たれ目院長ブログ ~ヒアルロン酸で大失敗!~

院長

日々ヒアルロン酸治療をしていて、もっとこうしたら良くなるんじゃないのかな、と思うことがあります。ただ、そう思っても実際にそれを試すようなことはありません。そんな人体実験みたいな治療を行うなんてあり得ないですから。

ただ最近、目の周りのシワについて注入法を変えてみたらきれいになるのでは、もっと注入量を増やしてみたら、と考えていてことがあって、それを自分の顔を使って行ってみました。長いカニューレを使って頬の一点から目の周り広範囲にヒアルロン酸を注入する方法です。傷を少なくできるとメリットがあり、患者様の苦痛が減らしながらナチュラルに仕上がるはず。

結果としては、傷が少ないのは良いのですが筋肉の下を針が通る時に痛みが出るポイントがあり、もう少し工夫が必要でした。さらに、実験がてら右と左で注入ポイントを変え、注入量も「オーバーコレクション」と呼ばれる多く入れ過ぎた状態をわざとつくってみました。左右差もあってさらに入れ過ぎの状態、こんなこと実際の患者様には絶対にしません。だからこそ実験になるのですが、その結果は…、右半顔はまるで殴られたあとのような腫れ方、左半顔はやや顔が大きくなったように見えてしまいました。自分の顔ですので思いっきり失敗してみると、違和感のある膨らみや左右差がすごく気になることがわかりました。

このように頬に入れ過ぎたので修正したいと、他院で治療された患者様が時々当院に来られます。治療したクリニックで相談しても取り合ってくれなかったり、当院にヒト由来のヒアルロニダーゼがあることを調べて来られることが多いですが、頬に入れ過ぎた患者様は一様に目が開けにくい、と仰られます。自分の顔で試してみてその訴えがよく理解できました。見た目的にはそこまでではないように見えますが、自分では常に顔がむくんだような感じ、目が下から押されて開けにくいのを感じます。患者様が訴える感覚はこれか、と思いました。

しかもそれだけでなく、常に顔がむくんでいて自分のベストな顔じゃないと思ってしまうと、何をやるにしても調子が上がらないようなストレスを感じてしまいます。時間とともに落ち着いてくるはずなので、今回はヒアルロニダーゼで溶かさずに変化をみていくことにします。ちなみに注入中の写真がこちら。この針は3㎝以上の長さがあるのですが、脂肪よりも筋肉よりも下に注入するためにこのように深くまで刺します。麻酔をしているのでこの針は痛くありません。

治療は、医学的、解剖学的な理論と臨床データに基づいて行っており、思い付きや閃きで行うことは医療ではなくて実験になってしまいますのでそんなことはしません。ただ、そうは言っても、医学の長い歴史は実験の積み重ねであり、より良くなるはずだと仮設をたててトライし、その成功からまた進歩していきます。もちろんその裏には数多くの失敗もあります…。ヒアルロン酸注入治療はだいぶ研究が進んだとはいえ、これからも新しい性能を持ったヒアルロン酸も開発されて発売されますし、まだまだ発展中の治療です。治療を提供する側としては、現状で満足することなく絶えず研究して技術も伸ばすことが大切だと考えます。

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ラベールミラクリニック

〒460-0008

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