美容クリニックに来られる方、必ずしもガツっと若返りたいとか美しくなりたいという相談ばかりではありません。そんなに変わらなくていいけど今よりちょっとだけ若くなりたい、元気な表情になりたい、あるいは顔の微妙な左右差を改善したい、頬にあるほんのわずかな凹みが気になる、などなど、他人から見て全然気付かなくても自分だけは気になる部分の相談もよくあります。
こういったちょっとした症状をちょっとした治療で改善させる、微調整する時に、オペや糸などの大きな施術ではちょっと難しい。医療による治療の効果というのはかなり高いので、言い換えれば変化が大きいということになります。そこがエステや美容ビジネスとの違いではありますが、その反面、ちょっとだけ変化させる、微妙に整える、という変化を抑えて治療の程度をコントロールするのは案外できません。
私がヒアルロン酸治療に感じている魅力の一つが、治療の程度や変化の大きさを無段階で調節できること。つまり、誰が見てもわかるぐらいガツっと若返らせることもできるけど、誰が見てもわからないくらいの若返りもできるし、本人しか気付かないようなほんのわずかな左右差、凹みなども微調整して整えることができるのです。
そこまで幅が広い治療はおそらく注入治療しかないのでは、と思っています。目の下のほんのわずかなクマをちょっと薄くしたい、という時にオペでは大掛かりになりすぎるし、治療後に思った以上に形が変わってしまったり左右差が出たりするリスクもあります。ヒアルロン酸であればそのほんのわずかな改善を実現できます。
はたまた、笑った時に片側だけにできるほんのわずかな皮膚の窪み、額の形のちょっとした歪みや左右差、いずれも気にしないでいいじゃんと言われればそうだけど、毎日見てるとやっぱり気にはなる…、そのような場合に、0.01cc単位で厳密に形や大きさをコントロールできる、しかもそれぞれの場所に必要な弾力を選びながら。
こんなことができる治療はなかなかありません。
ヒアルロン酸は単なるゼリーみたいなものなので、入れたら入れた分のボリュームができ、それ以上の変化はしません(コラーゲンを増やすとかの話は別として)。最近では線維芽細胞を刺激する成分を含んだ糸やヒアルロン酸、コラーゲン、または成長因子を添加したPRP、などなど二次的な効果を持っている治療が流行ったりもして、ヒアルロン酸はただ形を変えるだけ、治療として古いなどとされることもありますが、治療後に時間が経ってから形が変わらないというのは実は大きなメリットであると私は考えています。
ヒアルロン酸は注入した分量だけの形を作り、入れた量以上に大きくはなりません。これをコスパが悪いとみるか、形が変わらないからこそ良いと考えるかはドクターがどれだけ精密な治療をできるかにもよります。
脂肪注入は生着すると長く存在するためにコスパは良いですが、約2/3は吸収されることを見越して注入しておく必要があり、厳密に大きさや形を微調整することは難しい治療。ましてやほんのわずかな凹みやラインの乱れに0.1ccだけ注入してピッタリそろえるという目的には向いていません。
PRPはそもそも形を大きく作り治療ではありませんし、成長因子を添加した場合には膨らみ過ぎるリスクが出てきます。治療の性質上、精密に大きさをそろえることやわずかな形の微調整にはやはり向いていません。
その他の治療や治療器、オペも同じような感じで、0.1ccで微調整できる治療は私の知る限りはヒアルロン酸以外に向いているのはないかと。これ、ご意見あればメッセージ等ください。
ただし、勘違いしないでください。脂肪注入やPRP、糸、オペなどを否定しているわけではありません。あくまで治療の特徴、得意分野についての話です。ヒアルロン酸注入はまだあまり知られていないだけで、皆さんの想像以上に奥深く、幅が広い治療が可能。思いっきり若返ったり綺麗になるだけでなく、気付くか気付かないかくらいの症状や治療にもできてしまうのが最新のヒアルロン酸注入治療です。これ知ってしまうと面白いですよ。
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