たれ目院長ブログ 〜注入治療直後は良かったのにその後シワやたるみが出てくることもある原因とは。〜

注入治療はダウンタイムや負担が少ないとはいえ針を顔に刺していきますので、その刺激によって多少の腫れや浮腫みが出てしまうこともあります。程度は人によります。全然なんともない人もいれば、ちょっとした腫れ浮腫みが出てそれが数日かけてひいてくる、というような人もいます。ただ、そういった症状が出ても一時的なので改善しますし、腫れたと言っても顔が変わってしまって出歩けないほどの腫れ方は原則しません。

その一時的な症状とは逆に、注入治療直後は問題なく綺麗だったのに時間が経つとシワやたるみが出てくる場合があります。これも注入治療の仕組みを考えれば自然の流れなのですが、患者様にとっては驚かれることとなりますので、ここでちょっとまとめてみたいと思います。

1.ヒアルロン酸注入直後は良かったのにその後たるみが出てくる場合

注入直後はリフトアップされた感じが良かったのに1週間もしたらたるんできちゃった、ヒアルロン酸がなくなっちゃった、と心配になる方がたまにいらっしゃいますが、これは注入直後の腫れが引いたから。針を刺す分の腫れが出るとさっき書いたように、いくらダウンタイム少ない注入治療といえど多少の腫れは出ることあります。その腫れはある意味ボリュームロスを補うため、注入したヒアルロン酸量以上にボリュームロスを改善する、つまり治療効果が高くなってより若返るのです。

でもその腫れは一時的で、時間とともに腫れは引くのですが、そうすると急速にボリュームが減るためにたるみが出たように見えます。とは言ってもヒアルロン酸がなくなるわけではないので、ちゃんと治療した後の状態、ある程度リフトアップされた状態に落ち着くだけなのですが、腫れによって一旦狙ったライン以上に若返ってからだと本人にとってはたるんじゃった、ヒアルロン酸無くなった?、となるわけです。

注入治療は、注入されたヒアルロン酸量によっても効果が変わります。目的とするリフトアップ以上に腫れが出ると患者様は腫れたとびっくりされますが落ち着くとちょうど良い大きさになります。それとは別でまだ治療途中なのに腫れたことによってちょうど良い大きさまで膨らんだ後に腫れが引くとたるみが出てきたように感じる、その違いです。でもそれはたるみが出たわけではなくてまだ治療の途中の段階ということですね。

2.ヒアルロン酸注入直後はシワがなかったのに数日でシワが出てきた場合。

これはまずは腫れの影響があります.注入直後は多少の腫れが出ることがあるのはもうすでに説明の通りで、その腫れは一時的にボリュームロスを補うため、注入されたヒアルロン酸量以上にリフトアップさせますが、同時に肌にも張りが出ますのでシワが伸びます.ただしこれも一時的です.数日経って腫れが引いてくると同時にその分のシワが出てきます.

正確に言えば治療後の状態に落ち着くので、決して治療前よりたるんだりシワが増えているわけではないのですが、一度シワが伸びたのを見てからだとやはり患者様は「治療直後は良かったのにその後シワが出てきた。」となるのです。

もう一つ、ヒアルロン酸注入をする時に麻酔注射をします。麻酔をするということは筋肉が一時的に少し麻痺します。筋肉が麻痺するということは動かなくなる、つまりボトックスが効いている状態と同じになるのです! ボトックスが効いている状態ということはシワが伸びた状態となります。

この一時的なボトックスのような効果はもちろん麻酔が効いている間だけなので長続きしません。時間にして2〜3時間程度で、麻酔効果が切れてくると同時にボトックス様効果もなくなり、結果としてシワが出てきたように見えるのです。しかしもうおわかりのように、これは注入治療によってシワが出てきたのではなく、麻酔が切れてきて本来の治療効果に落ち着いたというのが正確な表現です。本来の治療効果状態でもシワが多い場合は、まだ治療途中であるということです。ヒアルロン酸注入を追加したり本当のボトックス注射を加える必要があります。

局所麻酔による一時的なボトックス様効果が出やすいのは、当院では額と眉間です。他の部位は広範囲に麻酔を使うことはなく、カニューレの針穴や限局的に麻酔を使いますが、額へのヒアルロン酸注入を行う時はさすがに痛いため、額全体に麻酔が効く「ブロック麻酔」というテクニックを使います。そうすると眉間から額まで広範囲に麻酔が効くので痛みなく施術を受けられるのですが、同時に額と眉間の筋肉が弛緩し、シワが薄くなります。

