たれ目院長ブログ 〜成長因子を加えたPRP治療の難しさ、ヒアルロン酸注入との違い〜

最近、PRP治療後の患者様の悩み、相談が増えています。PRP治療自体は以前から広く行われていて、美容医療からスポーツ選手の治療など幅広くあります。美容医療においては血小板のもつ成長因子作用で細胞を活性化し、コラーゲンや皮膚の細胞を増やすことで肌のハリを出し、美肌、若返り効果を得るものですが、血小板のみのPRPではその効果はあまり強くないため、成長因子を加えて注射する手法が以前からよく行われていました。

ただ、成長因子を追加したPRPは細胞が増えすぎてしまい、思ったよりも大きく膨らみすぎてしまうことがあり、学会等でも議論されてきたようです。この問題はけっこう前にわかってきてたので注意して施術されていたと思われていましたが、最近になってまた明らかに膨らみ過ぎた患者様の相談が増えてきました。

話を聞くと特定のクリニックで行うPRP治療の話が出てきます。施術する部位としては額やこめかみ、目の下、頬、法令線、といったようにヒアルロン酸注入部位とほぼ重なります。そりゃそうですね、両方ともボリュームロスに対する治療であり、目的が重なるためです。

PRPとヒアルロン酸注入で大きく異なるのは可逆性、つまり治療前の状態に戻せるかどうか。

他にも細かく形や大きさを調節できるかの違いはありますが、最大の差は元に戻せるかどうかで、ヒアルロン酸はヒアルロニダーゼ注射によって溶解することができるのに対し、PRP治療後の膨らみは増殖した自分の細胞のため、膨らみを減らすことが難しいのです。

美容外科ドクターと色々な経験や情報交換する場合にこのPRP治療の問題は話題に出てきます。治療についてすぐ出てくるのがケナコルトという薬で、瘢痕化した組織などに注射してしこりを小さくするのによく使われます。しかし広範囲に膨らんだ部位全体にケナコルトを注射するのはリスクもあって難しく、かつケナコルトで治療してもなかなか小さくならない、小さくなってもまた膨らんできた、などといった意見も聞かれ、思い通りにはいかないようです。

オペで除去する方法もないことはないですが、部位によってはかなり大きな手術になる上に皮膚が分厚くなっていたりしこりがうまく除去できない形になっている場合など、現実的にはそこまでして除去することはほとんどされていない様子です。

誤解のないように言っておくと、単なるPRP治療ではそこまでのトラブルは聞きません。成長因子を加えたPRP治療の一部でそのような問題が発生しているようです。成長因子が悪いわけではなく程度の問題で、成長因子を上手に加えてコントロールされているクリニックも多くあると思いますし、逆に成長因子は一切加えないと決めてPRP治療を行なっているクリニックもあり、そこは治療するドクターの考えによります。

治療というのは全てにおいてリスクは存在し、全くリスクのない治療というものは存在しないのが医療における原則ですが、リスクの差はあります。

成長因子を加えたPRP治療には、単純なPRP治療に比べると組織が大きくなりやすいというメリットと同時にリスクがあることを理解し、よくドクターと相談した上で治療を受けるべきかと考えます。治療を後悔している患者様の話をよく聞いてみると、あまり深く考えずに治療を受けてしまったりそもそも詳しい説明がなかった場合もあります。

相談に来られた患者様をなんとか治療してあげたいと思うのですが、今のところ成長因子入りのPRPで膨らみ過ぎた部分を綺麗に縮小させるのに有効な手段がありません。ヒアルロン酸であれば溶かすことができるのに、とよく思います。せめてできることと言えば他の部位を治療して顔全体を綺麗にバランスよくしてあげることで、膨らみ過ぎた部分を目立たないようにしてあげることだけです。

私自身はPRP治療を否定するつもりは一切なく、PRPの仕組みを考えるとむしろ良い治療になると思っています。特に局所的に真皮層のコラーゲン産生が必要な症状の話になった時、治療として患者様に提案することもあります。当院ではできませんので他院での治療になりますが。

一度治療すると効果が半永久的に続く、と聞くと夢のような治療でコスパも良いし魅力的なのはよくわかります。しかし治療にはリスクがつきもので、そのリスクや合併症に対してもリカバーできる手段があることは見落としがちですが大事なことです。

ヒアルロン酸は以前に比べると格段に長期間持続するようになりましたが、徐々に吸収されていきます。これは一見コスパが悪いように見えますが私は決してそうではないと考えています。数年かけて徐々に吸収されるということはヒアルロン酸もある意味一緒に歳をとっていくわけで、治療後の時間経過による違和感が出難いというメリットにつながります。

また、もしも治療前の状態に戻したいとなったらヒアルロニダーゼという溶解注射があることもメリットです。成長因子を加えたPRPもヒアルロン酸も、どちらも上手くいけば元に戻すことは考えないので、戻す方法があっても意味がないようにも見えますがそれは違います。いざという時に対処できる手段があるかどうか、例え使うことはなかったとしても、元に戻す方法があるというだけで得られる安心感というのは大きいと思います。

 

そしていざ問題が起きてしまった時に対処法が無いとなると、患者様は初めてそこで後悔し、治療も何もしてあげられないドクターは無力感を感じ、皆が悲しい思いをしてしまいます。美容医療は上手に行うと人を幸せにするものと私は考えています。効果も高い治療がそろってきてますが逆にリスクも高いものもあり、全ての人が美容医療と楽しくかつ安全に付き合っていけたら良いなと思います。

(上の写真はヒアルロン酸注入による変化です。多分失敗はしてないと思いますが…笑)

 

 

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