小顔ボトックス、エラボトックス、咬筋ボトックス、色々な呼び方がありますが、治療も目的も全部同じで、フェイスラインを四角く、かつ大きく見せてしまう咬筋の肥大を、ボツリヌス製剤を注射して抑えることで下顔面の幅を細く、フェイスラインをシャープにしていきます。つまり小顔にします。
フェイスラインと言っても咬筋が影響するのはエラの部分、上のイラストでいうと赤いラインの部分です。このラインは、主に3つの原因が重なって崩れてきます。その原因とはたるみ、肥大した咬筋、下垂した脂肪です。それぞれで必要な治療があり、たるみに対してはヒアルロン酸でリフトアップ、脂肪は縮める治療としてダブロ(HIFU)を複数回行うと改善してきます。ただし、膨らんだ筋肉を縮めるのはボトックスしかできません。正確に言えばボツリヌス製剤ですが。
ボトックスは筋肉を動かす神経に作用し、筋肉の動きを弱めます。動きの弱まった筋肉は細く、小さくなっていきます。それが小顔ボトックス(エラボトックス)の仕組みで、仕組み自体は非常にシンプルです。ただし、問題はただボトックスをうてばいいんでしょ、的に治療しているクリニックが多いこと。
人の顔は年齢とともにボリュームロスが起こり、頬がこけていきます。または若い人であっても痩せ顔であったり元々こけている場合もあります。頬がこけていても、エラが張っている人は筋肉の膨らみがあるためこけているのが見えません。その状態で小顔になるからとボトックスを咬筋に注射すると、今まで頬のコケを目立たないようにしていた筋肉の膨らみがなくなるため、頬のコケがちゃんと見えてきます。
つまり、ボトックスによって頬がコケるのではなく、正確に言えば元々あるコケが見えてくるのです。でもそのことをちゃんと説明しないと、そんなことになるとは知らない患者様は、「ボトックスで頬がけこたからもうボトックスはやりたくない。ボトックスは怖い。」という様になっていきます。
ではその頬コケはどうすればよいか。それにはヒアルロン酸注入でボリュームロスを補いながらリフトアップし、フェイスラインを整えることできれいになってきます。それができることを患者様にしっかりと伝えておかなくてはいけません。いえ、もっと言えば小顔にしたいならエラボトックスをして終わりとするのではなく、エラボトックスと一緒にフェイスラインを整えるヒアルロン酸治療、引き締めて小顔効果を発揮するHIFU治療までの一連の治療をまとめて「小顔治療」とするべきと言えます。
さらに、咬筋を縮めるべきかどうかもよく考えなくてはなりません。フェイスラインをシャープにして小顔にしたい場合、一般的にはエラボトックスをします。というのは、咬筋が大きくなると顔を四角い輪郭にしてしまうからで、美の基準となるオーバル(楕円形)のフェイスラインにするためにはやはり咬筋の張り出しは少ない方が良いのです。
ただし、咬筋肥大があってもフェイスラインにあまり影響しない場合や人によっては丸顔になりたい場合もあり、あえてエラボトックスをしないこともあります。それから、顔の輪郭の膨らみが筋肉ではなくて骨格に原因がある場合はいくらボトックスをしても小顔にはなりません。
まとめますと、
エラボトックスで頬がコケるのではなくて、実は元々頬がコケていた!
エラボトックスだけでなく、コケを改善しながらリフトアップするヒアルロン酸治療、脂肪を焼き縮めてフェイスラインを引き締めるダブロ(HIFU)までの治療を含めて「小顔治療」、「輪郭治療」と考えるべきである!
と、こういうことを一生懸命説明していると、カウンセリングも診察もあっという間に1時間経っちゃたりします。でもいいんです。うちはうちですから。
関連記事
フェイスラインの崩れる原因は3つ
今度こそ、小顔ボトックスは長持ち、の仕組み
この記事へのコメントはありません。