Nasolabial-linesゴルゴライン

ゴルゴラインとは

目の下のクマのラインの途中から分かれ頬の中央に沿って斜め下方に入る線。これが俗に「ゴルゴライン」と呼ばれています。「ゴルゴ13」という漫画の主人公の頬にくっきりと描かれていることから、この俗称が使われるようになりました。
ちなみにアメリカでは「インディアンライン」という俗称があります。原住民であるインディアン(この名称はもうあまり使われませんが)のイラストや絵を見てみると、やはりびっしりとこの線が入ってることがあります。

ゴルゴラインができる原因

基本的に上記の筋を大きく分けると「へこみ」と「脂肪」です。つまり「脂肪の膨らみの段差」ということです。ゴルゴラインの正体は、中で靭帯が引っ張っていることです。

年を重ねるとゴルゴラインの上下にある脂肪が縮んでいき、さらに下がってもいきます。
若い方は脂肪同士がみっちりと接しているので隙間がありません。何歳になっても脂肪がある方もいるかもしれませんが、多くの場合は年を重ねるにつれ、この脂肪はだんだん縮み、縮んだことにより現れた隙間が広がっていきます。その隙間に靭帯があります。

この靭帯は「皮膚に対して奥の方に引っ張り込む動き」を持っているのですが、周りの脂肪が縮んでくると、この動きが強くなり、段差・へこみのように見えるようになり、するとだんだんとゴルゴラインが現れてきます。

他にも上の脂肪の飛び出しによるものなど、細かい原因もありますが、ゴルゴラインの大きな原因は「脂肪が減っていくこと」と「脂肪と脂肪の隙間の中の靭帯がそれを引っ張り込むこと」の2つと言えます。

ゴルゴラインの治療

できてしまったゴルゴラインは、どのように治療するのがいいのでしょうか。まずは脂肪が縮んでいったことで形が変わった部分の治療について説明します。
脂肪が減った部分、支えが減った部分、骨の形も減っていきますので、それに対して若い頃の形になるべく戻すようにしっかり形を整えると、まずはへこみのラインが減っていきます。そして、靭帯の真下からも支えるように少しヒアルロン酸を置くことにより、凹みのようなラインはさらに減っていきます。

ただ、それだけではありません。ゴルゴラインができるほど痩せやたるみがある方は、ゴルゴラインの部分だけではなく、周りからの痩せやそれによるたるみもあるでしょう。
それらをそれぞれ打ち消すようにリフトアップし、ゴルゴラインがあった目の下に綺麗な形が整った時、それに違和感なく成立するぐらい周りの輪郭・ラインも整えると、バランスが良くなります。

ゴルゴラインができる仕組みを考えたら、次に中の構造を戻すことが必要です。
構造を戻すためには骨格的な問題を矯正し、そして脂肪の形を矯正し、靭帯の緩みはヒアルロン酸で下から少し起こすようにし膨らませて持ち上げます。

しかし、靭帯が伸びきってしまっている場合にはヒアルロン酸だけでは難しい場合があります。周りからのリフトアップもしっかりと加えます。
ゴルゴラインとは直接は関係ないですが、当院の院長のように脂肪の飛び出しがあり、それによる影ができてしまう場合は脂肪そのものをどうにかする処置を考えていくことも必要です。

バランス良く原因に対する全体的な治療をしていくことで、ゴルゴラインはナチュラルに薄くなっていきます。
これがゴルゴラインの治療法です。

ヒアルロン酸以外の治療

ゴルゴラインに関してはヒアルロン酸に限らず、他の治療も非常に有効です。今流行りの脱脂から少し延長して、その奥に処置を加えるハムラ法・裏ハムラ等、色々とあります。
脂肪を取って脱脂をして、それに対して脂肪注入をするような処置をされている先生もいます。それぞれのメリット・デメリットがあります。

専門的にされているドクターの中には、自分が専門とする治療方法以外は「どうかと思う」と言われる方もいますが、それぞれの治療を専門的に突き詰めているドクターの手技を見ると、結果的に綺麗になっていますので、どの治療方法も十分選択肢の一つであると言えるのではないでしょうか。

「ハムラ法以外認めない」「裏ハムラ法がいい」「単なる脱脂はどうか」など、そのような単純な話ではないと考えています。患者様のお顔の状態をしっかり診断し、それに対する適切な治療をすることが重要であり、それを抜きにして「あの方法がいい」「この方法がいい」「ヒアルロン酸はダメ」「この脂肪注入はどうなる」と論じるのは、あまりに極端であり、暴論になりやすいのかなと思います。

全体のバランスが大切です

額のシワも目尻のシワもゴルゴラインも同様ですが、それぞれ無くしたり薄くしていった時、治療した部分の年齢感は若返っていきますが、他の部分の年齢感をどれぐらい合わせておくかが非常に重要になります。
全体のバランスを見ていくことは、どんな治療においても重要と考えています。