美容医療とヒアルロン酸注入のリアル:クマ、鼻、若返りの疑問に答えます

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今回は、まず少し私の近況からお話しさせてください。プライベートな近況として、最近、先輩に高級車に乗せてもらう機会がありました。運転もさせてもらったのですが、やはりめちゃくちゃ気持ちいい車で、走りも良く、スピードも出ます。そうすると、やはり心が掻き乱されるんですよね。その車に乗った後、しばらく夜な夜なカーセンサーやグーネットで車をチェックしていました。

 

数千万円もする車を自分に乗りこなせるのか、ふさわしいのか、また、車を停めておいた時に不安にならないかなど、色々と悩んでしまいます。今私が普段乗っているのは、ミニのマニュアル車なんですが、このミニのマニュアル車が楽しくて、見た目も内装も可愛くて好きで乗っているのですが、「好きで乗るのが一番なのかな」と最終的に行き着きました。

 

この「身の丈に合っている」という感覚は非常に重要だと感じています。どんなに素晴らしい車でも、自分に合わないと感じてしまうと、結局は長く続けられないものです。これは美容医療にも同じことが言えると思っています。

 

「この治療がいいから受ける」というよりも、「この治療が自分に合っていて、自分が好きだから受ける」という選び方が良いのではないでしょうか。良いと思ってどんどん受け続けていると、自分にとっては良いと思っていても、エキセントリックな方向に行ってしまうことも治療や車にはあるからです。

 

私たち医師は、常に「今目の前でやるべき治療、必要な治療が、自分の技術や知識でできるのか」を考えています。自分の技術よりもオーバーな治療をしようとすると、うまくいかずに患者様が不幸になるため、そのような治療は行いません。自分の技術の範囲内のことしかやらないよう徹底されています。もしそれ以上のことが必要であれば、それができるドクターに依頼したり、任せたりします。

 

このように、自己評価を客観的かつ正確に行う能力は、医師にとって必要不可欠な技術として叩き込まれています。この感覚が染みついているため、私生活でも「これは私の経済力や精神力では賄えない」と考えてしまうことがあります。この感覚がずれていると、自分の技術的は90点だと思っていても実際は70点だったり、その逆だったりすることで、治療がうまくいかないこともあります。常に自分の技術限界を評価し、それをほんの少し上回ることを様々なサポートを得ながら行っていくことで、医師として成長していくのです。

 

もちろん、新たな世界を知ることは、考え方の幅を広げてくれる素晴らしい経験でもあります。

 

さて、ここからは皆様からいただいた美容医療に関するご質問に、一つずつお答えしていきます。

 

Q1:目の下のクマにヒアルロン酸を注入するとチンダル現象が起こると聞きました。ヒアルロン酸注入と脂肪注入、どちらが適していますか?

 

チンダル現象が起きるかどうかは、入れ方次第です。起きるような入れ方をすれば起きますし、起きないように入れれば起きません。物理的に考えて、大量に皮下に注入しない、皮膚が透けるような場所に大量に入れないなどの工夫が必要です。

ヒアルロン酸以外に脂肪注入を使うことも、チンダル現象が起きないようにする方法の一つではあります。しかし、ヒアルロン酸と脂肪注入では性質が全く異なります。家で例えるなら、木造と鉄骨の違いのようなものです。見た目は似ていても、作り方、構造、メンテナンス方法、得意分野、性質が全く違うため、どちらも良い治療ですが、それぞれ適切な使い方を理解して使い分ける必要があります。

ヒアルロン酸は透明のゼリーなので、特定の条件下ではチンダル現象が起こりやすい特性があります。そのため、ヒアルロン酸がダメなのではなく、チンダル現象が起きないような条件で注入することが重要です。

 

目の下のクマの治療について、さらに詳しく説明します。

目の下のクマは、下まぶたの2段目のラインとして現れます。上からたるみがあり、下に引っ張られて、その部分に痩せがあるとくぼみができ、さらに脂肪が飛び出してくることで、くぼみと飛び出る脂肪の段差が深くなり、クマが目立つようになります。

