新しい治療がいいのか

先日、ずっと避けてきたインスタライブに挑戦してみました。結果は……撃沈(笑)。 SNSで見る皆さんのライブみたいにはうまくいかず、話し方も微妙、映りもイマイチ。何人もの知り合いから「大丈夫?」と心配の連絡が来る始末でした。

なぜこれまで避けてきた動画配信を急にやろうと思ったのかというと、セミナーなどで人前で話す機会が増え、もっと伝わる話し方を身につけたいと思ったのがきっかけです。でも苦手意識があって、正直かなり迷ったのですが、迷ったらやろうと挑戦しました。

私は普段、「迷ったらで挑戦しよう」と決めています。なぜなら、人生を楽しみたいから。
実際、やってみると意外と楽しいことが多いし、新しい世界が広がることもあります。
これまでも、いろんなことに挑戦してきました。 娘と一緒にバレエの発表会に出てみないかと誘われ、20年以上ぶりにトーシューズを履いて舞台に立ったり、インドア派の私が息子の喜ぶ顔見たさに大雨の中でガチキャンプをしたり……。 仕事でも、注入指導トレーナーは大きな挑戦でした。(なる前も、なってからも大変なのはわかっていたので、正直ものすごく迷いました。)それら全ての経験が私の人生を色濃くしていると思っています。

そんなふうに新しいことに積極的に挑戦する私ですが、医療に関しては慎重に向き合っています。
医療以外なら、新しいことに挑戦して失敗しても「いい経験」になります。でも、医療ではそうはいきません。安易に新しい治療を試して、もし問題が起きたら取り返しがつかないこともあります。
ただ、新しい治療を慎重に導入することと、新しいものを否定することは別です。医学の進歩には、新しい治療法の検証と導入が不可欠。重要なのは、「この治療が有効だ」と確信できるだけの根拠を持つことです。(もちろん後から予想外のことが判明することもあります)

患者さんも、新しい治療を受けるかどうか慎重に考えますよね。
例えば、コロナワクチン。 「今は健康。でも、新しいワクチンでどんな副作用が出るかわからない。けど、コロナになったら重症化するかもしれない。打つ?打たない?」 多くの人が悩んだのではないでしょうか。
(ちなみに私は打ちました。当時のコロナの致死率や感染状況を考えて、よく考えたうえでの決断でした。その後、状況が変化し、追加接種の必要性を再評価しました。)

美容医療でも同じです。
新しい治療にすぐに飛びつくのはおすすめしません。しっかり考えることが大事です。

新しい治療は次々に登場します。中には素晴らしいもので残っていく治療もありますが、最初は話題になっても思わぬ副作用が次々と報告され、結局消えてしまう治療も少なくありません。
私は、慎重に情報を集め、エビデンスを確認した上で治療を提供しています。 その分導入は遅くなるので「時代遅れ」と言われるかもしれませんが、それでも医療では安全性を最優先したいのです。
医学は日々進歩していますが、長年使われている治療ですら、まだ解明されていないことがたくさんあります。だからこそ、私は常にあらゆる可能性を考えながら診療を行っています。

新しい治療が必ずしも「いい」とは限らない。 でも、新しい治療の中から本当に良いものが生まれることも確か。
これからも、しっかり考えながら、自分が「これは良い」と納得できる治療を提供していきたいし、患者さんにも慎重に考えていただければと思います。



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