美容医療を受けるとしたら
みなさんだったらどこから治療しますか?
「自分が一番気になっているところから」
「手軽に出来そうなシミ取りから」
中には
「美容医療を受けてみたいけど、どこから治療したら良いかわからない」
という方も多いのではないでしょうか。
美容医療は選択肢が多いがゆえに迷子になりがちです。
今日は「どこから治療するか問題」について
注入治療を例に挙げながら
いくつかの考え方とそのメリット、デメリットをお伝えしたいと思います。
1 気になるところから治療する
例えばほうれい線、目の下のクマ、額のしわなど
自分で目について仕方がないところから治療したいと思うのは最もなことです。
ほうれい線もクマもあっても命に関わらない、そこを敢えてお金をかけて治療するのですから、
「気になる悩みを治療してハッピーになりたい」
と思うのは当然です。
気になるところから治療するメリットもまさにそれです。
気になるところから治療するメリット
気になる悩みが良くなってハッピーになる
ではこの考え方のデメリットや問題点はあるでしょうか。
気になるところが正しく治療され、
治療後の状態(改善具合や他の悩みが気になってくる可能性)について事前に説明を受け納得して治療を受けた場合にはありません。
でも現実には、これらがクリアされなかったために治療したけどハッピーにならなかったということもあります。
例えばほうれい線への注入は老化の原因である「頭蓋骨のボリュームロス」を治療してありません。
このような治療は注入量によっては顔がパンパンになることがあります。
原因を治す治療(正しい治療)ではなく症状を治す治療(姑息的治療)が過剰に施され悩みが思ったように改善しなかったというケースです。
正しく治療されたが治療後のイメージが違ったという場合もあります。
ほうれい線がもっと良くなると思っていた、とか
ほうれい線が改善した結果目の下のクマやこめかみの痩せなど他の悩みが目につくようになったというようなことです。
気になるところから治療するデメリット
気になる悩みが思っていたように良くならない場合がある
その理由として治療が姑息的かつオーバーである、事前のイメージのすり合わせが十分でない、ことが挙げられる
2 気軽に挑戦できる治療からやってみる
何を気軽と感じるかは人それぞれですが、一般的には
コスパが良い、痛みが少なそう、ダウンタイムが短い治療を指すことが多いです。
注入治療でいうと、ボツリヌストキシン注射、肌育注射、ヒアルロン酸を1本注入する、などがそれにあたるでしょうか。
残念ながらどれも痛みはありますが。
美容クリニックは敷居が高いものです。
ちゃんと治療してくれるのか、料金は適正なのか、雰囲気はどんな感じ?など不安は尽きません。
私も知らないクリニックを受診するのは緊張します。
頑張りすぎないところからトライするのは安全策です。
そして悩みが改善してそのクリニックが何でも相談できるかかりつけになったらいう事なしです。
気軽に挑戦できる治療からやってみるメリット
美容医療を体験し雰囲気を感じる機会になる
信頼できるクリニックとの出会いとなる可能性がある
ではデメリットは何でしょうか。
気軽な気持ちで行ってみたがあまり満足できなかったということはあり得ます。
思っていたより効果が小さかった、
コスパや痛み、ダウンタイムが軽くなかった、
クリニックや医師の雰囲気、方針が合わないと感じたというようなことです。
料金に関しては診察料や麻酔料がかかり思ったより高くなることがあります。
この場合納得できなければ治療しないという選択肢があります。
診察料だけはかかってしまうかもしれませんが。
納得できなければやめておくという点ではクリニックや医師の雰囲気や方針が合わなかった場合も同じです。
こればかりは行ってみないとわかりませんが、
逆に言えば
合わないものを知ることで自分が求める雰囲気や方針がわかるとも言えます。
効果や痛み、ダウンタイムは事前にしっかり話を聞き納得した上で治療を受けるということに尽きます。
これについては私自身教訓となる経験をしました。
シミ取りのためピコレーザーを受けた際、痛みやダウンタイムが思ったより強くてびっくりしたのです。
事前に調べた範囲では今まで受けたレーザーとそこまで痛みやダウンタイムが違うとわからなかったこと、
同意書の内容や医師の説明から受けたニュアンスもそこまでではなかったので、驚きました。
痛みやダウンタイムは人によりますが、強い場合はこのくらいと話すなど患者さんに覚悟してもらうことは大事なことです。
結果的に良くなるとしてもそれまでの経過も大問題なんだと
患者さんの気持ちを知る良い経験になりました。
気軽に挑戦できる治療からやってみるデメリット
効果、料金、痛み、ダウンタイムなどが思っていたのと違う場合がある。
クリニックや医師の雰囲気、方針が合わないと感じる場合がある。
回避するためには、
事前に話を良く聞きギャップをなるべく少なくする
料金や雰囲気でなんか違うと感じたら立ち止まり
自分が求める雰囲気や方針に合うクリニックを探す
3 客観的に印象が改善する治療からやる
いきなりこんなことを考えてクリニックに行く患者さんはまずいません。
誰でも自分で自分を気に入りたいから美容クリニックに行くのです。
でも一方で人にどう見られるかということも気になります。
疲れてもないし怒ってもないのに、
「疲れてますね」「怒ってるの?」
なんて言われた日にはショックを受けます。
出来れば、若々しく、生き生きと元気よく、優しく見られたい。
自分で気に入り尚且つ人にも良い印象を与える治療がベスト、と考える人は多いのではないでしょうか。
ほうれい線や目の下のクマがお悩みの方に
「人が見るのは輪郭です。輪郭が滑らかだと若々しい印象を与えます。」と話すと、輪郭治療を希望される方は意外と多いです。
輪郭治療は皮膚を外側にシフトするので、ほうれい線も目の下のクマも良くします。
客観的に印象が改善する治療は主観的な視点を捨てさせるものではないのです。
客観的に印象が改善する治療からやるメリット
自然で違和感がない変化をもたらす
ではデメリットはというと、
自然で違和感がない変化なことです。
患者さんが輪郭治療を理解しているようで実は目に見える変化を希望している場合は「せっかく治療したのにあまり変わってない。」
ということになります。
外側にテンションがかかれば、ほうれい線の溝は浅くなり角度は鈍角になり良くなりお顔の重心も上がり必ず良い変化があります。
しかし患者さんの目がほうれい線そのものだけに向いていると物足りないと受け止めることもあります。
客観的な印象を改善する治療は患者さんの治療への理解が必須です。
客観的に印象が改善する治療からやるデメリット
自然で違和感がない変化を患者さんが物足りないと受け止めるリスクがある
回避するために、事前カウンセリングで患者さんに治療を理解してもらい客観的な印象改善のイメージを共有する
まとめ
「どこから治療するか問題」について3つの考え方を紹介しました。
1.気になるところから治療する
2.気軽に挑戦できる治療からやってみる
3.客観的に印象が改善する治療からやる
結論を言うとどれも正解です。
大事なことはどこから治療するかよりも、
治療のメリット、デメリット、ダウンタイム、治療後のイメージなどを理解して治療を受けることです。
痛みなどやってみないとわからないこともあるし、完璧に理解するのは難しいですが「だいたいわかったぞ」という状態で治療を受けると後でがっかりすることも少なくなります。
また美容クリニックはほんとにそれぞれです。
雰囲気や料金だけでなく得意な施術、治療方針も違います。
複数のクリニックに行って違う治療を提案されることだってあります。
それはおかしいことではなく、自由診療とはそういうものです。
手間がかかりますが、大事なお顔です。
ここだと思えるまでクリニック巡りをするくらい慎重でちょうどいいと思います。