感として感じてしまうのです。

さらには表情の違和感も考えなくてはいけません。顔は笑ったりしゃべったりと常に動きます。じっとしていれば綺麗でも動き出した瞬間に違和感を覚えるようではダメです。ヒアルロン酸やボトックスは筋肉の動き、皮膚のシワにかなり影響を与えます。例えボトックスによってシワが薄くなったとしても効き目が強すぎると今度は表情が乏しくなり違和感が強くなります。

また、ヒアルロン酸が浅い層にたくさん入ってしまうと、表情を変えるときに常にヒアルロン酸の塊が一緒に動くため、これもまた違和感の強い顔となります。注入治療を行う時は常に表情に及ぼす影響を考えながら、より良い表情、明るく元気で優しく若々しい印象になるようにコントロールすることが大事です。

かなり長々と書きました。まとめると、ナチュラルビューティー、治療しても自然であることを目指すには、

・その人の本来の骨格に合わせた顔、輪郭に戻すこと(手を加えた自然)

・違和感のない状態にすること(形も表情も、変化のスピードも程度も)

この2点をきっちりと守り抜けば、治療しても違和感のない顔、つまりラベールの目指す『ナチュラルビューティー』が達成できると考えております。というか日々実感しております。

 

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