たれ目院長ブログ 〜ヒアルロン酸注入治療が向いているドクターのタイプは…〜

目の下にいつの間にか吹き出物のようなものができて、傷から瘡蓋になってきました。ここはMDコードで言う、CK3の刺入点になるので、ヒアルロン酸注入レクチャーの時に説明するのに使えるかなとか考えてました(笑)

ヒアルロン酸注入とボトックス注射を組み合わせた、注入治療専門クリニックであり、注入治療をレクチャーするインストラクターとしても動いています。アラガンジャパンなどの会社から依頼を受けることもあれば、直接クリニックに問い合わせてが来るなどしてプライベートセミナーを開催したりレクチャーしに行くこともあります。場所は東京、大阪に始まり、四国や九州、沖縄などあっちこっちに。

診療に忙しい中、患者様にはちょっとご迷惑をおかけしてしまいますが、この注入治療という、日本ではまだ若くて知られていないけれども今後のアンチエイジング治療の主役となり得る治療を正しく広めていくためにはこうした草の根的な活動が大切です。微力ながらその活動に貢献できることは医師としても非常にやりがいを感じます。

注入治療をレクチャーしていて感じるのは、ドクターと注入治療との相性です。注入治療の基本的な動作は注射なので、手技のレベルとしてはそれほど高いものではありません。心臓血管外科医のような10年以上修行してもまだ足りない、ということはなく、医師として基礎的な技術が備わっていれば、習得にはそれほど時間はかかりません。

大事なのはテクニック以外に、何をもってきれい、若い、美しいとするか。つまりアセスメントです。患者様の顔を若く、美しくしていく時に、治療するドクターの好みの顔にしてしまってはいけません。今は科学的かつ理論的に美の基準というものが解明されてきているので、それを正しく理解し、当てはめることで正しいアセスメントができます。極めようとすればセンスが必要となりますが、ある程度は訓練でいけます。

そして、アセスメントの他に必要なのが、治療の理解を高めること。それは自分の頭もそうですし、クリニックのスタッフ、さらには患者様の理解も高めていく努力が必要です。そもそもこの注入治療というのは過去の歴史から、非常にイメージが悪いものとなっており、それに誤解が重なって、ヒアルロン酸、ボトックスと聞くだけでもう嫌と言うようになってしまいます。

もちろん肝心のテクニックは当然大事です。せっかく患者様がきれいになりたいと思って良いアセスメントをしても、肝心のテクニックが足りないと内出血が大きく出てしまったり血流障害を引き起こすこともあります。

それらのことを考えると、細かいことに気を配り、丁寧な処置、操作が得意で、新しい治療を受け入れる柔軟さを持ったドクターがまず注入治療には向いています。その上で、自分の考えに固執し過ぎず素直にアドバイスを受け入れ、どこまでいっても基本動作を疎かにしない真面目さ、常に高みを目指そうとする勉強意欲、これらも備わっていると良いと思います。あとは患者様に丁寧にとことん説明できる意識、そしてリスクをとことん排除しようとするこだわり。

でもよく考えてみると、これって注入治療に限らずどんなジャンルでも良いドクターに求められることですね。うーむ、注入治療に向いているタイプを一言で表すとすれば、石橋を叩いて叩いて叩いて渡るような人でしょうか。

ヒアルロン酸注入治療は非常に効果が高くなっていますがその分リスクも上がっています。絶対に大丈夫な方法はありません。体に針を刺してヒアルロン酸を注入する以上、何かしらのリスクが必ずあります。ここまで気を付けたら大丈夫というラインはありません。絶対大丈夫と思える状況であっても、その安全性を疑い、本当に安全か、よりリスクを減らすことはできないか、と考えながら実践できる、そこに異常なまでにこだわれるドクターは向いているタイプと言えるかもしれません。

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