解剖学に基づく注入治療の追究と次世代への知識継承
―医療の本質を美容医療へ―
クリニックフィロソフィー
美容医療も医学である
私たちラベールミラクリニックは、美容医療における研究・教育で得られた知見を、いち早く社会に還元することを使命としています。美容医療といえども医療であり、医学です。自由診療といえども医療であり医学である以上、理論的でエビデンスに基づいた根拠ある治療を追究すべきと考えています。
幸い、現代の美容医療には様々な研究データがあり、エビデンスも充実してきています。解剖学的根拠に基づいた注入治療の知識と技術を、実践的なプログラムを通じて提供し、美容医療の理解を深める啓蒙活動に注力しています。
技術の追究と注入治療の可能性を探求・発信するクリニックとして、美容医療の発展に貢献することを目指しています。
院長紹介
新井根洋 院長 – アラガン社公認ファカルティ
新井根洋院長は、日本国内でも数少ないアラガン社公認ファカルティとして認定されており、東海地区では唯一の存在です。特にヒアルロン酸注入の分野において、国内外での講演活動を通じて理論的かつ実践的な知識を共有し、これまでに延べ数百名のドクターへの教育指導を行ってきました。
解剖学的アプローチに基づく繊細な手技と、エビデンスベースの治療計画により、多くの医療従事者から信頼を得ています。また、MD-codesの開発者であるDr. Mauricio de Maioから直接学び、その知識を実臨床と教育に活かしています。
治療哲学 – Total Facial Treatment (TFT)
パーツ治療からトータルバランス治療へ
当院の治療哲学の中核を成すのが「Total Facial Treatment (TFT)」です。従来のパーツごとの治療ではなく、顔全体のバランスを考慮した総合的アプローチにより、真にナチュラルな若返りを実現します。
TFTの原則:
- 顔面の解剖学的構造の包括的評価
- 骨格、筋肉、脂肪組織、靭帯の相互関係の理解
- 加齢変化のメカニズムに基づいた治療計画
- 患者の個別性を尊重したカスタマイズ治療
単一部位のみを治療しても、全体のバランスが取れていなければ患者の満足度は低くなります。当院では、時に1時間以上をかけたカウンセリングを通じて、治療すべきポイントと期待される変化について患者と徹底的に話し合います。
ヒアルロン酸注入治療 – 解剖学的アプローチ
骨格から形作る – 若返りの本質的理解
当院のヒアルロン酸注入治療は、表層的なシワ取りではなく、加齢に伴う組織変化の本質に対応します。
加齢理論の理解:
多くの人は「シワがあるから老けて見える」と考えますが、実際は「老けているからシワができる」のです。つまり、シワは結果であり原因ではありません。真の原因は以下の組織変化にあります:
- 骨格の退縮 – 顔面骨の吸収による立体構造の喪失
- 靭帯の弛緩 – 支持構造の脆弱化による組織の下垂
- 脂肪の再配置 – 脂肪組織の萎縮と異所性蓄積
- 筋肉の変化 – 筋力低下と過緊張の混在
- 皮膚の弾力性低下 – コラーゲン減少による表層変化
老化のメカニズム:
これらの変化を逆行させるため、ヒアルロン酸を用いて:
- 骨格構造を補完し、顔面の立体性を回復
- 靭帯構造を強化し、組織のリフトアップを実現
- 脂肪の理想的な配置を再現
- 筋肉のバランスを最適化
- 皮膚の土台から支えることで表層の改善を図る
注入技術:
- 深層注入(骨膜上・骨膜下)による構造的サポート
- 中層注入による容積補正
- 浅層注入による繊細な調整
- カニューレとニードルの使い分け
- 注入深度、量、部位の精密なコントロール
使用製剤:
当院ではアラガン社のヒアルロン酸製剤を中心に使用しています。VYCROSS技術により、適度な弾力性と長期持続性を実現した製剤特性を活かし、治療部位と目的に応じて最適な製剤を選択します:
- Volux XC (最高弾力性・形状保持力) – 顎、フェイスライン、鼻など、シャープな形状を保つ必要がある部位
