Unken cheeks頬のコケ

頬のコケとは

もみあげの前辺りに見える頬のコケです。もう少し細かく分けると、頬をエリアとして分けるラインがあり、横側のコケとこの前側のコケ。大きく分けるとこの2つのコケが一般的に頬のコケと呼びやすいものです。
多くの方が気にするのは、側面のコケです。ゲソっとして見えていたり、それから筋が入るようにコケがあったりと色々なパターンがあります。

頬がコケる原因

頬のコケができる原因の多くは中のボリュームロス脂肪が痩せることです。「要らない脂肪」もありますが、頬はどちらかというと「あってほしい脂肪」です。「あってほしい脂肪」「必要な脂肪」というのは残念なことに年齢とともに減っていくパターンが多いです。

たるみ

また、皮膚の緩み、そして筋肉の膨らみがそれぞれ影響している場合も多くあります。
下にある筋肉が膨らんでいると「フェイスラインがまとまろうとするライン」が一旦膨らむことでコケに見える部分もありますが、若い頃はなかったコケが出てくるのは、結局はそれなりに中の構造が変化しているからです。中の構造をコケがなかった頃、つまり若い頃に戻せば、必然的にコケは改善していきます。

頬のコケの治療法

単に窪んでいるからそこにヒアルロン酸を入れて膨らまして終わり。ではありません。脂肪の痩せだけではなく、皮膚の緩み、そして筋肉の膨らみがそれぞれ影響している場合は、皮膚を上に引っ張り上げるような処置をし、窪んでいる部分にヒアルロン酸なり脂肪なりを置いて形を取り戻します。
筋肉の膨らみによりコケに見えている部分は、筋肉を小さくしフラットにしていくと、ちゃんとコケは綺麗になっていきます。

多くの場合、その「必要な脂肪」が痩せていきゲソっとする場合が多いので、そこに何か代わりのものを置いて形を戻しフェイスラインを整えつつ、少し皮膚を引っ張り上げるような処置をしていきます。

何を使って形を戻すのがいい?

何を使ってその形を戻すか。という考え方があります。当院ではヒアルロン酸治療を専門的に行っていますので、ヒアルロン酸は扱いやすくて良いと考えてはいますが、他にも脂肪注入や、PRPを上手く調節して打つという方法もあります。
あとはいつもお話しすることですが、それぞれのメリットデメリット・特徴をよく知ることが大切です。

【PRP】
●メリット
・自分の細胞で細胞を増やすので、増えてしまえばかなり長く使うことができコスパが良い

●デメリット
・少しコントロールが難しい面がある

【脂肪注入】
●メリット
・自分の細胞、脂肪を取って入れるのでアレルギーが起こらず非常に扱いやすい
●デメリット
・オペというやや大きな処置が必要になる
・定着率の違いがある
脂肪は10入れて10丸々残るわけではなく(ドクターやクリニックによって見解が異なることはありますが)、10入れて大体約3分の1前後が定着することになりますので、「予め残る量を計算して入れる」という腕が必要になります。

【ヒアルロン酸】
●メリット
・調節性が良い
ヒアルロン酸の場合は水の吸収や製剤の誤差はありますが、基本的には10入れたら10の分、形を作りやすいです。
調節性が良いことがヒアルロン酸のメリットです。
●デメリット
・アレルギーリスクがある
ヒアルロン酸そのものは体内にあるためアレルギー性は低いのですが、吸収されにくいように加工してあるためなのか、確率は高くないですがアレルギーのリスクがあります。
・徐々に吸収される
吸収には時間がかかるので、実は思っている以上に長く効果として続きますが、3年、5年と長い期間で考えると、維持するためにリタッチして追加する必要が出てくることが挙げられます。

ただデメリットの裏返しですが、その数年間に起きる顔の老化と同時に、ヒアルロン酸の吸収が起きるので「数年単位で減っていく」ことは、ある意味「ヒアルロン酸もお顔と一緒に年を取っていく」ようなもの。
顔全体の老化に対して違和感なくヒアルロン酸も痩せていく点がメリットと言えます。
吸収される・減るのはデメリットですが、減ってくれるがゆえにその後年月が経過しても違和感が生まれにくい。それがまたメリットの一つになるかな、と考えています。

また、どんなものでも共通のリスクとして、変な形に入れると変な顔になってしまう可能性があるので、しっかりとした治療をするドクターを選ぶことも大切です。

頬注射

頬のコケの治療での注意点

マリオネットラインや目の下のクマと比較すると、頬のコケはそこまで複雑ではありません。頬のコケの原因の多くは中の脂肪が痩せていることですので、そこの形を取り戻すような治療をすればいいのです。

しかし、少しだけ注意が必要な場合もあります。時々「痩せ」と言うより、中に皮膚を引っ張る靭帯が強かったり中で癒着するように皮膚を引っ張る構造が起きていて、窪みのようにゲソっとし、ピンと引っ張られるような感じの引っかかりがある場合があります。この場合は、単純にそこにヒアルロン酸や脂肪を入れようとしてもなかなかそこが膨らみません。

入れても入れても、中に強く引っ張られているので、かえってドーナツのように周りが膨らんでしまい、その窪みだけが残ってしまう。という場合があります。この場合は中で皮膚を引っ張り込む靭帯を少し剥離し皮膚を起こすような、テクニックを要する処置を行います。

こういった方は、若い頃からエクボのような窪みがあることが多いです。若い頃は皮膚にしっかりとした厚みや弾力があるため目立ちません。年齢とともに皮膚や中の脂肪が痩せてくると、そういった皮膚の引っ張りが目立ってくる場合が多いです。
ある程度は治療して戻すことが可能ですが、皮膚を引っ張り込む靭帯をしっかりと処置することが、意外と難しいのが注意点です。