Perioral thinning口周りの痩せ

口周りの痩せ

口周り、特にほうれい線やマリオネットラインの内側の部分は脂肪がつきにくいので、年齢とともにどんどん痩せていきます。それに対して線を挟んだ外側の脂肪は膨らみやすく、かつ下に下がりやすいので、どんどん厚みが目立つようになります。

ほうれい線やマリオネットラインを挟んだ外側は、厚みが出て押し寄せてくるのに対し、この線を挟んだ内側はどんどん痩せて薄くなっていき、皮膚の高さの高低差が非常にできやすい場所です。また、口元が痩せると皮膚が寄って縦ジワを作りやすくもなります。

口周りの痩せの治療法

個人差はありますが、口周りは基本的にほとんどの方が年齢とともに痩せていきます。口元が太っている場合は、顔全体が太ってるケースが多いです。
そのため、口周りは「痩せていくボリュームに対して戻す治療がある程度必要になる」と考えるのがシンプルです。単に口周りの皮膚を引っ張るだけでは限界があります。

もちろん引っ張ることでシワはパンと伸びますが、あまり強く引っ張ると口元が「引っ張られた形」になってしまったり、動きに違和感が出てしまうことがありますので、引っ張ることだけが正解ではないです。
厚みを出す治療が必要であり、選択肢としては「頬のコケ」の治療と同じで、ヒアルロン酸脂肪注入、それからPRPなどが挙げられます。
それぞれのメリット・デメリットも同じです。

【PRP】
●メリット
・自分の細胞で細胞を増やすので、増えてしまえばかなり長く使うことができコスパが良い
●デメリット
・少しコントロールが難しい面がある

【脂肪注入】
●メリット
・自分の細胞、脂肪を取って入れるので、アレルギーが起こらず非常に扱いやすい
●デメリット
・オペという大きな処置が必要になる
・定着率の違いがある
脂肪は10入れて10丸々残るわけではなく、ドクターやクリニックによって見解が異なることはありますが、10入れて大体約3分の1前後が定着することになりますので、「予め残る量を計算して入れる」という腕が必要になります。

【ヒアルロン酸】
●メリット
・調節性が良い
ヒアルロン酸の場合は水の吸収や製剤の誤差はありますが、基本的には10入れたら10の分、形を作りやすいです。
調節性が良いことがヒアルロン酸のメリットです。
●デメリット
・アレルギーリスクがある
ヒアルロン酸そのものは体内にあるためアレルギー性は低いのですが、吸収されにくいように加工してあるためなのか、確率は高くないですがアレルギーのリスクがあります。
・徐々に吸収される
吸収には時間がかかるので、実は思っている以上に長く効果として続きますが、3年、5年と長い期間で考えると、維持するためにリタッチして追加する必要が出てくることが挙げられます。
しかし、デメリットの裏返しですが、その数年間に起きる顔の老化と同時に、ヒアルロン酸の吸収が起きるので、「数年単位で減っていく」と言うことは、ある意味「ヒアルロン酸もお顔と一緒に年を取っていく」ようなものです。
顔全体の老化に対して違和感なくヒアルロン酸も痩せていくというのがメリットと言えます。
吸収される・減るのはデメリットですが、減ってくれるがゆえにその後年月が経過しても違和感が生まれにくい。それがまたメリットの一つになるかな、と考えています。

頬注射

口周りの痩せも基本的には頬のコケと同じく、皮下脂肪が減り皮膚自体も薄くなっていくので皮下脂肪の厚みを戻すような注入治療が向いてます。
どの注入治療も「薄く均一に厚みを戻す作業を丁寧にやれるかどうか」がポイントになると思います。そして最終的には皮膚の弾力を戻したり、皮膚のコラーゲンを増やすような治療も向いてます。

口周りの痩せはそれで改善できるのですが、顔全体がゲソっとしてたるんでいる場合、口周りだけに厚みを出す治療をしても違和感が出てしまいますので、注意が必要です。

口周りのシワを伸ばしてパンと厚みを出すような治療をする時は、顔全体もリフトアップし立体感を出していくと、違和感が少なくきれいになります。
顔全体のバランスを見るという考え方が重要です。