蒸し暑い日が続きますね。
私は冷房をつけるようになったら途端にむくみが気になるようになりました。
今日はヒアルロン酸注入後の腫れについてお話します。
ヒアルロン酸注入部位が腫れたかもと感じた時、いくつかの原因が考えられます。
①身体のむくみと一緒にヒアルロン酸がむくむ
ヒアルロン酸はもともと水分を大量に引き込む性質があります。
精製されたヒアルロン酸はそうならないように設計されていますが、
お酒を飲んだ翌日や塩辛いものを食べた翌日など身体がむくんだときは
注入されたヒアルロン酸も少し水分を引き込んでむくみます。
こういう場合は身体のむくみが引くのと一緒にヒアルロン酸のむくみも引いていきます。
②遅発性有害事象の腫れ
主に注入後1ヶ月から1年くらいの間に腫れることがあります。
風邪、胃腸炎、ワクチン接種などがきっかけで腫れることもありますが、
何のきっかけもない場合もあります。
今まで馴染んでいたヒアルロン酸が皮膚の上からちょっと触れるという軽いものから、
赤みや痛みを伴ったりはっきり見て分かるほど腫れるものまで程度は様々です。
軽いものは2−3日で自然に軽快しますが、腫れが強い場合は炎症を抑える治療を行います。
軽いものは頻度は不明ですがそれほど珍しいことではありません。
私の顎のヒアルロン酸も腫れたことがあります。
人から見てわかるような腫れではないけどコリコリ触れるなと思っていたら2−3日で治りました。
強い腫れは0.5−1%の頻度で起きると言われています。
早く治療を始めればほとんどは2週間程度で良くなります。
私も数例経験しましたが、治療でスーッとおさまりました。
今日お伝えしたいことは
「ヒアルロン酸注入後は腫れることがある」
ということです。
心配ないものもありますが、中には治療が必要な場合もあります。
ですから
腫れたかも、と思ったらまずクリニックにご連絡ください。
注入治療は注入して終わりではありません。
今のヒアルロン酸はとても持ちが良くなっています。
注入後5−6年かそれ以上体に留まると言われています。
私たちは自分が注入した患者さんに起きたことを把握し、きちんと対応したいと思っています。
ヒアルロン酸製剤には20年以上の歴史があり、以前から腫れることがあることは報告されていました。
しかし、多くは軽快することからデータの蓄積や原因解明はまだ十分とはいえません。
患者さんからのフィードバックは注入治療全体をより良いものにしていくために重要です。
あれこれお話しましたが、
注入させていただいた患者さん、
心配なことがあればご連絡ください。
そして
心配なことが特になくても経過観察は来ていただけると嬉しいです。
痛みや内出血はどうだったか、
自分のお顔をどう感じているか
など情報や思いを共有することは患者さんと医師の双方にとって有益です。
患者さんは今後の方向性や治療の選択を考えるための材料が得られる
医師は患者さんをより理解できる
からです。
注入治療は注入して終わりではありません。
よろしくお願いいたします。