この原因を解決するには、リフトアップでたるみを戻し、くぼんだ部分にヒアルロン酸などの注入物を置いて形を戻し、飛び出た脂肪を処理することで、クマのない状態に戻していきます。

この過程で、ヒアルロン酸注入で直せる部分もありますし、脂肪注入で代替することも可能です。脂肪注入の後にヒアルロン酸で微調整することも問題ありません。ただし、無理やり何か別の治療で補おうとするとうまくいかないことが多いので、原因を見極めることが大切です。

 

Q2:混合肌で頬の毛穴がぱっくり開いてオレンジスキン気味です。ベストな治療は何でしょう?

 

まず、「オレンジスキン」という状態が医学的に共通の表現ではないため、どのような状態か判断が難しいです。赤みが全体に出ている肌や血管拡張しているような肌であれば想像できますが、オレンジスキンという表現だけでは分かりかねます。

そのため、まずは実際に拝見しないと分かりません。一般的には、皮脂が多くて肌のざらつきや赤みがある場合は、まず皮膚そのものの皮脂をコントロールし、赤みを取っていく必要があります。皮膚の状態を見極め、その皮膚にとって必要な治療をし、炎症が起きにくいような強い肌にしてから次の治療を考えていくのが良いでしょう。

この情報だけでは判断が難しいため、まずは皮膚科専門の先生に状況を診てもらい、最適な治療を見極めることをお勧めします。

 

Q3:上まぶたのくぼみ(コケ感)へのヒアルロン酸注入は危険ですか?

 

上まぶたのくぼみへのヒアルロン酸治療は、ある程度は可能です。人によっては脂肪が減ってくぼんでいき、それが疲れて見えたり眠たそうに見えたりすることがあります。このくぼみを単純に埋めることで、元気な印象になることもあります。

ただし、やりすぎると、目が厚ぼったく見えたり、被さって見えたりすることがあります。また、皮膚がくぼみによって巻き取られていた場合、注入で押し出されると余った皮膚が二重に被さってくるため、二重の幅が狭くなる可能性も物理的に起こり得ます。そのため、治療は単純ではなく、様々なことを考慮して進める必要があります。

 

危険性についてですが、上まぶたへのヒアルロン酸注入は、体内の解剖や注入の目的、そして注入テクニックに関する知識や技術を備えた医師にとっては、そこまで危険ではありません。しかし、そのテクニックや知識が不足している医師が行う場合は、やはり危険が伴います。

血管に当たると出血し、目の奥で出血すると非常に危険です。また、その奥のスペースの形状を理解し、正確に針を進められるかどうかも重要な要素です。確かに危険性は存在するため、安易に行うべきではありません。

 

Q4:40歳の人がヒアルロン酸で10歳若返るには、何本くらい必要ですか?

 

これは、顔の痩せ方や骨格、バランスなど、非常に多くの条件によって異なります。

しかし、「非常にざっくりとした平均的な目安」としてお伝えすると、一般的な体格、平均的な痩せ具合で、顔の形やバランスも平均的な40歳女性が30歳に見えることを目指す場合、ヒアルロン酸が約20~30cc(30本前後)必要になることが多いでしょう。

 

ヒアルロン酸30ccと聞くと非常に多い量に感じるかもしれませんが、実は意外と少ないものです。例えば、330mlのペットボトルと比較すると、キャップからボトルネックまでの量がおおよそ30cc程度です。実際に手に取ってみると、その量の少なさに驚くかもしれません。

このたった30ccで顔が10歳若返るとは、まさに技術の集大成です。ただ注入するだけでは30歳にはなれませんが、正しい理論に基づき、適切に注入することで、その若返りを実現できるのです。

 

ただし、前述の通り、条件によって必要量は大きく変わります。

非常に痩せている方や、骨格的にくぼみが多い方は、30~50cc必要になることもあります(一度に行うという意味ではなく、最終的にそれくらいの量が必要になるケースがあるということです)。

逆に、元々若く見える傾向にある、少しふっくらとした方や、骨格的な条件が良い方(例えば頬が大きく、そこにボリュームが乗っている方など)は、見た目年齢を数歳若返らせるだけで良いため、10~15cc程度で済むこともあります。

 

ただし、極端に100cc(100本)も必要になることはないと考えています。100cc使ってまで30歳に戻そうとするのは、現実的ではありません。

 

Q5:鼻先の高さを出すために、鼻先の血管の少ない部分にヒアルロン酸を注入している症例を見たことがあります。先生のクリニックでも同じ方法ですか?

