先日AMI主催のステップ2セミナーに参加しました。
AMIというのはAllergan Medical Instituteの略でヒアルロン酸やボツリヌストキシンの承認製剤を製造、販売するアラガン社の教育機関です。
AMIは安全で効果的な注入治療のために様々な学習の機会を用意しています。
その一つが今回私が参加した集合トレーニング、
初級から上級まで段階的にトレーニングを受けられるようになっています。
今回私が参加したステップ2セミナーは土台治療に位置付けられる頬、Ckエリアの注入を学ぶものです。
Ckエリアは全ての患者さんに使うといってもいいほど馴染み深いエリアですが、
セミナーの場で講師の先生から学ぶことでさらに理解を深めようと思い参加しました。
講師はファカルティトレーナー黒田淳子先生です。
分かっているつもりでも後になって
「理解が行動に落とし込めていなかった」
と気付くことがあります。
注入治療は一人でやるもの
そして決まった治療がないというクリエイティブな側面があります。
ですから常に自分のした治療を振り返り反省する癖を付けておかないと
いつのまにか正しい注入理論からズレている危険があります。
注入治療は道迷いの危険が多い山のようなもの
決まった登山道がなく、地図もなくGPSも使えず方位磁針だけを頼りに登らなければなりません。
顔という一人一人違う対象を
患者さんそれぞれの気持ちに沿って治療するとき
理論を手離しかけているのに気づかない時があります。
目指すべき方角がずれているのに気づかず歩きやすい登山道に入っている。
例えば外側にテンションをかける以上にほうれい線に注入したりとか。
「Ck1は使わないのですか?」
「まずテンションをかけることです」
と何度新井先生に言われたことでしょう。
一方で
顔は人のアイデンティティそのもの
お決まりのパターンに患者さんを無理やりはめていては幸せな注入治療とは言えません。
正しい方角への最短ルートが最善とは限りません。
正しい方角を意識しながら迂回路をとることが最善の時もあります。
正しい方角(理論)も安全性(患者さんの気持ち)も手離さない
注入治療は難しくてやり甲斐があって、
だからこそ面白い!
上級ポイントを覚えたいというのは注入治療をする医師なら誰でも持つ願望ですが、
上級ポイントを使う段階までに出来ること、やるべきことはいっぱいあります。
そしてそれだけでかなりお顔は若返ります。
基本ポイントこそ追求するべき!
ということで参加した今回のセミナー
黒田先生のカウンセリング力と注入の鮮やかさは圧巻でした。
事前の短時間のカウンセリングでモデル様に治療を理解してもらい信頼関係を築く力、
美しく無駄な動きのない注入テクニック
など見習いたいことばかりでした。
そして
頬の注入はそれだけで完結する治療であること、
「土台治療」の意味を改めて感じることができました。
今回のブログは私の頭の中の独り言
何か学ぶといつもあれこれ考えては悦に入っています。