すると、注入直後は額がツルッとして治療効果以上に綺麗になるのですが、数時間すると麻酔が切れて額や眉間にシワが戻ってきます。当院では患者様にそういった治療後の経過もお話してびっくりされないように配慮しています。逆にボトックスが怖いという人には、擬似的にボトックスが効いた状態となるので、ボトックスがそんなに怖いものではないことを理解してもらえるチャンスでもあるかと思っています。

3.エラボトックス

エラボトックスとよく呼ばれる治療は、肥大した咬筋に対してボトックス注射をすることで咬筋を必要な大きさまで縮めることで顔のエラとなる部分を小さくし、結果として小顔になる治療です。この治療は丁寧に行えば若返り治療、輪郭治療に必要で良い治療となるのですが、下手に行うと良い結果となりません。

このブログでも時々書いてますが、咬筋が大きく膨らんでいると確かに顔のラインを大きく、四角くしてしまうので邪魔な膨らみとなります。しかしこの膨らみは頬の痩せ、コケに対してそれが目立たないようにしている効果もあるため、無闇にエラボトックスだけをすると筋肉が縮むと同時に頬の痩せが見えてきて、それによる頬のたるみが現れてきます。このたるみは元々あったたるみで、咬筋の膨らみで目立たなかっただけなので、エラボトックスによってたるんだのではなく、正確にはたるみが見えてきたのです。

若い方で頬の痩せ、それによるたるみがほとんどない場合はエラボトックスだけをしてもたるみが現れることはありません。(厳密に言えば膨らみが減った分、少しはたるみが出ているはずですがまだ少ないので目立ちません。)しかし頬の痩せがある程度ある人はエラボトックスをしっかり行えば必ず頬の痩せが表面化し、たるみが現れてきます。

エラボトックスは顔がコケて逆に老けて見えるからもう二度とやりたくない、という患者様にけっこうよくお会いします。しかしそれはボトックスが悪いわけではなくて治療が足りないのです。問題はその説明が足りていなかったり、そもそもドクターがそういったことをあまり考えずにただ単に注射をうっている場合があるということ。

本音を言えばドクターは勉強をし、エラボトックスと同時にヒアルロン酸注入を行わないと治療として未完成でバランスが崩れる可能性があることを理解して患者様に説明して欲しいなと思います。忙しくてそんな時間が無い、というのは本末転倒で本来の医療からは外れてしまってると思います。医療の本質とは適切な治療を行うことで、ボトックスをうって欲しいと言われたからうつ、ただそれだけというのはちょっと寂しいなと感じます。

話を戻すと、エラボトックスによって小顔になると同時に頬のたるみが現れる、これが第3のパターンです。ボトックスの効果は数日かけて発現してきますから、シワ伸ばし目的にボトックス注射をすると実際にシワが伸びてくるのは約1週間後です。エラボトックスの場合はさらに筋肉が縮んでくるのを待つので効果が出てくるのは注射してから約4週間後です。

つまり、エラボトックスをした直後は特に変化はないのですが、3〜4週間して咬筋が縮んでくると頬の痩せが表面化してたるみが現れ、患者様にとっては治療によってたるんでしまったとなるのです。せっかく治療効果が現れているのに変なことになっちゃった、というお互いにとって悲しい結果となるのを避けるためにはちゃんと治療の目的や意味、治療することによってどうなるのかという経過やその後に必要となる治療などをしっかりと説明しておくことが大事です。

ただし、極端に多い量のボトックスを注射することやエラボトックスのみを盲目的に繰り返すのはダメです。ガッツリと小顔にするために極端に強くボトックスを注射すると、咬筋はペシャンコになってしまい、かなり頬の痩せが強くなったり噛む動作に支障が出たりすることもあります。さらに咬筋の膨らみが戻りにくくなったり、代償的にもう一つの噛む筋肉である側頭筋が大きく膨らんでしまうこともあります。

しかしその状態は正しい治療の流れではないので、丁寧にちゃんとした治療を行なっているクリニックにかかっていれば避けられると思います。もちろん当院ではただ単にボトックスを注射することはなく、適切なタイミングで適正な治療が行えるように、どのドクターであっても均一で高いレベルの治療が行えるようにしています。ご安心ください。

さて、細かいことはいろいろありますが、「注入治療直後は良かったのにその後シワやたるみが出てきちゃう」場合を3パターンに分けてまとめてみました。参考にしてください。

 

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