- Voluma XC (高弾力性・滑らかさ) – 骨膜層から皮下脂肪層まで幅広く使用可能、顔のほとんどの部位に対応
- Volift XC (適度な弾力性・柔軟性) – 皮下脂肪層への注入、額や頬など丸みのある優しいラインの形成
- Volbella XC (最高柔軟性) – 皮下脂肪層の中間層から浅層、唇、涙袋、目周りなど動的部位や繊細な部位
ボトックス注射治療 – 神経筋調整の科学
表情筋のコントロールによる美の最適化
ボトックス治療は、神経筋接合部におけるアセチルコリン放出を調整し、筋肉活動をコントロールする治療法です。
治療原理と臨床応用:
1. 表情ジワの改善 過剰な筋肉収縮により形成される動的シワに対し、筋肉活動を適切に抑制します。しかし、単純に筋肉を弱めるだけでは不十分です。
重要な臨床的考察: 例えば、額のシワに対するボトックス治療を考えます。多くの医師が「額にシワがあるからボトックスを注入する」と考えますが、医学的に重要なのは「なぜ額のシワにボトックスを注入するのか」という問いに理論的に答えられることです。
額のシワの多くは、眉毛下垂に対する代償性の前頭筋過活動によって生じます。単に前頭筋を弱めると眼瞼下垂が悪化する可能性があります。したがって、眉毛を挙上する治療(ヒアルロン酸による構造的サポートや眉下制筋へのボトックス)と組み合わせることで、安全で効果的な治療が可能になります。
2. 顔面輪郭の調整 咬筋の肥大による下顎角の張りに対し、筋肉量を減少させることで、より洗練された輪郭を実現します。
3. 表情の最適化 拮抗筋のバランスを調整することで:
- 眉の位置と形状の最適化
- 口角の挙上
- 目の開き具合の改善
- より柔和で親しみやすい表情の形成
4. 多汗症治療 エクリン汗腺の神経支配を一時的に遮断し、過剰な発汗を抑制します。同様にアポクリン汗腺の分泌を抑え、腋臭の症状を改善することが可能です。
投与技術: 顔面の筋肉解剖学と表情筋の相互作用を深く理解した上で、必要最小限の投与量で最大の効果を実現します。拮抗筋のバランスを考慮し、自然な表情を保ちながら治療効果を得ることを重視しています。
教育プログラム – 出藍の誉を目指して
次世代の注入治療専門医の育成
当院の教育理念は「出藍の誉」です。教える際は、相手が私たちを超えていけるよう、常に全力で出し惜しみなく教えます。
教育における重要な洞察:
1. ゼロから学び直す勇気 注入治療を効率よく習得するためには、従来の注入治療の経験や考えを一旦すべて捨て去り、基礎から学び直すことが必要です。これは口で言うほど簡単ではありません。
比喩的説明: 従来の注入治療をある程度経験していると、その経験に新しい知識を足してアップデートさせようとします。しかし、これは往々にして上手くいきません。理論が根底から異なるためです。
みかんの木を一生懸命育ててもできるのはみかんであり、りんごは絶対にできません。もしりんごを実らせたかったら、木を根から引っこ抜いてりんごの木の種を植えて育てなければなりません。早く成長させるには、自分の育てているのがみかんの木だと気づき、一刻も早く植え替えることです。
2. 医学的根拠に基づく治療 美容医療において、適切な教科書や教育が少なかった時代があり、多くの医師が先輩から言われたことを善として行うしかありませんでした。しかし、美容医療といえども医療であり、医学です。
保険診療では医学的な考えと診断に基づく治療を行っていた医師が、美容医療になると医学的プロセスを飛ばしてしまうことがあります。これは避けるべきです。
3. 理論、研究データ、エビデンス、解剖の必須性 注入治療は「とりあえず」や「なんとなく」で行ってよい治療ではありません。初心者ドクターが手始めに覚えるプチ整形でもありません。理論的でエビデンスに基づいた医学的な治療であり、そのためには以下が必須です:
- 顔面解剖学の深い理解
- 加齢変化のメカニズムに関する研究データ
- 各治療法の臨床的エビデンス
- 解剖実習による実践的知識
