ヒアルロン酸注入治療は手軽に若返るプチ整形として流行っていますが、実際に施術するドクターの方は患者さんほど気楽に治療しているわけではありません。たしかに手術に比べればはるかにリスクも少なく、短時間で効果的な若返り治療も可能です。しかし、自然で違和感のない状態に仕上げるにはドクターの技術とセンスが重要で、それに加えてヒアルロン酸は、血管内に入ると詰まってしまう重大な合併症を起こすこともあるため常に向上心を持って勉強しているかということも大事です。
アラガン社は日本で唯一の承認薬であるボトックスやヒアルロン酸を提供する会社で、ヒアルロン酸においては世界シェア1位です。そのアラガン社は自社の製品をより安全に広めたいとのことからセミナーを開催しています。今回は人の顔の解剖についてのセミナーで、外からは見えない深いところにある血管や神経、筋肉、脂肪の配置をわかりやすい形で勉強できるものでした。私は注入専門クリニックで治療するドクターとしては当然知っていること、普段気を付けていることでしたが、そのような慣れたドクターは再確認として、ビギナーのドクターはこれからしていく治療の知識を身につけるという意味で、それぞれが自分の必要なポイントを勉強できたと思います。
ヒアルロン酸治療をしていていつも感じることは、ヒアルロン酸の治療方法が本当に変わったなあということです。数年前までのヒアルロン酸注射と全然違って、少量で効果が出せること、かなり長期間持続すること、そして従来のヒアルロン酸ではできなかったたるみ治療ができること、これらは治療しながらもよく実感しています。美容医療の歴史において、安全性などがよく検証されずにシリコンなどの製剤が使われていた時期がありました。暗黒の歴史、負の遺産とも言えますが、それに比べると現在はしっかりと検証された製剤が出てきて、安全性においてはは飛躍的に向上しました。
今の時代に治療ができる、または自分自身も安心して治療を受けることができるのは幸運なことだと思います。シリコンが結局有害な物質だったことがわかり、その後コラーゲンによる治療に変わっていきましたが、コラーゲンはアレルギーの問題が克服できず、10年ほど前からアレルギーが少ないヒアルロン酸に代わってきて、そのヒアルロン酸も製剤の進化とともに治療方法が進化する、というように美容医療も日進月歩です。数年前の治療の効果や副作用は今でも同じとは限りません。
特にヒアルロン酸製剤の進歩は目覚ましく、今後もさらに高性能で持続期間の長いヒアルロン酸が出てきます。もしかするといずれヒアルロン酸に代わる新素材が開発されるかもしれませんが、しばらくはヒアルロン酸とともに美容医療、特に若返り治療、アンチエイジング治療は進んでいくことでしょう。これからの治療は、より安心、安全がテーマであり、ただ安いからとか、リスクのある素材を使うなど、例え効果が見込めても安全性に疑問のある治療は淘汰されていくのではないかと思います。
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ラベールミラクリニック
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