 

当院では、鼻先へのヒアルロン酸注入は原則として行いません。

血管がないわけではありませんが、鼻先の血管は非常に細いのです。心臓から出た太い血管が枝分かれを繰り返して、最終的に最も細くなる部分が鼻先にあたります。

そこにヒアルロン酸を注入し、万が一血管を圧迫してしまったり、血流を悪くしてしまったりした場合、細い血管では血流障害が起こりやすいリスクがあるためです。

 

では、どのように鼻を高くするのかというと、鼻の根元(付け根)にヒアルロン酸を置いて、土台からグッと前に押し出すようなイメージで鼻先を高くしていきます。また、鼻は年齢とともに広がる傾向があるため、広がりを防ぐために、ボトックスなどを併用しながら鼻を内側に引き締め、鼻先がキュッと見えるように調整しつつ、鼻筋全体を整えていきます。

ごく稀に、鼻の角度を出すためにごく微量(0.01cc、0.02ccといった単位)のヒアルロン酸を鼻先に使うことはありますが、これは一般的に注入と呼べるほどの量ではありません。そのため、原則として鼻先にはヒアルロン酸を注入しないと考えてください。リスクと目的を考慮した上で、この方針を取っています。

 

Q6:ヒアルロン酸で何歳くらい若返ることができますか?

 

これも条件によりますが、非常にざっくりと考えるなら、大体10歳から20歳くらいの若返りは可能です。

例えば、40歳の方が25歳くらいのお顔に戻ることも可能ですし、50歳以上の方でも、治療によってマイナス20歳程度の若返りは実感できることが多いです。ヒアルロン酸単独で20歳の若返りが可能な方もいれば、オペや糸、他の美容機器などの治療を組み合わせることで達成できる場合もあります。

 

ただし、20歳以上の若返りを目指す場合は、ヒアルロン酸だけでは難しいことが多いです。ヒアルロン酸のみでそれ以上の若返りを目指すと、無理が生じて顔の歪みやバランスの悪さが出ることがあります。その歪みを受け入れてでも、というのであれば不可能ではありませんが、純粋に自然な若返りを追求するなら、何らかのオペが必要になることが多いと考えてください。

 

年齢層によっても異なります。

30歳の方が10歳になる、というのは物理的に不可能です。30歳の方が若返りを目指すなら、20歳に近づくようなイメージです。

80歳の方が50歳になる、といった大幅な若返りをヒアルロン酸だけで達成するのは難しいことが多いです。

 

最終的には個人差や骨格にもよりますが、ヒアルロン酸単独で目指せる若返りは、概ねマイナス20歳程度が目安と捉えていただけると良いでしょう。

 

最後に

顔の面白い変化についてお話しさせてください。

加齢とともに、人は自分の顔が大きく感じられるようになります。鼻は物理的に大きくなり、特に幅が広がっていく傾向があります。しかし、顔全体は、実は骨格的には小さくなっているのです。信じられないかもしれませんが、骨格は小さくなっているのに、見た目としては顔が大きく見える、という面白い変化が起こります。

 

若返り治療は、この逆の現象を起こします。ヒアルロン酸などの注入物によって骨格の上にボリュームが加わるため、物理的には骨格が大きくなります。しかし、皮膚の緩みが引き締まり、上に上がっていくことで、結果的に顔は小さく見えるようになるのです。この複雑さと面白さが、美容医療の奥深いところだと感じています。

 

今回は、ヒアルロン酸注入や若返りに関する様々なご質問にお答えしましたが、今後も皆様の美容に関する疑問にお答えできるようなテーマで発信していきたいと思います。

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