注入治療の違和感を考える

こんばんは、松元です。

今日は注入治療の「違和感」のお話しです。
私は注入治療の魅力を日々お伝えしていますが、世間ではまだまだ誤解や偏見が残っていると感じることがあります。
その中でもよく耳にするのが、「注入治療をすると変な顔になる」「違和感のある顔になる」という声です。

では、その「違和感」とは一体何なのでしょうか?

違和感の正体

違和感の正体は、「人間では起こり得ない、不自然な状態」に集約すると考えます。
例えば、

ほうれい線が完全に消えているのに、輪郭がたるんでいる状態

こうした状態は、生物として自然ではありません。
ほうれい線だけが若々しいのに、他の部分が老化したまま。
これでは整合性が取れず、人間の顔として不自然に見えてしまうのです。

さらに興味深いのは、こうした違和感を「理論的」に理解している人はほとんどいないにもかかわらず、
多くの人が「本能的」に違和感を感じるということです。

これは、人間や生物として備わっている直感的な感覚であり、
人間はコミュニケーションをして繁栄してきたと言われているように
特に顔のバランスや表情の変化に対する鋭い観察力が備えられていて
それらが働いているからだと考えています(ただの持論です)

笑顔の違和感:目尻ボトックスの例

もう一つ、違和感が起こりやすい例として「目尻のボトックス」を挙げてみます。

目尻のシワ、いわゆる笑い皺は、笑顔を引き立てる重要な要素です。
人間が本当に笑う時、頬が押し上げられ、目尻には必ずシワができます。
このシワがあることで、笑顔が自然で、優しさや温かみが伝わり
コミュニケーションをとることができます。

ところが、目尻にボトックスを打つと、この笑い皺が完全にブロックされることがあります。
その結果、頬が上がっているのに目尻にシワができないという状態になり、
「笑っているのに笑っている感じがしない」という違和感を与えてしまうのです。
この違和感は、多くの場合「目が笑っていない」という印象につながり、
怖い、冷たいといった感情を引き起こすことがあります。

本能的な違和感を防ぐには

ご理解いただきたいのは、ヒアルロン酸やボトックスの治療自体が悪いわけではなく
それらを考慮しないまま治療に進むことがよろしくないということです。
これらの違和感は治療前に予測することが可能で、防ぐことができます。

注入治療を自然に見せるために

・老化の兆候を一部分だけでなく、全体的に改善する

・表情の自然な動きを妨げない程度の治療にする

これらのポイントを押さえることで、不自然さを回避することができます。
治療をする際には、患者さん一人ひとりの顔の個性やバランスを尊重し、
その方にとっての「自然な美しさ」を引き出すことが重要です。

まとめ

「違和感」の正体は、「人間の顔として起こり得ない不自然さ」に集約されます。
その「違和感」は、理屈ではなく本能的に感じ取られるものです。
そして「違和感」は予想して防ぐことができます。

注入治療は、正しくアプローチすれば顔のバランスを整え、
違和感どころか、自然な美しさを引き出すことができます。
そんな注入治療にやりがいを感じています。

それではまた。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。