4. MD-codesの理解と活用 MD-codesは信じるものでも賛同するものでもなく、利用するものです。膨大なデータ、解剖知識、安全技術が吟味され詰め込まれた知識体系として、適切に理解し活用することで、安全で効果的な治療の基盤となります。
しかし、MD-codesだけですべてをカバーできるわけではありません。MD-codesに含まれた意味と目的を理解し、利用できる部分は利用する柔軟な姿勢が重要です。
教育プログラムの特徴:
初級セミナー:
- 顔面解剖学の基礎
- 安全な注入テクニックの習得
- 合併症の予防と対処法の理解
- 基本的な治療プランニング
上級トレーニング:
- TFT(Total Facial Treatment)の実践
- 複雑症例への対応
- 修正治療のアプローチ
- ケーススタディと症例検討
ハンズオントレーニング:
- モデル患者での実践的トレーニング
- リアルタイムフィードバック
- 解剖学的ランドマークの確認
- 注入技術の細かな調整指導
5. 教育の成果 – DNAの継承 ラベールで注入治療を身につけたドクターは、私たちのコピーであってコピーではなく、完全なオリジナルでありながらそこにあるコアな情報は同じです。まさにDNAが受け継がれていくように、治療の本質的理解が継承されていきます。
合併症への対応と安全性
安全性を最優先とした治療実践
注入治療において、合併症の理解と適切な対応は不可欠です。
主要な合併症:
1. 血管塞栓 最も重大な合併症である血管塞栓は、ヒアルロン酸が血管内に注入され詰まってしまう状態です。詰まった先には血流が流れず酸欠状態になり、皮膚障害などの組織障害が起こります。
早期発見のための観察ポイント:
- 痛みの性質:「ズキズキと痛みが増していく」「痛みで寝られない」程度の強い痛み
- 皮膚色の変化:蒼白または紫色への変色
- 注入後すぐの異常な症状
対応: ヒアルロン酸を溶解するヒアルロニダーゼの迅速な投与が必須です。時間が経過するほど組織障害は重症化するため、早急な発見と診断、治療介入が重要です。
2. 遅発性アレルギー 治療後数ヶ月経って発症する可能性があります。最近の製剤はタンパク質含有量が減少し、報告は少なくなっていますが、可能性として認識しておく必要があります。
3. 感染 注入部位の感染は稀ですが、無菌操作の徹底と患者への適切な指導が予防の鍵となります。
予防戦略:
- 解剖学的危険領域の完全な把握
- 適切な注入深度の選択
- アスピレーション(吸引)の実施
- カニューレの使用による血管損傷リスクの低減
- ヒアルロニダーゼの常備
研究と臨床の循環
エビデンス創出と臨床実践の統合
当院では、臨床経験から得られた知見を研究として発表し、そこから得られたエビデンスを再び臨床に還元するという循環を重視しています。
活動内容:
- 国内外学会での発表
- 医師向けセミナーの開催(年間複数回)
- アラガン社主催セミナーでの講師活動
- 海外インストラクターとの技術交流
- 最新技術の継続的学習と臨床応用
この循環により、常に最新かつ最良の治療を提供し続けることが可能となります。
クリニック情報
La Belle mira clinic (ラベールミラクリニック)
- 所在地: 愛知県名古屋市中区栄1丁目3-3 ヒルトン名古屋内
- アクセス: 名古屋市営地下鉄「伏見」駅7番出口より徒歩3分
- 診療時間: 10:00~17:00
- 休診日: 毎週月曜日
- 専門分野: ヒアルロン酸注入、ボトックス注射に特化した注入専門クリニック
Contact: TEL: 052-253-8155 Website: https://labelle-miraclinic.jp/
医療従事者の皆様へ
注入治療を本質から学びたい医師の方へ
当院では、注入治療を基礎から体系的に学びたい医師向けのプログラムを提供しています。従来の治療経験の有無にかかわらず、解剖学的根拠とエビデンスに基づいた真の注入治療を習得したい方を歓迎します。
注入治療は医療であり医学です。一緒に、美容医療の発展に貢献しましょう。
セミナー情報や見学のお問い合わせについては、クリニックまで直接ご連絡ください。


