ヒアルロン酸注入はある程度修正や必要な部分を追加治療することで、必ずしも溶かさなくても整えられることを書きましたが、じゃあボトックスはどうなんでしょうか??
ボトックスは、一度効いてしまったらその効果を打ち消すような治療はありません。つまり、ヒアルロン酸を溶かすヒアルロニダーゼのような、「無かったことにする」ことはできませんので、一週間前に注射したボトックスで変な顔になったから戻したい、と相談に来られてもすぐに注射前に戻すことはできません。
細かいことを言えば一時的にボトックスの効果を打ち消すような薬もあるのですが、これはボトックスの効果を消しているのではなく、一時的に神経伝達を強くしているだけで、数時間と言われるその効果が切れるとまた元の状態、つまりボトックスが効いている状態に戻りますので、ボトックス注射の前の状態に戻るわけではありません。
ということで、まずはこれを覚えておいてください。
「ボトックスが効いてしまうとその効果をすぐに打ち消す治療法はない」
これは事実です。ただし、ボトックスで変な顔になってしまった人も悲観することはありません。ボトックスの効果は半年ほどで切れてきます。効果がなくなると原則としてボトックス注射前の顔に戻ります。(原則というのは、注射した部位や極端に逸脱した薬液量によっては完全に戻らない可能性もあるためです)
ボトックスの効果は半年だから、ボトックスはやり続けないとダメ。でも効果が半年だからこそ、万が一失敗しても待てば治療前に戻れるのです。この治療前の状態に戻れるというのは現代の美容医療において一つのキーワードになるかと思います。
ボトックスによって顔が変わってしまった場合、こんなの一日も我慢できないと思うことでしょう。しかし一生その状態になってしまうことを考えると、待てば戻れるというのは大きな希望になると思います。しかも半年も待つ必要はなくて、ボトックスの効果が弱まって筋肉が動き始める2〜3ヶ月ほど待てばだいぶ表情は改善されるはずです。もちろん注射した量にもよりますが。
そして次の方法として、ボトックス注射も部位や状況によっては修正法があることをお伝えしておきます。ただし状況はやや限られます。
例えば額のシワに対してボトックスを注射してもらったら上瞼が重くなり目が開け難いという場合、本当に必要な目の上のリフトアップ治療をヒアルロン酸で追加してあげることで症状は緩和でき、額のシワに対する本当の治療を行うことにもつながります。
また、眉や口角などに左右差が出てしまった場合、ボトックスの効き目が弱い方に追加で注射してあげることで左右差を改善することもできます。
全てのボトックス注射の修正ができるわけではありませんが、必要な治療を追加したりボトックスの効き目を微調整することで、変に感じる部分を少しでも緩和してあげたり改善することができます。症状が改善している間にボトックスの効果が切れてくれば無事に治療前の状態に戻れるというわけです。
ボトックス注射後の修正治療を行うためには施術するドクターがボトックス治療についての知識や経験をしっかりと持っている必要があります。結局はドクターの経験、勉強次第で色々なことができるということには変わりなく、もっと言えばそもそもボトックスで変な顔にならないように施術することが大事。最初からドクターがしっかりとした技術と知識を持っていればそのようなことも減るはずです。
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