こんばんは、松元です。
今日はラベールで合併症のセミナーがありました。
注入治療は、注射一本でできる手軽さが魅力ですが、その裏にはリスクも存在します。
特に、美容医療を受ける多くの患者さんは健康な方です。
健康な人に手を加える治療である以上、保険診療とは異なって、リスク管理がより一層重要になります。
「こんな合併症がよくあるんですか?」の答え
これは今日参加されたドクターに聞かれた質問です。
合併症というと、「極端にシビアな状態」を想像する方も多いと思います。
例えば血管塞栓など、緊急性の高いものをイメージするでしょう。
よくあるかと問われたら、適切な技術を持ち、しっかりと注意を払えば、そうそう頻繁に起こるものではありません。
そのため、
「よくあるんですか?」の答えには
「そんなに多くないです」が回答となるわけですが、
はたしてそれでよいのか?
合併症と一口に言っても現実には大小様々です
合併症を幅広く考えたときにその問題の大きさは大小様々です。
緊急性が高く重症度が高い、血管塞栓をLv10(max)とするとLv10はそんなに頻度の高いものではないです。
しかしLv2〜5くらいの合併症はそれなりにあります。
たとえば治療後の内出血だとか、注入後にひどく腫れただとか。
医療者からすると仕上がりには影響しない一時的なものであっても、
合併症という括りでは患者さんにとっては同じもの。
そのためLv2だからトラブルにならないかというと、
トラブルになり得るというのが美容医療の難しさであります。
Lv2の合併症でもトラブルになります
たとえ医療者にとって軽度の合併症であっても、患者さんにとってはトラブルと感じることがあります。
たとえば
「内出血あるとは聞いてたけど、こんなに内出血出るなんて思わなかった」
「腫れてしまってしばらく外に出られなかった」
医療者側からすると、よくあることかもしれないけど、
患者さんからしたら、大事件です。
だから、Lv10の状態にはなかなかならないです。
ならないですけど、だから大丈夫ってことではないんです。
私たちは2-5のトラブルも、自分の責任として請け負う必要があります。
トラブルを防ぐために必要なこと
では、どうすればトラブルを最小限にできるのでしょうか?
大前提として技術的なトラブルを起こさないようにする努力は必須です。
塞栓を起こさないようにする。
感染を起こさないようにする。
腫れにくいように筋層内には入れない。
出血したらすぐ押さえる。などなど…
やれることは全部やります。
そうした上で避けられないこともあります。
そんなときに重要なのがカウンセリング、そして患者さんとの信頼関係です。
- カウンセリングで合併症について話す
美容医療は魔法ではありません。
効果とともにリスクもあることをしっかり伝える必要があります。
「絶対安全」という言葉は、どんな治療にも当てはまりません。 - 患者さんがイメージを持ち理解をする
お話をした上でしっかりイメージを持ってもらう。
これくらいの内出血が出るかもしれない、最悪血管塞栓になるかもしれない。
そんなイメージをして、良いことも悪いことも理解をした上で治療に臨みます。 - 治療前後の信頼関係
「困ったときにこのクリニックなら対応してくれる」と思ってもらうことが何より大切です。
トラブルになったクリニックに行きたくない。という患者さんは多いですし、おそらくわたしもそう思ってしまうタイプです。
でもそんなときにちゃんと「なんとかして!」と言えるようなクリニック、ドクターであることで、治療機会を得ることができます。
これは患者さんにとってもドクターにとっても次につながる重要なステップになります。
終わりに
注入治療に携わって3年ほどですが、うまくいくときもあれば、思うようにいかず悩むときもあります。
それは、医療が相手にするのが人の体であり、予測しきれないことがあることと、
更に患者さんという一定ではない、人との関わりの難しさがあるからです。
医療はもちろんのこと、人との関わりも、すべてが予定調和で完璧に進むわけではありません。
そのなかで患者さんとの信頼関係が本当に大事だと感じています。
極端な話、治療の結果がどうであれ、
しっかり話し合い、その理解を共有できていれば、その信頼が治療を支えてくれます。
シビアな状態になったときに、良い未来に進むか、悪い未来に進むかは、
その信頼感で決まると言っても過言ではありません。
私自身も日々悩みながら、それでも患者さんのために少しでも良い治療が提供できるよう、努力を重ねています。
うまくいったことも、いかなかったことも、全部自分の糧にしていくしかありません。
美容医療を通じて、患者さんの幸せに貢献できるよう、これからも頑張っていきたいと思いました。
そんな1日でした。登壇された新井先生、参加された先生方、ありがとうございました。
それではまた。
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