たれ目院長ブログ ~施術後のアルコールで皮下出血~

唇

ヒアルロン酸注射の後に最も起こりやすい合併症は皮下出血。皮下出血が出ても機能的に問題はないですが、ひいてくるまでいわゆる青タンの状態となり、見た目的に気になってしまいます。そんな皮下出血を少しでも無くすべく技術の精度を高めて、特殊な針を使用するなどして工夫していますが、それだけ気を使っていても発生してしまうことがあります。

皮下出血は針を刺すことで細かい静脈が切れて出血して起こるものですが、その時の止血が十分でなかったりするとあとからでも起こってきます。問題は、止血が十分になされていても時間が経ってあとから発生する皮下出血。その原因としてよくあるのが当日のアルコール摂取です。飲酒により塞がりかけていた血管が開いて皮下出血となります。以前、当院のスタッフも注入した当日に飲んでいたらじわっと赤みが広がったことがありますし、私自身も少しぐらい大丈夫かと思って飲んでいたらそれまで問題なかった注射部位が段々と腫れてきたことがあります。注射当日は飲酒を控えるように説明していますが、患者様でもつい飲んでしまったら赤くなってきたという方もいて、やはり飲酒は施術後の皮下出血のリスクになると思いました。もちろん必ず発生するわけではなく、注射後に飲んだけど大丈夫だったという方もいます。

飲酒以外にも、血流が一時的に増加する運動や入浴などは、当日は控えてもらっています。注射の翌日以降は普通通りに過ごしても大丈夫で、もしその時に皮下出血があっても残念ながらそれをすぐに消すことはできないので、あとはひいてくるのを待つしかありません。できてしまった皮下出血は、今度は逆に温めることで早く吸収されると言いますが、それも10日かかるものが3日で消えるというほどの差はありません。

当院では皮下出血の発生に特に気を使っていて、できるだけゼロになるように技術を磨いて治療器具も取り寄せるなどしていますが、それでも発生をゼロにするのが難しい場所が口の周囲です。アゴや口の周囲は、減ったボリュームを補うためやほうれい線を消すために皮膚の浅い部分に注入したり、場合によっては唇に注入しますが、この場所は食べたり話す時に常に動く場所なのでそのたびに小さな血管が動いて止血しきれないと考えられます。

上の写真はほうれい線にヒアルロン酸を注入した2日後の状態ですが、施術した当日は全く皮下出血の気配はなく、翌日の日中も無かったのにその後になって発生しました。これだけ時間が経ってから発生するのは通常は考え難いですが、例えば切れた微小血管にヒアルロン酸が接していても注入直後のヒアルロン酸では体組織と違って圧迫止血とはならず、かつ絶えず動くことによって完全止血されずに微小な出血を繰り返していればこのようなことが起こるかもしれません。

注入後に口を動かさないようにするのはなかなか難しくて、どうしても話すとき、笑う時、食べる時、そうでなくても口は絶えず動いています。口を半日くらい動かさないようにというわけにもいかず、今のところこの口周囲の遅発性の皮下出血はたまに発生してしまいます。施術時に十分な時間圧迫して全く皮下出血が無くてもその後に起こってくることがあるため、やはり口を動かすことによる患部の組織のずれが大きいのだと考えています。

ヒアルロン酸の効果は素晴らしいもので、たるみの改善効果、表情の若返りはびっくるするほどで満足してくださってますが、少ないといってもこのような合併症は発生し得ることをよく説明しておかなければなりません。医師だって良い面だけを見ていたいし、やる前から合併症の話をするのは誰だって好きではありません。しかし、事前によく説明しておくことで発生しても過度に不安になることはありませんし、重要なことだと思います。当院では事前によく説明し、もしも皮下出血ができた場合には色々な肌色に対応できる医療処置後のコンシーラーを置いてあるので、ひいてくるまでそのコンシーラーか若しくは自分の持っているもので目立たないように対応してもらっています。

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ラベールミラクリニック

〒460-0008

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