「私はヒアルロン酸が何本必要なの?」
これ、意外と難しい質問です。必要な本数は人によって異なり、もう一つ言えば同じ人であっても目指す治療度合い、若返りの程度、整えたいラインによってガラッと変わるからです。従ってあなたは何本です、と言うことは難しくて、あなたの場合10歳程度若くなるためにはだいたい10本くらい、でももしふっくらとしたラインとしたいのなら12本くらい必要ですよ、というような答えになります。
しかしこれもまた治療の目安であり、例えば10本ないと治療が完成しないという意味ではありません。5本あれば5本分の治療ができますし、逆に10本を超えてさらに整えるための治療ポイントは存在します。10本というのはあくまでその時に目指す治療の目安であり、技術的にはもっと上であることがほとんどです。ただし以前にも書いたように、技術の上限まで使うと顔は30歳前後まで若くすることもできますが、短期間でそこまで変化したり身体の他の部分が追いつかないと違和感が出ます。私のよく言う社会的な違和感も出てきます。
というわけで、治療による効果のイメージや治療度合いの差などを診察では時間をかけてお伝えするのですが、はっきり言って難しい作業です。患者様にとっても難しい話だと思いますが、治療方針を決定する上では大変重要で省くことはできないので、どうしても時間がかかります。納得して治療を受けていただきたいためです。
そこで、普段患者様に説明しているような例え話を使って説明してみます。イメージが伝わるといいです。
まず状況として、ラベールに来て顔を若く綺麗にしたいと言ってドクターからアセスメントをされたとします。そしてそのうちの何本すれば良いのか?、となった時の説明として。
①料理に例える場合
ヒアルロン酸何本入れたらいいの?、という質問は言い換えれば、私はご飯をどのくらい食べたらいいの?、どれくらい塩を入れたら良いの?、という風になります。答えは、標準的な量はありますが、たくさん食べたい人は大盛りにできます。ただしお腹いっぱいになり、ちょっとお腹膨らみますよ。または、薄味が好みであれば塩は少なく、濃い目が良ければ多めにしますが、多くすると次の日ちょっと浮腫みますよ。となります。つまり希望する治療程度によって量は変化し、丸みのあるラインにするためには必要量は多めになります。
②家作りに例える場合
ヒアルロン酸何本?という質問は、家を作るのに釘は何本?、柱は何本?、に似ています。当然建てたい家の大きさや形によります。大きい家を建てたい場合はたくさん必要ですが、その前に大事なのはお客様が建てたいのは大きい家なのか小さい家なのか、それを決めることから始まります。大きい家が必ずしも正解とは限りません。
③旅行に例える場合
旅行に行く場合はまずどこに行きたいのかを決めます。そして行き先が決まったらホテルのグレードやオプションを細かく決めていきますね。ヒアルロン酸注入治療の場合も同じです。ドクターは患者様の希望する方向や場所へお連れするツアーコンダクターのようなものです。希望するプランを作りますが、さすがに行き先も決めずにツアーを組むことはできませんから、まずは方向性、つまり若返りをしたいのか輪郭治療をしたいのか印象改善をしたいのか、それからその中でもどの程度の改善をしたいのか、ナチュラルな範囲でも全くバレない程度にしたいのか、そうは言ってもちょっと変化が見えるようにしたいのか…。と決めていくと自ずと必要量が決まっていきます。
実際にはもっと細かく丁寧に話をしますが、上記のような例え話で説明すると納得される方が多いです。当然時間がかかりますが、患者様が納得されるまでとことん説明します。それがラベールのこだわりポイントです。よくわかんないけど流れで施術してしまう、ということはありませんし、逆によくわからないからドクターにお任せ、と言われてもやはりとことん話し合います。
というのは、どんな方向性の治療をどの程度したいのかが患者様自身曖昧であったり、注入治療による変化を従来の治療イメージのままでいらっしゃる場合などがあるからです。骨格から矯正するこの新しい注入治療は従来の方法とはテクニックも変化も、それこそ治療概念からして異なります。従来のイメージでいると治療を正しく理解できないこともあります。
そもそもの話をしてしまうと、ヒアルロン酸は何本でも入れることができちゃいます。それこそ100本でも入れようと思えばできます。ただし、間違ったところに入れてしまうと当然変な顔になりますし、いくら正しいポイントであっても極端に多い量は顔のバランスを崩します。
そのため、目指したい方向性である程度の治療をした場合の目安が必要で、それがラベールで作る最初のアセスメントです。ご飯で例えたら大盛りでもなく少なめでもない、標準的な治療度合いに必要な量です。その量によるプランは、顔を極端に若くしたり丸くしたりはしません。ほとんどの人が見てやりすぎではなく、それでいて変化もちゃんと感じられる治療度です。
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