Under eye dark circles目の下のクマ

目の下のクマができる原因は複数存在する

目の下のクマはなぜできるのか、目の下のクマができる仕組みについて説明します。まず目の下の「ティアトラフ」という靱帯や、その下から繋がってくる「頬骨靭帯(ザイゴマティックリガメント)」が皮膚を引っ張り込み、その上に「眼窩脂肪」が飛び出てきて、その下にある「脂肪体」が下がってきます。すると、隙間が広がってきて、それを靭帯が引き込むため、溝が現れます。
大まかに言うなら、目の下のクマは複数の原因が重なってできています。

「複数の原因」の一つひとつを説明してみましょう。
周りからたるんできて、皮膚が寄っていきます。
・目の下にある脂肪が萎縮し、それによって痩せていきます。
・痩せてくるだけではなく、靭帯が中に引っ張り込むので、下へ下がろうとする皮膚に対して引っ張られる靭帯がつっかえ棒の如く引っかかるような感じで溝が現れます。
眼窩脂肪が飛び出してくることにより、上の膨らみができ、下の溝感が強くなってきます。

このように、たるみ、痩せ、靭帯への引き込み、眼窩脂肪の飛び出し、全てが相まって目の下のクマという影を作り出しています。

若い方のクマと40歳前後の方のクマの違い

例えば若い方でたるみが全然なく、眼窩脂肪の突出もなく、「ただ単に目の下が窪んでいるだけ」という方は、窪んでいる部分をパッと起こすだけでクマを消すことができる場合があります。

当院の院長の場合、目のように眼窩脂肪が飛び出ていて、それによるクマ、溝が現れている場合は、脂肪を取る処置・減らす処置をしてクマを消すことができます。

多くの場合40歳前後になると、眼窩脂肪が飛び出してきて、ある程度それが見えてくるようになります。
眼窩脂肪を含む複数の原因が影響し複合的に絡み合っていますので、40歳前後の方で「クマを薄くしたい」となると、窪んでいる部分をパッと起こすだけではなく、他の治療も必要になります。
リフトアップし、目の下に形を取り戻し、痩せていく溝の問題を戻しながら、眼窩脂肪を取り出したり処置をして形を取り戻してリフトアップすると、クマは薄くなっていきます。

上記のような流れから、少し複雑なものと考えてください。マリオネットラインと同じく非常に複雑なものです。

人によって原因やその割合は異なる

前述したように、リフトアップ形を戻すことボリュームを戻すことも、そして目の際の靭帯そのものの支えを作るようにして持ち上げていくことも、それから眼窩脂肪を取り出すことも、それぞれ人によっては全てが必要な治療です。
さらに最終的には皮膚の厚みを出すような、コラーゲンを増やすような治療を加えることでより良くなる方もいます。

例えば同じ年代であっても
・眼窩脂肪が全然出ていない、その下の痩せの問題が大きい方
・あまり痩せていないけど、脂肪の飛び出しはかなり強い方
と言うように、クマを作る原因の占める割合は人によってバラバラですので、それを見極めた上で治療することが大事です。

注入治療だけではできないこと

 

目の下のクマには色々な治療方法があります。
当院はヒアルロン酸を使っての治療を専門的に行っていますが、もちろんヒアルロン酸以外のもの(例えば脂肪やコラーゲンの注入)であっても、痩せを改善したり厚みを出したり形を整えたりなど、上手に行えば同じ結果を狙うことができると考えています。
もちろん、メリット・デメリットはそれぞれにあります。

ただ、注入系等「形を出す治療」だけでは解消できないのが「脂肪の問題」です。
人によっては眼窩脂肪の処置をしないと、綺麗に滑らかにできないことがあります。

眼窩脂肪を取り出すオペでは、脂肪をただ取り出すだけではなく、脂肪を上手に付け替えたり、内側から引っ張ったり、もしくは眼窩脂肪を取り出し、必要な部分には体から取った脂肪を必要な形として戻す、など色々な事が可能です。

クマ治療はシンプルではない

「クマにはこの治療をすればいい」と一概に言えるほど、簡単でシンプルな部分ではありません。患者様それぞれの目の下のクマの原因を見極め、それに対する治療を選択する必要があります。「これ一択!」ということは基本的にはありません。

それぞれの治療のメリット・デメリットを考えると、色々な選択肢がありますので、それをよく相談しながら選ぶことが非常に重要になってくると思います。